ヨークシンシティ
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「ヒソカはユダじゃない。意味、判りますよね?」
兜割りを片手に、ナマエはウボォーに一歩近づいた。
ジャリッと地を踏みしめる音に、ウボォーは振り返る。そこには、まさに鬼とも呼べる形相のナマエがいた。
「無駄な仲間割れしている暇があるなら、さっさと消えて下さい。自分から消えてくれないなら、クラピカ君の様に強行手段に出ます」
表情一つ変えずに、ナマエはウボォーを睨みつけた。
「……わーったよ、オレはこの街を出ればいいんだろ?」
「はい。出来れば、事が終息するまでは身を隠して貰えると助かります」
一変、へニャリと笑ったナマエを見てウボォーは思った。『この女は底が知れない』、と。
ウボォーを見送ると、ナマエはヒソカと共にアジトへと戻っていた。
「戻ったか」
2人の姿を見て、団長はどこか安心した様に呟いた。
「何かあったの?」
「ウボォーが戻らない。予定変更だ」
「そ」
団長の言葉を気にするでもなく、ナマエはアジトの隅の方へと移動した。
「いいのかい?」
「何が?」
「ウボォーギンの事、黙ってて♠」
「いいんじゃない?」
どうでも良い事の様に淡々としているナマエに、ヒソカは怪訝な顔をしてみせた。
「どうせ本当の事を言っても、誰も信じないでしょ?なら、余計な手間を省くためにも黙ってる方が楽」
『ただそれだけ』とケロリと言うナマエ。そんな彼女に、ヒソカは苦笑を漏らした。
暫くすると団長が何処かへと出掛けていった。誰もそれを止めることもなく、待機組はアジトの中で自由に過ごしていた。
どの位時間が経ったかは判らない。
アジトの近くに車が停まる音がし、やがて【鎖野郎】を探しに出ていたメンバーが戻ってきた。
ヒソカと共に瓦礫に腰を掛けていたナマエは、入ってきた面々を見て一瞬顔を顰めた。
「あっ」
「何だ?顔見知りでもいるか?」
「あ~いや……」
ノブナガの問いかけに、連れて来られたキルアは一瞬思案した。
「あ!あの時の女!!」
メガネの女を指さし、キルアは声を上げた。
「何だ、シズクの知り合いか?」
「ううん、全然」
シズクと呼ばれたメガネの女は、まったく知らないという素振りだった。
「ああ……思い出した。腕相撲してた子供ね」
「何だっけ?それ」
「お前、一昨日あの子供と腕相撲して負けただろ」
「ムリね。シズクは一度忘れた事思い出さない」
「ウソだよ。いくらあたしでも、子供には負けないよ」
「いや、その時お前右手でやったから」
「何で?あたし左利きだよ」
「……いや、いい。オレの勘違いだった」
「でしょ?」
顔に傷のある巨体の男が、シズクと押し問答している様をナマエは黙って見ていた。
「ほォ。オメェ、シズクとやって勝ったのか」
「うん」
ノブナガの問いに、ゴンは頷いた。
「まさか旅団の人だとは思わなかったなァ」
「よし、オレと勝負だ」
髪を結い上げながら、ノブナガはゴンに勝負を持ちかけた。
辺りにはコンクリートに手を叩きつける音が響いている。
「……」
「もう一度。レディ……ゴッ」
力を入れてノブナガに対抗しようとしているゴン。
その勝負を、キルアとナマエを含めた団員達が取り囲むようにして見ていた。
ダン!!という音を響かせ、ゴンの手はコンクリートに叩きつけられる。
「もう一度」
ゴンの手の甲からは血が滲み出ていた。
「なァ、オレぁクモの中で腕相撲、何番目に強いかね?」
「7~8番目ってとこじゃねーか?」
「弱くもないけど、強くもないよね」
「――でよ、一番強ェのがウボォーギンて男だったんだが、こいつが鎖野郎にやられたらしくてな」
「だからそんな奴知らないって言ってんだろ?」
「おいガキ、次に許可無く喋ったらぶっ殺すぞ」
キルアを睨みつけながらも、ノブナガはゴンの手を勢い良く叩きつけた。
「もう一度」
ゴンの手は既に傷だらけなのは明白だった。
兜割りを片手に、ナマエはウボォーに一歩近づいた。
ジャリッと地を踏みしめる音に、ウボォーは振り返る。そこには、まさに鬼とも呼べる形相のナマエがいた。
「無駄な仲間割れしている暇があるなら、さっさと消えて下さい。自分から消えてくれないなら、クラピカ君の様に強行手段に出ます」
表情一つ変えずに、ナマエはウボォーを睨みつけた。
「……わーったよ、オレはこの街を出ればいいんだろ?」
「はい。出来れば、事が終息するまでは身を隠して貰えると助かります」
一変、へニャリと笑ったナマエを見てウボォーは思った。『この女は底が知れない』、と。
ウボォーを見送ると、ナマエはヒソカと共にアジトへと戻っていた。
「戻ったか」
2人の姿を見て、団長はどこか安心した様に呟いた。
「何かあったの?」
「ウボォーが戻らない。予定変更だ」
「そ」
団長の言葉を気にするでもなく、ナマエはアジトの隅の方へと移動した。
「いいのかい?」
「何が?」
「ウボォーギンの事、黙ってて♠」
「いいんじゃない?」
どうでも良い事の様に淡々としているナマエに、ヒソカは怪訝な顔をしてみせた。
「どうせ本当の事を言っても、誰も信じないでしょ?なら、余計な手間を省くためにも黙ってる方が楽」
『ただそれだけ』とケロリと言うナマエ。そんな彼女に、ヒソカは苦笑を漏らした。
暫くすると団長が何処かへと出掛けていった。誰もそれを止めることもなく、待機組はアジトの中で自由に過ごしていた。
どの位時間が経ったかは判らない。
アジトの近くに車が停まる音がし、やがて【鎖野郎】を探しに出ていたメンバーが戻ってきた。
ヒソカと共に瓦礫に腰を掛けていたナマエは、入ってきた面々を見て一瞬顔を顰めた。
「あっ」
「何だ?顔見知りでもいるか?」
「あ~いや……」
ノブナガの問いかけに、連れて来られたキルアは一瞬思案した。
「あ!あの時の女!!」
メガネの女を指さし、キルアは声を上げた。
「何だ、シズクの知り合いか?」
「ううん、全然」
シズクと呼ばれたメガネの女は、まったく知らないという素振りだった。
「ああ……思い出した。腕相撲してた子供ね」
「何だっけ?それ」
「お前、一昨日あの子供と腕相撲して負けただろ」
「ムリね。シズクは一度忘れた事思い出さない」
「ウソだよ。いくらあたしでも、子供には負けないよ」
「いや、その時お前右手でやったから」
「何で?あたし左利きだよ」
「……いや、いい。オレの勘違いだった」
「でしょ?」
顔に傷のある巨体の男が、シズクと押し問答している様をナマエは黙って見ていた。
「ほォ。オメェ、シズクとやって勝ったのか」
「うん」
ノブナガの問いに、ゴンは頷いた。
「まさか旅団の人だとは思わなかったなァ」
「よし、オレと勝負だ」
髪を結い上げながら、ノブナガはゴンに勝負を持ちかけた。
辺りにはコンクリートに手を叩きつける音が響いている。
「……」
「もう一度。レディ……ゴッ」
力を入れてノブナガに対抗しようとしているゴン。
その勝負を、キルアとナマエを含めた団員達が取り囲むようにして見ていた。
ダン!!という音を響かせ、ゴンの手はコンクリートに叩きつけられる。
「もう一度」
ゴンの手の甲からは血が滲み出ていた。
「なァ、オレぁクモの中で腕相撲、何番目に強いかね?」
「7~8番目ってとこじゃねーか?」
「弱くもないけど、強くもないよね」
「――でよ、一番強ェのがウボォーギンて男だったんだが、こいつが鎖野郎にやられたらしくてな」
「だからそんな奴知らないって言ってんだろ?」
「おいガキ、次に許可無く喋ったらぶっ殺すぞ」
キルアを睨みつけながらも、ノブナガはゴンの手を勢い良く叩きつけた。
「もう一度」
ゴンの手は既に傷だらけなのは明白だった。