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「お疲れ様でした坊っちゃん。すぐにお茶の用意を致しましょう」
「……」
玄関の扉を開けたセバスチャンの後ろで、シエルは金魚のように口をパクパクさせていた。
「?どうされまし……」
にこやかな笑みを浮かべていたセバスチャンだが、扉の向こうの状態を見て絶句した。
(漫画で知ってたとはいえ……実物はすげぇな)
「これは一体……」
「僕の屋敷が……」
「何事です……!?」
「ぼくのやしきが……」
よっぽどショックだったのか、シエルは同じ言葉を繰り返していた。
「「「セバスチャンさあああん!!」」」
いきなり使用人3人が駆け寄ってきたため、さすがのセバスチャンも驚いていた。
「!?」
焦りながらセバスチャンに抱き着く3人。
「一体何事です!?というか……二人は何です、その格好は?」
メイリン以外はとんでもない格好に変わっており、流石にナマエも哀れみの視線を送った。
「あの女(クレイジーガール)に聞いてくれ!」
「クレイジーガール……?」
バルドロイの指差した扉をそっと開け中を覗きこむと、少女の可愛らしい声が聞こえてきた。
「こっちのリボンもいいけど、こっちの巻きバラのも最高にかわいーっ♡迷っちゃう♡でもやっぱりアナタにはそれねっ。すっごくかわいーっ♡アントワネットみたい♡」
「そうですかな?ほっほっほっ」
「タナカさ……ッ」
タナカの変わり果てた姿に、思わず物音を立ててしまったシエル達。
その音に気付いた少女が振り返ると歓喜の声が上がった。
「あっ♡」
「!!!しまっ……」
「シーエールー♡♡会いたかったあぁあぁ!!」
少女は勢い良くシエルに抱きついた。そんなシエルは転ぶまいと踏ん張っている。
「エ……エリザベス!!」
「やだぁ~っ、リジーって呼んでっていつも言ってるじゃない!ああああん♡やっぱりいつ見ても最高にかわいーっ♡」
抱き締めながら頬ずりをする少女ことエリザベス。抱き締められているシエルからは骨の軋む音が聞こえてきていた。
「止めてあげたらどうです?セバスチャンさん」
「え?あぁ……」
ナマエがあまりの哀れさにセバスチャンに声をかけると、漸く現実に戻った彼は小さく咳払いをした。
「コホン。ミス・エリザベス……」
「あらっ。セバスチャン、ごきげんよう!」
「お久しぶりにお目にかかります」
深々と礼をするセバスチャンに、エリザベスが爆弾を投下した。
「あなたにもおみやげがあるのよ♡」
「え……」
「ほら♡」
ふぁという音とともに、セバスチャンの頭にはピンクのそれは見事なヘッドドレスが装着された。
「ああん、かわいー♡」
「ステキですぞ~」
「いつも黒ばかりだから、こういう色もいいと思ってたの!」
笑いを堪える使用人3人を目で黙らせるセバスチャン。
しかし、ナマエは堪えることなく笑い声を上げた。
「くっ……あははっ」
「私の様な者にまでこの様なお心遣い……大変光栄に存じます」
「いいのよ♡ところで、こちらの方はどなた?」
ナマエに視線を移したエリザベスは、不思議そうな顔をしていた。
「ナマエ・ミョウジと申します。お初にお目にかかります、エリザベス様。私はシエル様に日本文学をお教えしている使用人でございます」
姿勢を正し恭しく頭を垂れ、ナマエはエリザベスに挨拶をした。
嘘は言っていない。そう、《嘘》は口にしていないのだから問題はないはずだ。
「そうなの!?やだ、あたしったらそんな事知らなかったから、貴女の分のおみやげがないわ……」
シュンと項垂れるエリザベス。
「ゴホン。それよりリジー。何故ここに?叔母様はどうした?」
気を取り直したシエルがエリザベスに向き直って問いただした。
「シエルに会いたくて内緒で飛び出して来ちゃった♡」
「内緒で?お前は何を考えて……」
またもやシエルに抱きついているエリザベスを横目に、バルドロイがセバスチャンに問い質した。
「……おい。セバスチャンよぉ、あの女一体何者だ?」
「ああ、エリザベス様は坊っちゃんの許嫁です」
さらりと言い放ったセバスチャンの言葉に、タナカとナマエ以外の3人が絶叫した。
英国貴族は生まれながらに許嫁を持つ事が多く、シエルも例外ではなかった。
貴族の妻は貴族であるべき。その為、バルドロイにクレイジーガールと言われたエリザベスもれっきとした公爵令嬢なのである。
「……」
玄関の扉を開けたセバスチャンの後ろで、シエルは金魚のように口をパクパクさせていた。
「?どうされまし……」
にこやかな笑みを浮かべていたセバスチャンだが、扉の向こうの状態を見て絶句した。
(漫画で知ってたとはいえ……実物はすげぇな)
「これは一体……」
「僕の屋敷が……」
「何事です……!?」
「ぼくのやしきが……」
よっぽどショックだったのか、シエルは同じ言葉を繰り返していた。
「「「セバスチャンさあああん!!」」」
いきなり使用人3人が駆け寄ってきたため、さすがのセバスチャンも驚いていた。
「!?」
焦りながらセバスチャンに抱き着く3人。
「一体何事です!?というか……二人は何です、その格好は?」
メイリン以外はとんでもない格好に変わっており、流石にナマエも哀れみの視線を送った。
「あの女(クレイジーガール)に聞いてくれ!」
「クレイジーガール……?」
バルドロイの指差した扉をそっと開け中を覗きこむと、少女の可愛らしい声が聞こえてきた。
「こっちのリボンもいいけど、こっちの巻きバラのも最高にかわいーっ♡迷っちゃう♡でもやっぱりアナタにはそれねっ。すっごくかわいーっ♡アントワネットみたい♡」
「そうですかな?ほっほっほっ」
「タナカさ……ッ」
タナカの変わり果てた姿に、思わず物音を立ててしまったシエル達。
その音に気付いた少女が振り返ると歓喜の声が上がった。
「あっ♡」
「!!!しまっ……」
「シーエールー♡♡会いたかったあぁあぁ!!」
少女は勢い良くシエルに抱きついた。そんなシエルは転ぶまいと踏ん張っている。
「エ……エリザベス!!」
「やだぁ~っ、リジーって呼んでっていつも言ってるじゃない!ああああん♡やっぱりいつ見ても最高にかわいーっ♡」
抱き締めながら頬ずりをする少女ことエリザベス。抱き締められているシエルからは骨の軋む音が聞こえてきていた。
「止めてあげたらどうです?セバスチャンさん」
「え?あぁ……」
ナマエがあまりの哀れさにセバスチャンに声をかけると、漸く現実に戻った彼は小さく咳払いをした。
「コホン。ミス・エリザベス……」
「あらっ。セバスチャン、ごきげんよう!」
「お久しぶりにお目にかかります」
深々と礼をするセバスチャンに、エリザベスが爆弾を投下した。
「あなたにもおみやげがあるのよ♡」
「え……」
「ほら♡」
ふぁという音とともに、セバスチャンの頭にはピンクのそれは見事なヘッドドレスが装着された。
「ああん、かわいー♡」
「ステキですぞ~」
「いつも黒ばかりだから、こういう色もいいと思ってたの!」
笑いを堪える使用人3人を目で黙らせるセバスチャン。
しかし、ナマエは堪えることなく笑い声を上げた。
「くっ……あははっ」
「私の様な者にまでこの様なお心遣い……大変光栄に存じます」
「いいのよ♡ところで、こちらの方はどなた?」
ナマエに視線を移したエリザベスは、不思議そうな顔をしていた。
「ナマエ・ミョウジと申します。お初にお目にかかります、エリザベス様。私はシエル様に日本文学をお教えしている使用人でございます」
姿勢を正し恭しく頭を垂れ、ナマエはエリザベスに挨拶をした。
嘘は言っていない。そう、《嘘》は口にしていないのだから問題はないはずだ。
「そうなの!?やだ、あたしったらそんな事知らなかったから、貴女の分のおみやげがないわ……」
シュンと項垂れるエリザベス。
「ゴホン。それよりリジー。何故ここに?叔母様はどうした?」
気を取り直したシエルがエリザベスに向き直って問いただした。
「シエルに会いたくて内緒で飛び出して来ちゃった♡」
「内緒で?お前は何を考えて……」
またもやシエルに抱きついているエリザベスを横目に、バルドロイがセバスチャンに問い質した。
「……おい。セバスチャンよぉ、あの女一体何者だ?」
「ああ、エリザベス様は坊っちゃんの許嫁です」
さらりと言い放ったセバスチャンの言葉に、タナカとナマエ以外の3人が絶叫した。
英国貴族は生まれながらに許嫁を持つ事が多く、シエルも例外ではなかった。
貴族の妻は貴族であるべき。その為、バルドロイにクレイジーガールと言われたエリザベスもれっきとした公爵令嬢なのである。