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「何故だい?」
「確かにシエルのカーンサマーが作ったカリーは本物だ。だが完璧なのはカリーだけだったんだ!!問題はナーンだ。ベンガルでは主流じゃないから俺も詳しくは知らんが、ナーンは小麦などを発酵させた生地をタンドゥールという高温の窯で一気に焼き上げるものだ。やっぱり1週間でカリーの全てをマスターするのは無理だったんだ。この勝負――」
ソーマは焦っているが、それとは正反対にナマエは笑みを浮かべていた。
「勝負はこれから、だよ」
「タイムアップ!これより審査に入ります!まずはパーション・タブ社のビーフカリーです」
「どうぞ」
審査員の前にカリーが置かれる。
「大きくカットされたビーフが柔らかく煮こまれごろごろ入っている。実に贅沢なカリーだ。しかし、このスープの単純な味わいと香りの無さ……カリー粉を使っているな。プロの料理人がカリー粉を使うなど言語道断だ!」
「ダリア社はスパイスを独自でブレンドしているようだね。でも辛さばかりが強くてせっかくの風味が飛んでしまっている。ハァ……努力は認めるけどね……」
「次はハロルド・ウエスト社アグニシェフ!」
「アグニ!」
アグニの登場に、ソーマは思わず叫んでいた。
「私のカリーは、こちらになります。オマール海老と七種類のカリーのターリです」
「オマール・ブルー丸々一匹に赤・黄・緑……色とりどりのカリーが……なんという鮮やかさ!」
「お好みに合わせて頂ける様、辛さと風味が違うものをご用意しました。全てオマール・ブルーに合わせて味付けしております」
「インド人の作る本場カリー七種。そしてメインの海老はあのオマール・ブルーか……では早速…………う……美味い!!プリプリした身、そして噛みしめた後に口に広がる繊細な甘み」
「しかも、甘いスープ・辛いスープ・さらっとしたスープ・とろっとしたスープ……その全てが海老の旨みを殺さず調和している」
「おお……おお……舞踏会で出会った麗しの美女。気高く美しすぎる貴女を包む七種の宝石。鳩の形の金のブローチ。サファイヤとパールのブレス。ガーネットのチョーカー。カメオの勲章。そして指先にはダイヤとエメラルドのリング。その全てが貴方の美しさを引き立てる。私は貴女に……心を奪われた!!素晴らしい!最高のカリーだよ」
「ありがとうございます」
アグニはドルイット子爵の言葉に頭を下げた。
「さぁ、これで優勝は決まってしまうのか!?最後に控えしはファントム社です!」
セバスチャンは皿を持って審査員の前に移動し、蓋を開ける。
「私のカリーはこちらになります」
「こ……これは!!」
皿の上には謎の白い物体が乗っていた。
その光景に審査員達は唖然とする。
「君!この白いモノはなんだ!!ふざけているのかね!?」
審査員の一人が怒鳴ると、セバスチャンはその白い物体をトングで挟み皿から持ち上げると、熱していた油の中に投入する。
「あ……揚げた!?」
「シエル、一体何をしてるんだお前のカーンサマーは!?」
「ドーナツでも作る気かよ」
「……」
周りの言葉など耳に入っていないのか、シエルは黙ってセバスチャンを見ていた。
「大丈夫だよ、そんな心配しなくてもさ。勝つのは――セバスチャンだし」
「「ハァ!?」」
しばらくすると、揚げ終わった物体をまた皿に乗せ審査員に差し出すセバスチャン。
「完成しました。これが我が社のカリーです」
「だからカリーはどこに……」
「!!お待ちください。これは……!!」
ドルイット子爵が謎の物体にナイフを入れる。
「なんだ……!?」
「中からカリーが……!?」
「なっ……」
「何!?」
「!!」
「これが我がファントム社が自信を持ってお出しするカリー。その名も、カリーパンです!!」
「カ……カリーパン!?」
「どうぞご賞味下さい」
「なんだアレは……あんなカリー見たことない」
カリーパンの完成に会場中がざわつきを見せる。
「と、とにかく試食だ」
「確かにシエルのカーンサマーが作ったカリーは本物だ。だが完璧なのはカリーだけだったんだ!!問題はナーンだ。ベンガルでは主流じゃないから俺も詳しくは知らんが、ナーンは小麦などを発酵させた生地をタンドゥールという高温の窯で一気に焼き上げるものだ。やっぱり1週間でカリーの全てをマスターするのは無理だったんだ。この勝負――」
ソーマは焦っているが、それとは正反対にナマエは笑みを浮かべていた。
「勝負はこれから、だよ」
「タイムアップ!これより審査に入ります!まずはパーション・タブ社のビーフカリーです」
「どうぞ」
審査員の前にカリーが置かれる。
「大きくカットされたビーフが柔らかく煮こまれごろごろ入っている。実に贅沢なカリーだ。しかし、このスープの単純な味わいと香りの無さ……カリー粉を使っているな。プロの料理人がカリー粉を使うなど言語道断だ!」
「ダリア社はスパイスを独自でブレンドしているようだね。でも辛さばかりが強くてせっかくの風味が飛んでしまっている。ハァ……努力は認めるけどね……」
「次はハロルド・ウエスト社アグニシェフ!」
「アグニ!」
アグニの登場に、ソーマは思わず叫んでいた。
「私のカリーは、こちらになります。オマール海老と七種類のカリーのターリです」
「オマール・ブルー丸々一匹に赤・黄・緑……色とりどりのカリーが……なんという鮮やかさ!」
「お好みに合わせて頂ける様、辛さと風味が違うものをご用意しました。全てオマール・ブルーに合わせて味付けしております」
「インド人の作る本場カリー七種。そしてメインの海老はあのオマール・ブルーか……では早速…………う……美味い!!プリプリした身、そして噛みしめた後に口に広がる繊細な甘み」
「しかも、甘いスープ・辛いスープ・さらっとしたスープ・とろっとしたスープ……その全てが海老の旨みを殺さず調和している」
「おお……おお……舞踏会で出会った麗しの美女。気高く美しすぎる貴女を包む七種の宝石。鳩の形の金のブローチ。サファイヤとパールのブレス。ガーネットのチョーカー。カメオの勲章。そして指先にはダイヤとエメラルドのリング。その全てが貴方の美しさを引き立てる。私は貴女に……心を奪われた!!素晴らしい!最高のカリーだよ」
「ありがとうございます」
アグニはドルイット子爵の言葉に頭を下げた。
「さぁ、これで優勝は決まってしまうのか!?最後に控えしはファントム社です!」
セバスチャンは皿を持って審査員の前に移動し、蓋を開ける。
「私のカリーはこちらになります」
「こ……これは!!」
皿の上には謎の白い物体が乗っていた。
その光景に審査員達は唖然とする。
「君!この白いモノはなんだ!!ふざけているのかね!?」
審査員の一人が怒鳴ると、セバスチャンはその白い物体をトングで挟み皿から持ち上げると、熱していた油の中に投入する。
「あ……揚げた!?」
「シエル、一体何をしてるんだお前のカーンサマーは!?」
「ドーナツでも作る気かよ」
「……」
周りの言葉など耳に入っていないのか、シエルは黙ってセバスチャンを見ていた。
「大丈夫だよ、そんな心配しなくてもさ。勝つのは――セバスチャンだし」
「「ハァ!?」」
しばらくすると、揚げ終わった物体をまた皿に乗せ審査員に差し出すセバスチャン。
「完成しました。これが我が社のカリーです」
「だからカリーはどこに……」
「!!お待ちください。これは……!!」
ドルイット子爵が謎の物体にナイフを入れる。
「なんだ……!?」
「中からカリーが……!?」
「なっ……」
「何!?」
「!!」
「これが我がファントム社が自信を持ってお出しするカリー。その名も、カリーパンです!!」
「カ……カリーパン!?」
「どうぞご賞味下さい」
「なんだアレは……あんなカリー見たことない」
カリーパンの完成に会場中がざわつきを見せる。
「と、とにかく試食だ」