奇劇
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「特に希望はありませんが」
「お前運動神経いいもんなー。見ててやるから、出来そーなモンやってみろよ」
「はい」
そう返事を返すと、セバスチャンは走りだした。
「まずは――空中ブランコ」
「「「おーっ」」」
華麗に空中ブランコをやってのけるセバスチャン。
「そして――」
綺麗に着地すると、ジャグリング・ポール登り・火の輪くぐり・ハイワイヤー・トランポリンと様々な演目を完璧にこなしていった。
「次は――剣飲みます」
「もういいもういい!!」
慌てて止めるダガー。それをナマエは失笑しながら眺めていた。
「すげーっ!!」
「やるなブラック!」
「おい!調子に乗りすぎだ!もう少し新人らしくし――」
小声でセバスチャンに注意するシエルだが、ダガーはそれに気づかずに笑っていた。
「まいったねコリャ。またも大型新人の登場かよ。負けてらんねーな」
「ほらもう目を付けられ……ん?《また》?」
「入って来たばっかでスゲー奴が一人いんだよ。ホラあそこ。なんか、元公務員だかで妙に真面目な奴でさぁ。おーい、ちょっと降りて来いよ!」
ダガーが指を指した方を見てシエルは目を見開き、セバスチャンは眉を顰めた。
「スーツ!」
そこには派手なスーツを身に纏った男が綱渡りをしている姿があった。
「あ――あいつは……」
「嫌な気配がすると思えば、やはり貴方ですか。まったく」
ロープの上から体勢を崩すこと無く、スーツと呼ばれた男は手にしていた高枝切り鋏を伸ばしてシエルとセバスチャンの間に突き刺した。
「!!」
「もう二度と会う事はないと思っていましたが……まったく、今度は一体何を喰い漁りに来たんです?悪魔風情が!」
カシャカシャとデスサイズである高枝切り鋏を縮めながらロープから降りてきたウィリアムは、その切っ先をセバスチャンに突きつけた。
「悪……魔?」
ウィリアムの言葉にダガーや他の団員達はざわついた。
「ただでさえ死神不足のこの御時世に――」
「お……おい、一体何の話を……」
「悪魔にこうも現れられては今日も定時に上がれないじゃないですか」
「死……神……お前……っ」
「い、いやこれはっ」
慌てるシエルだったが、次の瞬間それは杞憂に終わった。
「いーかげんにしろ、このデコ助!!お前真顔で言うから、ギャグってわっかんねーよ!!」
笑いながらウィリアムの額をダガーが叩くと、周りは笑い声に包まれた。
「こいつ来た初日からジョークがハジケててさぁ。魂がどーのとか言ってて、筋金入りのオカルトオタクなんだよ」
「冗談では無いんですがね」
乱れた髪型を直し、眼鏡を持ち上げるウィリアム。
「紹介すんよ。今日入った新人で、こっちのちっこいのがスマイル。でかいのがブラック。で、この子はセイレーンだ。まあ、ホープ同士仲良くやれよ!」
「魔女だけならともかく、害獣と仲良くなぞまっぴらごめんです」
「あ」
拒絶の意を現し、ウィリアムは背を向けて歩き出した。
「まっぴらって、サーカスはチームワークだぞ!!新人のクセに付き合いワリーぞ!!」
ダガーの声に反応すること無く、ウィリアムはその場を離れていった。
「何故こんな所に死神が……?」
「死神自ら潜入するとは珍しい……これで一つハッキリしましたね」
((やはりこのサーカスには何かある!))
「あいつを探ってみる価値はありそうだな。セバスチャン、ナマエ」
「こーら、何してんだスマイル!ブラックに負けねーよーに練習練習!!」
「はっはい……」
「ナイフ投げの極意を教えてやるぜ!!」
「御意」
「りょ~かい」
ダガーに引きづられて行くシエルを見送りながら、セバスチャンとナマエはウィリアムの所へと向かった。
「すみません、少々教えて頂きたい事があるのですが――先輩」
「私は貴方方に話す事は何も無い」
縄梯子を登ろうとしているウィリアムの手を握り、セバスチャンはそれを阻止した。
「お前運動神経いいもんなー。見ててやるから、出来そーなモンやってみろよ」
「はい」
そう返事を返すと、セバスチャンは走りだした。
「まずは――空中ブランコ」
「「「おーっ」」」
華麗に空中ブランコをやってのけるセバスチャン。
「そして――」
綺麗に着地すると、ジャグリング・ポール登り・火の輪くぐり・ハイワイヤー・トランポリンと様々な演目を完璧にこなしていった。
「次は――剣飲みます」
「もういいもういい!!」
慌てて止めるダガー。それをナマエは失笑しながら眺めていた。
「すげーっ!!」
「やるなブラック!」
「おい!調子に乗りすぎだ!もう少し新人らしくし――」
小声でセバスチャンに注意するシエルだが、ダガーはそれに気づかずに笑っていた。
「まいったねコリャ。またも大型新人の登場かよ。負けてらんねーな」
「ほらもう目を付けられ……ん?《また》?」
「入って来たばっかでスゲー奴が一人いんだよ。ホラあそこ。なんか、元公務員だかで妙に真面目な奴でさぁ。おーい、ちょっと降りて来いよ!」
ダガーが指を指した方を見てシエルは目を見開き、セバスチャンは眉を顰めた。
「スーツ!」
そこには派手なスーツを身に纏った男が綱渡りをしている姿があった。
「あ――あいつは……」
「嫌な気配がすると思えば、やはり貴方ですか。まったく」
ロープの上から体勢を崩すこと無く、スーツと呼ばれた男は手にしていた高枝切り鋏を伸ばしてシエルとセバスチャンの間に突き刺した。
「!!」
「もう二度と会う事はないと思っていましたが……まったく、今度は一体何を喰い漁りに来たんです?悪魔風情が!」
カシャカシャとデスサイズである高枝切り鋏を縮めながらロープから降りてきたウィリアムは、その切っ先をセバスチャンに突きつけた。
「悪……魔?」
ウィリアムの言葉にダガーや他の団員達はざわついた。
「ただでさえ死神不足のこの御時世に――」
「お……おい、一体何の話を……」
「悪魔にこうも現れられては今日も定時に上がれないじゃないですか」
「死……神……お前……っ」
「い、いやこれはっ」
慌てるシエルだったが、次の瞬間それは杞憂に終わった。
「いーかげんにしろ、このデコ助!!お前真顔で言うから、ギャグってわっかんねーよ!!」
笑いながらウィリアムの額をダガーが叩くと、周りは笑い声に包まれた。
「こいつ来た初日からジョークがハジケててさぁ。魂がどーのとか言ってて、筋金入りのオカルトオタクなんだよ」
「冗談では無いんですがね」
乱れた髪型を直し、眼鏡を持ち上げるウィリアム。
「紹介すんよ。今日入った新人で、こっちのちっこいのがスマイル。でかいのがブラック。で、この子はセイレーンだ。まあ、ホープ同士仲良くやれよ!」
「魔女だけならともかく、害獣と仲良くなぞまっぴらごめんです」
「あ」
拒絶の意を現し、ウィリアムは背を向けて歩き出した。
「まっぴらって、サーカスはチームワークだぞ!!新人のクセに付き合いワリーぞ!!」
ダガーの声に反応すること無く、ウィリアムはその場を離れていった。
「何故こんな所に死神が……?」
「死神自ら潜入するとは珍しい……これで一つハッキリしましたね」
((やはりこのサーカスには何かある!))
「あいつを探ってみる価値はありそうだな。セバスチャン、ナマエ」
「こーら、何してんだスマイル!ブラックに負けねーよーに練習練習!!」
「はっはい……」
「ナイフ投げの極意を教えてやるぜ!!」
「御意」
「りょ~かい」
ダガーに引きづられて行くシエルを見送りながら、セバスチャンとナマエはウィリアムの所へと向かった。
「すみません、少々教えて頂きたい事があるのですが――先輩」
「私は貴方方に話す事は何も無い」
縄梯子を登ろうとしているウィリアムの手を握り、セバスチャンはそれを阻止した。