狗
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使用人の1日はセバスチャンの指示出しから始まる。
「……というわけで、夕方6時過ぎにランドル様がお見えになります。名門ファントムハイヴ家として、坊っちゃんに恥をかかせるわけにはいきませんよ。メイリンは表階段の手摺を磨いて下さい。フィニは中庭の木の雪落としを。バルドは晩餐のスープ用の鶏を捌いて下さい。ナマエには私の手伝いをして頂きます。タナカさんは……ごゆっくりなさってて下さい」
餅を焼いているタナカを一度見た後、セバスチャンは何事もなかったかの様に振る舞った。
「いいですか。決して無駄に張り切って余計な事はしない様に、指示された事だけ……?」
突然ドアが開いたかと思うと、アグニが入ってきた。
「アグニさん」
「私もこのお屋敷にご厄介になっている身。どうぞなんなりとお申し付けください」
「ソーマ様は?」
「シエル様にお借した“てれび”という箱に夢中になっておられます」
「ははぁ……では、窓拭き掃除をお願いできますか?私より背もお高いですし」
「はいっ!!お任せください!」
「では皆さん、持ち場について下さい」
「「「はーい」」」
使用人とアグニが持ち場に向かった後も、ナマエはタナカを見つめていた。
「餅いいなぁ……懐かしい……」
「……ナマエ?」
「タナカさん羨ましすぎ……」
「ナマエ、聞いてるんですか?」
「美味しそう……1個貰えないかなぁ……」
「ナマエ!ちゃんと聞いてるんですか!?」
怒気を含んだ声で言うセバスチャンにようやく気付いたナマエは、呆けた顔をしていた。
「その顔だと、何も聞いていなかったというところでしょうか……」
「ごめん、タナカさん……もとい餅見るのに夢中だった。で、なに?」
「ハァ……もういいです。本日は日本語のレッスンもありませんから、好きにお過ごしなさい」
「マジ?やったー!タナカさん!1個ちょうだーい!!」
セバスチャンからの言葉に、ナマエは喜び勇んだ。
「ほっほっほっ。良いですよ。ご一緒に食べましょう」
「ありがと~、タナカさん!!」
ナマエが餅に夢中になっている間に、タナカはセバスチャンに問うた。
「良いのですか?セバスチャン」
「元々は坊っちゃんの家庭教師(ガヴァネス)ですからね……使用人の仕事はナマエの厚意によるものですから」
諦め半分に答えているセバスチャン。ナマエを見る目はとても優しい物だとタナカは思っていた。
「ごちそーさまでしたっ!」
結局、あれから餅を3個も頂いたナマエは満足気に手を合わせた。
そんな様子をのほほんと眺めていたタナカ。
「また日本の物が恋しくなったら、いつでも言いなさい。出来うる限りご用意しますよ。ほっほっほっ」
好々爺然りといったタナカに言われ、ナマエは嬉しさがこみ上げてきた。
「本当ですか!?ありがとうございますっ!じゃ、私はやりたい事あるんで失礼します!ごちそうさまでした!!」
タナカに頭を垂れながら礼を言い、ナマエは足早にその場を立ち去った。
「ほっほっほっ。元気の良い子ですな」
その頃セバスチャンは、割り当てた仕事をきちんと出来ているのか確認するため他の使用人達の持ち場を見て回っていた。
「……というわけで、夕方6時過ぎにランドル様がお見えになります。名門ファントムハイヴ家として、坊っちゃんに恥をかかせるわけにはいきませんよ。メイリンは表階段の手摺を磨いて下さい。フィニは中庭の木の雪落としを。バルドは晩餐のスープ用の鶏を捌いて下さい。ナマエには私の手伝いをして頂きます。タナカさんは……ごゆっくりなさってて下さい」
餅を焼いているタナカを一度見た後、セバスチャンは何事もなかったかの様に振る舞った。
「いいですか。決して無駄に張り切って余計な事はしない様に、指示された事だけ……?」
突然ドアが開いたかと思うと、アグニが入ってきた。
「アグニさん」
「私もこのお屋敷にご厄介になっている身。どうぞなんなりとお申し付けください」
「ソーマ様は?」
「シエル様にお借した“てれび”という箱に夢中になっておられます」
「ははぁ……では、窓拭き掃除をお願いできますか?私より背もお高いですし」
「はいっ!!お任せください!」
「では皆さん、持ち場について下さい」
「「「はーい」」」
使用人とアグニが持ち場に向かった後も、ナマエはタナカを見つめていた。
「餅いいなぁ……懐かしい……」
「……ナマエ?」
「タナカさん羨ましすぎ……」
「ナマエ、聞いてるんですか?」
「美味しそう……1個貰えないかなぁ……」
「ナマエ!ちゃんと聞いてるんですか!?」
怒気を含んだ声で言うセバスチャンにようやく気付いたナマエは、呆けた顔をしていた。
「その顔だと、何も聞いていなかったというところでしょうか……」
「ごめん、タナカさん……もとい餅見るのに夢中だった。で、なに?」
「ハァ……もういいです。本日は日本語のレッスンもありませんから、好きにお過ごしなさい」
「マジ?やったー!タナカさん!1個ちょうだーい!!」
セバスチャンからの言葉に、ナマエは喜び勇んだ。
「ほっほっほっ。良いですよ。ご一緒に食べましょう」
「ありがと~、タナカさん!!」
ナマエが餅に夢中になっている間に、タナカはセバスチャンに問うた。
「良いのですか?セバスチャン」
「元々は坊っちゃんの家庭教師(ガヴァネス)ですからね……使用人の仕事はナマエの厚意によるものですから」
諦め半分に答えているセバスチャン。ナマエを見る目はとても優しい物だとタナカは思っていた。
「ごちそーさまでしたっ!」
結局、あれから餅を3個も頂いたナマエは満足気に手を合わせた。
そんな様子をのほほんと眺めていたタナカ。
「また日本の物が恋しくなったら、いつでも言いなさい。出来うる限りご用意しますよ。ほっほっほっ」
好々爺然りといったタナカに言われ、ナマエは嬉しさがこみ上げてきた。
「本当ですか!?ありがとうございますっ!じゃ、私はやりたい事あるんで失礼します!ごちそうさまでした!!」
タナカに頭を垂れながら礼を言い、ナマエは足早にその場を立ち去った。
「ほっほっほっ。元気の良い子ですな」
その頃セバスチャンは、割り当てた仕事をきちんと出来ているのか確認するため他の使用人達の持ち場を見て回っていた。