狗
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[本当に良いのか?主よ]
『良いから出てきて貰ったんでしょうが』
[しかし……主に怪我をさせるのは本懐に反する……]
『その《主》が良いって言ってんの』
[……]
『《鵺》、《主》の命令に逆らうの?』
[……致し方がない……今回のみ故――]
『それを決めるのは《鵺》じゃなく、私の意思でしょ?』
[…………御意]
《鵺》が渋々承諾し、ナマエの手には1対の漆黒の刀剣が現れた。
『これ……は?』
以前グレルと対峙した時に手にした刀とは違い、小ぶりな刀剣。
[以前のモノを主が扱いやすい様にした……性能は変わらぬ……そのカタチなれば、普段から身に着けていてもあまり目立たぬと思う故……]
『いやいや、どう考えても目立つでしょ!?』
[気に入らぬのであれば消すまでの事……如何する?主よ]
『……』
[さぁ……決断せよ……]
『……わかった。使い方、教えて』
[御意]
日が傾き始めた頃、裏庭の方からガラスの割れる音が響いてきた。
セバスチャンがそれを聞き逃すはずもなく、メイリンかフィニアンが何かしでかしたのかと思い溜息を吐きながら音のした方へと歩を進めた。
ほんの数分で辿り着いた先で目にした光景に、セバスチャンは驚きを隠せずにいた。
「……何事ですか、コレは」
そこには《鵺》と対峙しているナマエがいた。
「今の音はなんですか!?」
遅れてきたアグニも、ナマエが両手に刀剣を手にし見た事もない人物と対峙している事に気付き、戦闘態勢に入ろうとした。
「アグニさん、《アレ》は敵ではありません。ナマエの《従者》ですからご安心下さい」
「し……しかしセバスチャン殿!」
セバスチャンとアグニが見たナマエは全身に傷を負い、その背後にある窓は盛大に割れていた。
[……邪魔が来てもうたか]
『邪魔?』
《鵺》が指差す方へ視線をやると、呆れているセバスチャンと目を丸くしているアグニの姿があった。
「何をなさっているんです?ナマエ」
「何って……特訓?」
「……ご自身の事なのに、何故疑問形になるんですか。それに、その怪我はなんです?屋敷のガラスまで割って……」
「いやぁ~、これでも《鵺》は手加減してくれてたんだよ?ガラスについては完全に私が悪い。ごめん」
刀剣を片手に持ち替え、空いた手で頬を掻くナマエ。しかし、ところどころ服は破れ、全身くまなく傷があり血も流れ出ている。
「と……とにかくナマエ殿の手当をしなくてはっ」
[邪魔が入った故、今日はここまでのようだな……主よ、我は下がらせて貰う……]
『そだね。付き合ってくれてありがと、《鵺》』
ナマエの了承を得た《鵺》は、音もなく木陰へと消えていった。
「あの者は一体……私の見間違えでなければ、人間とは思えないのですが……」
驚きを隠せずにいるアグニに対し、ナマエは隠すことなく答えた。
「彼は《鵺》。何故か私を主と呼んでる《異界の住人》だよ」
「《異界の住人》……?貴女は《鬼神》を従えているのですか!?」
「あ~……アグニさんの国ではそういう《存在》になるのかなぁ……とりあえず、《人間》ではないよ」
そう言いながら、ナマエは手にしていた刀剣を影に戻そうとした。
「え?あれ??消え……ない……なんで!?」
『良いから出てきて貰ったんでしょうが』
[しかし……主に怪我をさせるのは本懐に反する……]
『その《主》が良いって言ってんの』
[……]
『《鵺》、《主》の命令に逆らうの?』
[……致し方がない……今回のみ故――]
『それを決めるのは《鵺》じゃなく、私の意思でしょ?』
[…………御意]
《鵺》が渋々承諾し、ナマエの手には1対の漆黒の刀剣が現れた。
『これ……は?』
以前グレルと対峙した時に手にした刀とは違い、小ぶりな刀剣。
[以前のモノを主が扱いやすい様にした……性能は変わらぬ……そのカタチなれば、普段から身に着けていてもあまり目立たぬと思う故……]
『いやいや、どう考えても目立つでしょ!?』
[気に入らぬのであれば消すまでの事……如何する?主よ]
『……』
[さぁ……決断せよ……]
『……わかった。使い方、教えて』
[御意]
日が傾き始めた頃、裏庭の方からガラスの割れる音が響いてきた。
セバスチャンがそれを聞き逃すはずもなく、メイリンかフィニアンが何かしでかしたのかと思い溜息を吐きながら音のした方へと歩を進めた。
ほんの数分で辿り着いた先で目にした光景に、セバスチャンは驚きを隠せずにいた。
「……何事ですか、コレは」
そこには《鵺》と対峙しているナマエがいた。
「今の音はなんですか!?」
遅れてきたアグニも、ナマエが両手に刀剣を手にし見た事もない人物と対峙している事に気付き、戦闘態勢に入ろうとした。
「アグニさん、《アレ》は敵ではありません。ナマエの《従者》ですからご安心下さい」
「し……しかしセバスチャン殿!」
セバスチャンとアグニが見たナマエは全身に傷を負い、その背後にある窓は盛大に割れていた。
[……邪魔が来てもうたか]
『邪魔?』
《鵺》が指差す方へ視線をやると、呆れているセバスチャンと目を丸くしているアグニの姿があった。
「何をなさっているんです?ナマエ」
「何って……特訓?」
「……ご自身の事なのに、何故疑問形になるんですか。それに、その怪我はなんです?屋敷のガラスまで割って……」
「いやぁ~、これでも《鵺》は手加減してくれてたんだよ?ガラスについては完全に私が悪い。ごめん」
刀剣を片手に持ち替え、空いた手で頬を掻くナマエ。しかし、ところどころ服は破れ、全身くまなく傷があり血も流れ出ている。
「と……とにかくナマエ殿の手当をしなくてはっ」
[邪魔が入った故、今日はここまでのようだな……主よ、我は下がらせて貰う……]
『そだね。付き合ってくれてありがと、《鵺》』
ナマエの了承を得た《鵺》は、音もなく木陰へと消えていった。
「あの者は一体……私の見間違えでなければ、人間とは思えないのですが……」
驚きを隠せずにいるアグニに対し、ナマエは隠すことなく答えた。
「彼は《鵺》。何故か私を主と呼んでる《異界の住人》だよ」
「《異界の住人》……?貴女は《鬼神》を従えているのですか!?」
「あ~……アグニさんの国ではそういう《存在》になるのかなぁ……とりあえず、《人間》ではないよ」
そう言いながら、ナマエは手にしていた刀剣を影に戻そうとした。
「え?あれ??消え……ない……なんで!?」