奇劇
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「ホンマに無事で良かったどすわぁ。お客はんに怪我さしてたら、団長に殺されるトコでしたえ」
ホッと息を吐くジョーカーに、セバスチャンは疑問を投げかけた。
「貴方が団長ではないのですか?」
「ウチは雇われ店長みたいなモンで、団長は別におっかない人がおるんどす」
「そんなこと言って後で怒られても知らないっスよ、先パーイ」
ナイフ投げの青年の肩に手を置きながら、ジョーカーはにこやかに笑った。
「先生、ちょっと足を診てもらいたいんだけど……っ?」
「姐さぁん♡」
「アンタはッ」
テントに入ってきた猛獣使いの女性を見るなり、ナイフ投げの青年は突然頬を染めて膝を付いた。
「オレも姐さんと同じトコが調子悪くて。いやぁ~~これもオレ達の運命の赤い……アレ?」
猛獣使いの女性はナイフ投げの青年を無視し、そのまま横を通りすぎてセバスチャンに向かってきた。
「さっきの変人紳士!!なんでこんなトコに!?アンタのせいでショーがメチャ――」
「ビースト!お客さんに向かってなんてことを言うんだ!!今回の件は、虎(ベティ)を制御できなかった君の不始末だろ!」
「で、でもコイツが勝手に虎(ベティ)に……」
「でもじゃない!君はプロだろう!」
「「……」」
「まあまあ先生、お客さんの前でそう大声出さんと」
「そうそう。そんなことより、俺の姐さんの足を診てあげてくださいよ!」
「……ハァ。今後ビーストは虎(ベティ)をもう一度躾し直すこと」
「チッ……ああ」
ビーストと呼ばれている猛獣使いの女性は舌打ちをしながら了承の意を表した。
「よし。じゃあ義肢を診せなさい」
「義肢?」
「このサーカスはちょっとばかり訳アリどしてな」
椅子から立ち上がりながら疑問を浮かべるセバスチャンに、ジョーカーは事情を説明した。
「何かしら問題抱えた人間が集まっとるんどす。ウチも腕一本なかってんけど、先生のおかげでこのとーり。格好ええどすやろ?」
カシャカシャと骨の義手を鳴らしながら、自慢気にジャーカーは話した。
「君はそんな義手をつけるからすぐ調子が悪くなるんだよ!調整する身にもなってほしいね」
「ありゃ」
「このサーカス団の方の義肢は貴方がお作りに?」
「うん、そうだよ――大変なんだよ~。部品の削り出しから全部僕がしてるんだから」
「削り出し?ということは木製ですか?」
「ううん、陶器製」
「陶器?」
「陶器と言っても、素材に特別な物を使ってるから軽いし丈夫なんだ」
「成程。手触りもいいですね」
メンテナンス中のビーストの義肢を触りながら、セバスチャンは感心していた。
「だろう?動きも滑らかになるように、関節には球形のパーツを組み込んであるんだ」
「これは実に繊細な造りだ。おや?この刻印(ホールマーク)は……?」
ビーストの義肢を持ち上げ、付け根である太ももを見るセバスチャン。
そんな彼の行動に、周りに居た者は一瞬固まった。
「何すんだ、この変態ッ」
「おっと」
顔を赤くしながら、ビーストは義肢でセバスチャンを蹴り上げようとした。
「ああ、これは失礼致しました。この程度で恥じらわれる程慎み深くいらっしゃる様には見えませんでしたので」
「この野郎ッ」
セバスチャンの挑発に乗ったビーストが鞭を振るうが、難なくそれを躱すセバスチャン。
「こら!!ビーストやめなさい!!お客様相手に!君達も早く止め……」
「てめええええ、オレの姐さんの透き通る柔肌にッよくもよくも――オレだってまだ触ってないのにいぃ」
セバスチャンの行動に怒りを露わにしたのはビーストだけではなかった。
ナイフ投げの青年は取り出した3本のナイフをセバスチャンに向かって投げつけた。
「直に肌に触れた訳ではないのですが――どうやらお気の方に触ってしまった様ですね」
飛んでナイフを避けたセバスチャンは、テント内に張られているタオルを干しているロープの上に降り立った。
「ダガーやめなさい、このままじゃテントが」
「大事なのはテントより――姐さんの純潔だ!!」
ホッと息を吐くジョーカーに、セバスチャンは疑問を投げかけた。
「貴方が団長ではないのですか?」
「ウチは雇われ店長みたいなモンで、団長は別におっかない人がおるんどす」
「そんなこと言って後で怒られても知らないっスよ、先パーイ」
ナイフ投げの青年の肩に手を置きながら、ジョーカーはにこやかに笑った。
「先生、ちょっと足を診てもらいたいんだけど……っ?」
「姐さぁん♡」
「アンタはッ」
テントに入ってきた猛獣使いの女性を見るなり、ナイフ投げの青年は突然頬を染めて膝を付いた。
「オレも姐さんと同じトコが調子悪くて。いやぁ~~これもオレ達の運命の赤い……アレ?」
猛獣使いの女性はナイフ投げの青年を無視し、そのまま横を通りすぎてセバスチャンに向かってきた。
「さっきの変人紳士!!なんでこんなトコに!?アンタのせいでショーがメチャ――」
「ビースト!お客さんに向かってなんてことを言うんだ!!今回の件は、虎(ベティ)を制御できなかった君の不始末だろ!」
「で、でもコイツが勝手に虎(ベティ)に……」
「でもじゃない!君はプロだろう!」
「「……」」
「まあまあ先生、お客さんの前でそう大声出さんと」
「そうそう。そんなことより、俺の姐さんの足を診てあげてくださいよ!」
「……ハァ。今後ビーストは虎(ベティ)をもう一度躾し直すこと」
「チッ……ああ」
ビーストと呼ばれている猛獣使いの女性は舌打ちをしながら了承の意を表した。
「よし。じゃあ義肢を診せなさい」
「義肢?」
「このサーカスはちょっとばかり訳アリどしてな」
椅子から立ち上がりながら疑問を浮かべるセバスチャンに、ジョーカーは事情を説明した。
「何かしら問題抱えた人間が集まっとるんどす。ウチも腕一本なかってんけど、先生のおかげでこのとーり。格好ええどすやろ?」
カシャカシャと骨の義手を鳴らしながら、自慢気にジャーカーは話した。
「君はそんな義手をつけるからすぐ調子が悪くなるんだよ!調整する身にもなってほしいね」
「ありゃ」
「このサーカス団の方の義肢は貴方がお作りに?」
「うん、そうだよ――大変なんだよ~。部品の削り出しから全部僕がしてるんだから」
「削り出し?ということは木製ですか?」
「ううん、陶器製」
「陶器?」
「陶器と言っても、素材に特別な物を使ってるから軽いし丈夫なんだ」
「成程。手触りもいいですね」
メンテナンス中のビーストの義肢を触りながら、セバスチャンは感心していた。
「だろう?動きも滑らかになるように、関節には球形のパーツを組み込んであるんだ」
「これは実に繊細な造りだ。おや?この刻印(ホールマーク)は……?」
ビーストの義肢を持ち上げ、付け根である太ももを見るセバスチャン。
そんな彼の行動に、周りに居た者は一瞬固まった。
「何すんだ、この変態ッ」
「おっと」
顔を赤くしながら、ビーストは義肢でセバスチャンを蹴り上げようとした。
「ああ、これは失礼致しました。この程度で恥じらわれる程慎み深くいらっしゃる様には見えませんでしたので」
「この野郎ッ」
セバスチャンの挑発に乗ったビーストが鞭を振るうが、難なくそれを躱すセバスチャン。
「こら!!ビーストやめなさい!!お客様相手に!君達も早く止め……」
「てめええええ、オレの姐さんの透き通る柔肌にッよくもよくも――オレだってまだ触ってないのにいぃ」
セバスチャンの行動に怒りを露わにしたのはビーストだけではなかった。
ナイフ投げの青年は取り出した3本のナイフをセバスチャンに向かって投げつけた。
「直に肌に触れた訳ではないのですが――どうやらお気の方に触ってしまった様ですね」
飛んでナイフを避けたセバスチャンは、テント内に張られているタオルを干しているロープの上に降り立った。
「ダガーやめなさい、このままじゃテントが」
「大事なのはテントより――姐さんの純潔だ!!」