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「英国もインドも関係ありませんよ。どこにいても、いつの時代も同じようなものです。人間なんてものはね。そうでしょう?ナマエ」
「そうだよ。国も時代も関係ない。人間に大切なものは変わらないよ」
「……そうですね。ガンジス河のほとりで見る夕日も英国で見る夕日も、同じように美しい」
見上げると、そこには綺麗な茜色の空が広がっていた。
しばらく立ち止まりその光景を眺めていると、シエルは背後から強烈な衝撃に襲われる。
「!?何っ……!?」
「う……」
「「「う?」」」
「うわぁああああああああ」
「なっ……!?」
「ミ゛……ミ゛ーナ゛ああぁ」
今まで堪えていたのだろう。ソーマは堰が切れた様に泣き出した。
「……本当に、英国に来て良かった。王子も私も、最高の友人に出会うことができました」
笑顔でそう言われ、セバスチャンは不思議な感覚に陥っていた。
「友人……ですか。そんな事を人間(ヒト)に言われたのは初めてです」
「友人は大事にしなよ?セバスチャン」
クスっと笑いながら、ナマエはまっすぐに前を見据えた。
「太陽の秩序に
空はまだ逆らって
新しい世界はいつも
混沌の中
優しさだけじゃ手に入らないものに
頑な夢を託した
思い通りに行かないことが
君の心の
扉を開く
ただ俯いてたって
どうせ明日は来るっって
追い立てる灯火に急かされて
この手で掴みたい
モノがあるって叫んで
それだけの熱量で今日も
歩き出してた♪」
「……何ですか、いきなり歌い出して……」
「ん~?特に理由はないよ。でも……」
「?」
「人間(ヒト)ってさ、セバスチャンが思ってるよりも強くて儚い生き物なんだよ?」
「クスッ……貴女に言われなくても、十分解ってますよ。それより……」
「なに?」
急に視界を覆う影。不思議に思っていると、唇に柔らかい感触。
「へ?え?あ?えぇー!?」
「ごちそうさまです」
目の前にはクスリと笑う悪魔の顔。
「ちょっ!?なんで??なんでこうなるん!!?ねぇ!!」
「優勝のご褒美、頂いてませんでしたからねぇ」
「そんなんやるなんて言ってない!」
「おや……ご不満でしたか?」
「当たり前だろ!!」
「そうですか……コレ位では貴女にはご満足頂けませんでしたか……」
フム、と考えるセバスチャンだったが、いきなり口角を上げた。
「では……今夜目眩く快楽を差し上げると致しましょう」
「ハァ!?」
「冗談ですよ」
目の前の悪魔はそう言うと怪しく微笑んだ。
「いつまでも泣いているんじゃない!お前、17歳って言ってなかったか?ハァ……これで拭いて……?」
シエルが上着のポケットからハンカチを取り出そうとした時、そこには一通の手紙が入っていた。
「……!これは――いつの間に!?」
封蝋を見て驚きを隠せないシエル。
「ああ、先程女王陛下の従者の方が入れていましたよ」
「何故言わない!?」
「聞かれませんでしたので」
「チッ」
舌打ちしながら封筒を開けると、そこには手紙と共に何かが入っていた。
「ん?チケット?」
「クリスマスプレゼントじゃないですか?《ぼうや》への」
「殺すぞ。ハァ……疲れた。屋敷に戻ってゆっくりお茶(ハイティー)が飲みたい」
「かしこまりました。アッサムの特級茶でご用意致しましょう。夕食は私が腕によりをかけて最高のカリーを――」
シエルから封筒を受け取りながら、セバスチャンは笑えない冗談を言った。
「冗談はよせ。しばらくカリーの顔は見たくない」
「クスッ、御意」
「そういえば、そのチケットはなんのチケットなんだ?」
「ええと……」
封筒を開けて中を確認したセバスチャンは答えた。
「サーカス……ですね」
「そうだよ。国も時代も関係ない。人間に大切なものは変わらないよ」
「……そうですね。ガンジス河のほとりで見る夕日も英国で見る夕日も、同じように美しい」
見上げると、そこには綺麗な茜色の空が広がっていた。
しばらく立ち止まりその光景を眺めていると、シエルは背後から強烈な衝撃に襲われる。
「!?何っ……!?」
「う……」
「「「う?」」」
「うわぁああああああああ」
「なっ……!?」
「ミ゛……ミ゛ーナ゛ああぁ」
今まで堪えていたのだろう。ソーマは堰が切れた様に泣き出した。
「……本当に、英国に来て良かった。王子も私も、最高の友人に出会うことができました」
笑顔でそう言われ、セバスチャンは不思議な感覚に陥っていた。
「友人……ですか。そんな事を人間(ヒト)に言われたのは初めてです」
「友人は大事にしなよ?セバスチャン」
クスっと笑いながら、ナマエはまっすぐに前を見据えた。
「太陽の秩序に
空はまだ逆らって
新しい世界はいつも
混沌の中
優しさだけじゃ手に入らないものに
頑な夢を託した
思い通りに行かないことが
君の心の
扉を開く
ただ俯いてたって
どうせ明日は来るっって
追い立てる灯火に急かされて
この手で掴みたい
モノがあるって叫んで
それだけの熱量で今日も
歩き出してた♪」
「……何ですか、いきなり歌い出して……」
「ん~?特に理由はないよ。でも……」
「?」
「人間(ヒト)ってさ、セバスチャンが思ってるよりも強くて儚い生き物なんだよ?」
「クスッ……貴女に言われなくても、十分解ってますよ。それより……」
「なに?」
急に視界を覆う影。不思議に思っていると、唇に柔らかい感触。
「へ?え?あ?えぇー!?」
「ごちそうさまです」
目の前にはクスリと笑う悪魔の顔。
「ちょっ!?なんで??なんでこうなるん!!?ねぇ!!」
「優勝のご褒美、頂いてませんでしたからねぇ」
「そんなんやるなんて言ってない!」
「おや……ご不満でしたか?」
「当たり前だろ!!」
「そうですか……コレ位では貴女にはご満足頂けませんでしたか……」
フム、と考えるセバスチャンだったが、いきなり口角を上げた。
「では……今夜目眩く快楽を差し上げると致しましょう」
「ハァ!?」
「冗談ですよ」
目の前の悪魔はそう言うと怪しく微笑んだ。
「いつまでも泣いているんじゃない!お前、17歳って言ってなかったか?ハァ……これで拭いて……?」
シエルが上着のポケットからハンカチを取り出そうとした時、そこには一通の手紙が入っていた。
「……!これは――いつの間に!?」
封蝋を見て驚きを隠せないシエル。
「ああ、先程女王陛下の従者の方が入れていましたよ」
「何故言わない!?」
「聞かれませんでしたので」
「チッ」
舌打ちしながら封筒を開けると、そこには手紙と共に何かが入っていた。
「ん?チケット?」
「クリスマスプレゼントじゃないですか?《ぼうや》への」
「殺すぞ。ハァ……疲れた。屋敷に戻ってゆっくりお茶(ハイティー)が飲みたい」
「かしこまりました。アッサムの特級茶でご用意致しましょう。夕食は私が腕によりをかけて最高のカリーを――」
シエルから封筒を受け取りながら、セバスチャンは笑えない冗談を言った。
「冗談はよせ。しばらくカリーの顔は見たくない」
「クスッ、御意」
「そういえば、そのチケットはなんのチケットなんだ?」
「ええと……」
封筒を開けて中を確認したセバスチャンは答えた。
「サーカス……ですね」