ヨークシンシティ
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「んー……急に言われてもなぁ」
苦笑しながら、ナマエは考えた。
「そう、ソレが貴女の“秘密”なのね」
ナマエが言葉にする前に、パクノダは目を瞠った。
「団長……このコは蜘蛛にとって戦力になるわ」
「ほォ……」
「ジャポンで有名な、【魔物退治】をしているコよ」
パクノダの言葉に、またもや一同の視線がナマエに集まった。
「マジかよ……こんなちっこいのが、あの【退魔師(タイマシ)】かよ」
ちょんまげの男が目を見開いてナマエを見つめた。
「ノブナガ♣」
ノブナガと呼ばれたちょんまげの男は、ヒソカの制止を無視してナマエに駆け寄った。
「お前ェ凄ェな!【退魔師】っつったら、ジャポンが誇る職業じゃねぇか!!」
パクノダを押しのけ、ノブナガはナマエの両肩を掴んだ。
「……じゃない」
「あ?」
「その呼ばれ方、好きじゃない」
「あ……悪ィ…………」
冷めた眼でノブナガを見つめ返すナマエに対し、ノブナガは急に意気消沈した。
「あまりナマエを虐めないでくれるかな?」
一気にオーラが冷たい物に変わった事を察したヒソカは、ナマエの肩を抱き寄せた。
「気が強い様に見えて、ナマエは繊細なんだ♠」
宥めるようにナマエの髪を梳ながら、ヒソカは旅団員達を見回した。
「全部だ」
それから暫く時間が経ち、嫌な空気を振り払うかの様に、団長が口を開いた。
「地下競売のお宝、丸ごとかっさらう」
距離を置いて旅団員達の対面に立ち、一段と高い位置から団長は言い放った。
「本気かよ、団長。地下の競売は世界中のヤクザが協定を組んで仕切ってる。手ェ出したら世の中の筋モン全部的に回すことになるんだぜ!!団長!!」
ウボォーと呼ばれていた毛皮を身にまとった大柄な男は、汗を垂らしながら団長に向かって叫ぶ。
「怖いのか?」
「嬉しいんだよ……!!命じてくれ、団長。今直ぐ!!」
「オレが許す。殺せ。邪魔する奴は残らずな」
「おお!!」
雄叫びを上げるウボォーを先頭にし、旅団員は動き出した。
「品物が無い?」
動き出した強襲組からの連絡を受けた団長の言葉に、待機組は視線を集中させた。
『ああ。金庫の中には何一つ入ってなかった。唯一事情を知ってたオークショニアによると、一度金庫に入れた品を数時間前にまたどこかへ移したらしい。まるで、予めこういう事態が起こる事を知ってたみたいに』
「ほぉ」
缶飲料を飲みながら、団長は何でもないかの様に話に耳を傾けている。
『あまりにタイミングが良すぎる。オレ達の中にユダがいるぜ』
「いないよ、そんな奴は。それにオレの考えじゃユダは裏切り者じゃない。ちなみにユダは銀30枚でキリストを売ったとされてるが、オレ達の中の【裏切り者】はいくらでオレ達をマフィアに売る?メリットを考えろ。マフィアにオレ達を売って、【そいつ】は何を得るんだ?金か?名誉か?地位か?」
ナマエを抱き寄せたまま、ヒソカは団長を見つめていた。
「それで満足したと思えるような奴が、オレ達の中に本当にいるのか?」
『……さすがにそんな奴はいねェな』
「だろう?それと、もう一つ解せない点がある。密告者がいたと仮定すると、あまりに対応が中途半端だA級首の旅団が競売品を狙いにくるって情報が本当に入っていたら、もう少し厳重に警備しててもいいんじゃないか?お前達の話を統合すると、マフィアの対応は“妙なタレ込みがあったのでいつもより少し警戒するか”程度のものだ。その証拠に、客のほうは何も知らされず丸腰で集まってる。そこでだ。オレの結論を言うと、情報提供者はいるが、その内容は具体的ではない。にも関わらず、それを信用している人物がマフィアンコミュニティーの上層部にいる」
『よく……解らねェな。どんな情報が誰から誰へ伝わってるかがよ。まあいい。――で、オレ達はどうすればいい?』
「競売品をどこに移したかは聞いたか?」
『ああ。だが、オークショニアは死ぬまで“知らない”の一点張りだったぜ。フェイタンが体に聞いたからまず本当だ』
『彼が今日、一番気の毒なヒトだたね』
苦笑しながら、ナマエは考えた。
「そう、ソレが貴女の“秘密”なのね」
ナマエが言葉にする前に、パクノダは目を瞠った。
「団長……このコは蜘蛛にとって戦力になるわ」
「ほォ……」
「ジャポンで有名な、【魔物退治】をしているコよ」
パクノダの言葉に、またもや一同の視線がナマエに集まった。
「マジかよ……こんなちっこいのが、あの【退魔師(タイマシ)】かよ」
ちょんまげの男が目を見開いてナマエを見つめた。
「ノブナガ♣」
ノブナガと呼ばれたちょんまげの男は、ヒソカの制止を無視してナマエに駆け寄った。
「お前ェ凄ェな!【退魔師】っつったら、ジャポンが誇る職業じゃねぇか!!」
パクノダを押しのけ、ノブナガはナマエの両肩を掴んだ。
「……じゃない」
「あ?」
「その呼ばれ方、好きじゃない」
「あ……悪ィ…………」
冷めた眼でノブナガを見つめ返すナマエに対し、ノブナガは急に意気消沈した。
「あまりナマエを虐めないでくれるかな?」
一気にオーラが冷たい物に変わった事を察したヒソカは、ナマエの肩を抱き寄せた。
「気が強い様に見えて、ナマエは繊細なんだ♠」
宥めるようにナマエの髪を梳ながら、ヒソカは旅団員達を見回した。
「全部だ」
それから暫く時間が経ち、嫌な空気を振り払うかの様に、団長が口を開いた。
「地下競売のお宝、丸ごとかっさらう」
距離を置いて旅団員達の対面に立ち、一段と高い位置から団長は言い放った。
「本気かよ、団長。地下の競売は世界中のヤクザが協定を組んで仕切ってる。手ェ出したら世の中の筋モン全部的に回すことになるんだぜ!!団長!!」
ウボォーと呼ばれていた毛皮を身にまとった大柄な男は、汗を垂らしながら団長に向かって叫ぶ。
「怖いのか?」
「嬉しいんだよ……!!命じてくれ、団長。今直ぐ!!」
「オレが許す。殺せ。邪魔する奴は残らずな」
「おお!!」
雄叫びを上げるウボォーを先頭にし、旅団員は動き出した。
「品物が無い?」
動き出した強襲組からの連絡を受けた団長の言葉に、待機組は視線を集中させた。
『ああ。金庫の中には何一つ入ってなかった。唯一事情を知ってたオークショニアによると、一度金庫に入れた品を数時間前にまたどこかへ移したらしい。まるで、予めこういう事態が起こる事を知ってたみたいに』
「ほぉ」
缶飲料を飲みながら、団長は何でもないかの様に話に耳を傾けている。
『あまりにタイミングが良すぎる。オレ達の中にユダがいるぜ』
「いないよ、そんな奴は。それにオレの考えじゃユダは裏切り者じゃない。ちなみにユダは銀30枚でキリストを売ったとされてるが、オレ達の中の【裏切り者】はいくらでオレ達をマフィアに売る?メリットを考えろ。マフィアにオレ達を売って、【そいつ】は何を得るんだ?金か?名誉か?地位か?」
ナマエを抱き寄せたまま、ヒソカは団長を見つめていた。
「それで満足したと思えるような奴が、オレ達の中に本当にいるのか?」
『……さすがにそんな奴はいねェな』
「だろう?それと、もう一つ解せない点がある。密告者がいたと仮定すると、あまりに対応が中途半端だA級首の旅団が競売品を狙いにくるって情報が本当に入っていたら、もう少し厳重に警備しててもいいんじゃないか?お前達の話を統合すると、マフィアの対応は“妙なタレ込みがあったのでいつもより少し警戒するか”程度のものだ。その証拠に、客のほうは何も知らされず丸腰で集まってる。そこでだ。オレの結論を言うと、情報提供者はいるが、その内容は具体的ではない。にも関わらず、それを信用している人物がマフィアンコミュニティーの上層部にいる」
『よく……解らねェな。どんな情報が誰から誰へ伝わってるかがよ。まあいい。――で、オレ達はどうすればいい?』
「競売品をどこに移したかは聞いたか?」
『ああ。だが、オークショニアは死ぬまで“知らない”の一点張りだったぜ。フェイタンが体に聞いたからまず本当だ』
『彼が今日、一番気の毒なヒトだたね』