狗
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「ハァ……とりあえず傷の手当をしますよ、ナマエ」
焦っているナマエの反応を無視し、心底呆れたという顔をしながらセバスチャンはナマエの手を引っ張りながら屋敷内へ戻ろうとした。
「ちょっ……セバスチャン!?痛いって!!」
「そんな事、私の知った事ではありません」
有無を言わせず、セバスチャンは力を緩めることなくナマエを引っ張って行った。
その場に残されたアグニは状況を理解出来ず、ただただその場に立ち尽くしていた。
「――で、何故この様な事を?」
半ば強引に服を脱がせたセバスチャンは事の真相を問いただしていた。
「いや、それはですね……って、いってぇー!!」
「痛くしているのですから、当たり前です。理由を説明して下さらないと、もっと痛くしますよ」
グリグリと傷口を消毒しているセバスチャンの顔には怒りの色が滲んでいる。
「言う!言うから!!」
「では“言い訳”ではなく、きちんと“理由”をお聞かせ頂けますね?」
なおもグリグリと念を押す様に消毒を続けるセバスチャンに、ナマエはポツリポツリと説明を始めた。
「シエルをね……守りたいと思ったから」
「坊ちゃんを?」
消毒していた手を止め、意外そうに目を開けるセバスチャン。
「もちろん、セバスチャンが《契約》している以上死ぬような事はないとわかってる。けど……」
「けど、なんです?」
「……必要以上に傷ついて欲しくない」
「理解致しかねますね」
「セバスチャンには理解出来なくても仕方がないよ。日本独特の“義理人情”ってヤツだから」
「どういう意味です?」
心底わからないという表情で、セバスチャンはナマエに説明を求める。
「シエルには衣食住の面倒を見て貰ってる恩がある。それに報いるのが“義理”。シエルを守りたいと思うのが“人情”。日本人の考え方だよ」
「英国にはない風習、という事でよろしいのですか?」
「そうだね。たぶん、日本以外にはないんじゃないかな?」
「そうですか……しかし、貴女が傷を作ってまで坊っちゃんを守る“義務”はないと思いますが……」
不愉快そうにそう言うと、セバスチャンはまた手を動かし始めた。
「私がしたいと思うからやってるだけ。他に“理由”はないよ。《鵺》にも命令して相手して貰ってたんだしさ」
「……《人間》というのは本当に理解し難い生き物ですね」
「理解出来ないからこそ、面白い部分もあるんでしょ?セバスチャンにとってはさ」
「そうですね……特に貴女については理解し難い部分が多いです」
「それって、喧嘩売ってんの?」
「まさか。ほら、終わりましたよ」
いつの間にか手当は終わっており、所々にガーゼが貼られたいた。
「ん、ありがと」
「それにしても……」
「ん?」
「なかなかそそられますね、貴女の今の姿は」
舌なめずりするセバスチャンに危機感を覚えるナマエ。
「このまま抱いてしまえればどんなに良い事か……」
「いやいやいや……」
手当のためとはいえ、セバスチャンに下着以外を剥ぎ取られているナマエ。
思わず後退りすると、セバスチャンはそのまま近づいてくる。
後退りを続けていると、ナマエの身体が不意に後ろへ倒れた。
ボフンッと音を立てて倒れたナマエ。
セバスチャンは倒れたナマエに覆いかぶさった。
「嗚呼……このまま刻が止まってしまえば良いのに……」
呟きながらも、セバスチャンはナマエに顔を近づける。
「しかし、貴女の心は私に向いていない……どうすれば私だけを見て頂けるのでしょう?」
焦っているナマエの反応を無視し、心底呆れたという顔をしながらセバスチャンはナマエの手を引っ張りながら屋敷内へ戻ろうとした。
「ちょっ……セバスチャン!?痛いって!!」
「そんな事、私の知った事ではありません」
有無を言わせず、セバスチャンは力を緩めることなくナマエを引っ張って行った。
その場に残されたアグニは状況を理解出来ず、ただただその場に立ち尽くしていた。
「――で、何故この様な事を?」
半ば強引に服を脱がせたセバスチャンは事の真相を問いただしていた。
「いや、それはですね……って、いってぇー!!」
「痛くしているのですから、当たり前です。理由を説明して下さらないと、もっと痛くしますよ」
グリグリと傷口を消毒しているセバスチャンの顔には怒りの色が滲んでいる。
「言う!言うから!!」
「では“言い訳”ではなく、きちんと“理由”をお聞かせ頂けますね?」
なおもグリグリと念を押す様に消毒を続けるセバスチャンに、ナマエはポツリポツリと説明を始めた。
「シエルをね……守りたいと思ったから」
「坊ちゃんを?」
消毒していた手を止め、意外そうに目を開けるセバスチャン。
「もちろん、セバスチャンが《契約》している以上死ぬような事はないとわかってる。けど……」
「けど、なんです?」
「……必要以上に傷ついて欲しくない」
「理解致しかねますね」
「セバスチャンには理解出来なくても仕方がないよ。日本独特の“義理人情”ってヤツだから」
「どういう意味です?」
心底わからないという表情で、セバスチャンはナマエに説明を求める。
「シエルには衣食住の面倒を見て貰ってる恩がある。それに報いるのが“義理”。シエルを守りたいと思うのが“人情”。日本人の考え方だよ」
「英国にはない風習、という事でよろしいのですか?」
「そうだね。たぶん、日本以外にはないんじゃないかな?」
「そうですか……しかし、貴女が傷を作ってまで坊っちゃんを守る“義務”はないと思いますが……」
不愉快そうにそう言うと、セバスチャンはまた手を動かし始めた。
「私がしたいと思うからやってるだけ。他に“理由”はないよ。《鵺》にも命令して相手して貰ってたんだしさ」
「……《人間》というのは本当に理解し難い生き物ですね」
「理解出来ないからこそ、面白い部分もあるんでしょ?セバスチャンにとってはさ」
「そうですね……特に貴女については理解し難い部分が多いです」
「それって、喧嘩売ってんの?」
「まさか。ほら、終わりましたよ」
いつの間にか手当は終わっており、所々にガーゼが貼られたいた。
「ん、ありがと」
「それにしても……」
「ん?」
「なかなかそそられますね、貴女の今の姿は」
舌なめずりするセバスチャンに危機感を覚えるナマエ。
「このまま抱いてしまえればどんなに良い事か……」
「いやいやいや……」
手当のためとはいえ、セバスチャンに下着以外を剥ぎ取られているナマエ。
思わず後退りすると、セバスチャンはそのまま近づいてくる。
後退りを続けていると、ナマエの身体が不意に後ろへ倒れた。
ボフンッと音を立てて倒れたナマエ。
セバスチャンは倒れたナマエに覆いかぶさった。
「嗚呼……このまま刻が止まってしまえば良いのに……」
呟きながらも、セバスチャンはナマエに顔を近づける。
「しかし、貴女の心は私に向いていない……どうすれば私だけを見て頂けるのでしょう?」