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「馬っ……ムッ」
「坊っちゃんと私は顔が割れています。様子を見ましょう」
シエルの口を手で塞ぎながら、セバスチャンは引き止めた。
「お、王子――」
「お前どういうことだ。ミーナがどこにいるか知ってたのか!?」
アグニに掴みかかるソーマを見て、ウエストは合点がいった。
「ああ……それがお前のご主人様か。アグニ」
「お前がミーナを連れて行った奴だな。アグニ!こいつを倒せ!!」
「……っ」
「アグニ、何してる」
「フッ。アグニ、そのうるさい王子様をつまみ出せ」
「なっ……俺の言うことが聞けないのか?」
いつもならすぐに言うことを聞き行動するアグニが、今回は何もしない。
ソーマは少なからずその事にショックを受けていた。
「……何か揉め始めてしまいましたね」
「……さっきの話の内容からして、逆さ吊り事件にウエストが絡んでいるのは間違いないが……どうも“裏社会の事件”ではなさそうだ」
「ということは、今回は伯爵の管轄外だね。表世界の事件だし」
「だな」
「でもヤードに知らせるのも面倒だし、ここでボコって帰っちゃわない?」
「それもいいが、僕に少し考えがある。もう少しウエストを泳がせよう。今回はあの王子(バカ)を連れて引き上げるぞ」
「でも君達は面が割れてるんだよね?」
「ああ」
「私がやろうか?」
「……は?」
ナマエの名乗り上げにシエルはキョトンとした。
「ばっ……お前に任せたらとんでもないことになる!」
「じゃあどうする?このまま帰る?」
意地悪く笑うナマエを見て、シエルは唸った。
「おまかせ下さい。私に良い案がございます」
「アグニ、どういうことだ!説明しろッ!」
「お……お話することは何もありません。どうぞお引き取りください」
「な……何言っ……」
「いい子だ」
「……ッ貴様!!何をした!?」
ソーマはアグニの変わりように、ウエストに掴みかかる。
「おやめください!」
「離せアグニ!何故こんな奴の言うことを聞く!?」
後ろからアグニに羽交い締めにされたソーマは、事の真相を問い質そうとした。
「ったく……ギヴス&ホークスのスーツがシワになっただろうが!」
「アグニ!離せッ」
「言ってもわからん奴には、少し痛い目をみせないといけないな。アグニ、その王子様を殴って黙らせろ」
「「!!?」」
「ははっ、なんだよ。何も殺せとは言ってない。ちょっとばかし傷めつけて黙らせればいいって言ってんだ。優しいだろ?」
「アグニ……」
「アグニ!」
ウエストの命令に目をギュッと瞑ると、アグニはその右手を振り上げた。
「「!?」」
手を振り下ろそうとしたその時である。
バシィという音を立てながら、二人の間に割って入ったモノがいた。
「なななんだコイツはああああ!!」
現れたのは鹿の頭をした人型のモノ。
「ヒッ」
鹿男はくるりとウエストに向き直ると、深々と礼をした。
「私、こちらの王子をお迎えに上がった鹿でございます」
「鹿の剥製を被ってくなんて、ナイスアイディアだよね執事君」
「どこがだ。カオはかくれたが……」
「まさか本当にやるとはねっ」
ナマエは笑い声を耐えていた。
「おっ王子はともかく、コイツは敵のスパイかもしれん!アグニ」
「いえ、私はあくまで鹿で――」
「殺せ!!」
「殺……そんなことがっ」
「うるさいッ、あの約束がパアになっていいのか!?この俺の命令だぞ、殺れ!!」
「俺は……俺はっ……」
拳を握りしめるアグニの右手からは、血が滴り落ちている。
「我が神は……我が主は唯一人と、この右手は神のためだけに振るうと決めていました。その神を裏切る罪……」
噛みしめる唇からも血が滴り落ちる。
「アグニ……まさかッ……」
「お許しくださいッ」
右手を覆い隠している布を引き千切ると、アグニは叫び声を上げた。
「おおおおおお」
そのまま鹿男になっているセバスチャンに向かって襲いかかるアグニ。
セバスチャンはソーマを抱きかかえてソレを避けると、後ろにあったチェストが真っ二つになる。
「ぎゃあああああ、ジェネラル・トレーディングで買ったチェストがああ」
「坊っちゃんと私は顔が割れています。様子を見ましょう」
シエルの口を手で塞ぎながら、セバスチャンは引き止めた。
「お、王子――」
「お前どういうことだ。ミーナがどこにいるか知ってたのか!?」
アグニに掴みかかるソーマを見て、ウエストは合点がいった。
「ああ……それがお前のご主人様か。アグニ」
「お前がミーナを連れて行った奴だな。アグニ!こいつを倒せ!!」
「……っ」
「アグニ、何してる」
「フッ。アグニ、そのうるさい王子様をつまみ出せ」
「なっ……俺の言うことが聞けないのか?」
いつもならすぐに言うことを聞き行動するアグニが、今回は何もしない。
ソーマは少なからずその事にショックを受けていた。
「……何か揉め始めてしまいましたね」
「……さっきの話の内容からして、逆さ吊り事件にウエストが絡んでいるのは間違いないが……どうも“裏社会の事件”ではなさそうだ」
「ということは、今回は伯爵の管轄外だね。表世界の事件だし」
「だな」
「でもヤードに知らせるのも面倒だし、ここでボコって帰っちゃわない?」
「それもいいが、僕に少し考えがある。もう少しウエストを泳がせよう。今回はあの王子(バカ)を連れて引き上げるぞ」
「でも君達は面が割れてるんだよね?」
「ああ」
「私がやろうか?」
「……は?」
ナマエの名乗り上げにシエルはキョトンとした。
「ばっ……お前に任せたらとんでもないことになる!」
「じゃあどうする?このまま帰る?」
意地悪く笑うナマエを見て、シエルは唸った。
「おまかせ下さい。私に良い案がございます」
「アグニ、どういうことだ!説明しろッ!」
「お……お話することは何もありません。どうぞお引き取りください」
「な……何言っ……」
「いい子だ」
「……ッ貴様!!何をした!?」
ソーマはアグニの変わりように、ウエストに掴みかかる。
「おやめください!」
「離せアグニ!何故こんな奴の言うことを聞く!?」
後ろからアグニに羽交い締めにされたソーマは、事の真相を問い質そうとした。
「ったく……ギヴス&ホークスのスーツがシワになっただろうが!」
「アグニ!離せッ」
「言ってもわからん奴には、少し痛い目をみせないといけないな。アグニ、その王子様を殴って黙らせろ」
「「!!?」」
「ははっ、なんだよ。何も殺せとは言ってない。ちょっとばかし傷めつけて黙らせればいいって言ってんだ。優しいだろ?」
「アグニ……」
「アグニ!」
ウエストの命令に目をギュッと瞑ると、アグニはその右手を振り上げた。
「「!?」」
手を振り下ろそうとしたその時である。
バシィという音を立てながら、二人の間に割って入ったモノがいた。
「なななんだコイツはああああ!!」
現れたのは鹿の頭をした人型のモノ。
「ヒッ」
鹿男はくるりとウエストに向き直ると、深々と礼をした。
「私、こちらの王子をお迎えに上がった鹿でございます」
「鹿の剥製を被ってくなんて、ナイスアイディアだよね執事君」
「どこがだ。カオはかくれたが……」
「まさか本当にやるとはねっ」
ナマエは笑い声を耐えていた。
「おっ王子はともかく、コイツは敵のスパイかもしれん!アグニ」
「いえ、私はあくまで鹿で――」
「殺せ!!」
「殺……そんなことがっ」
「うるさいッ、あの約束がパアになっていいのか!?この俺の命令だぞ、殺れ!!」
「俺は……俺はっ……」
拳を握りしめるアグニの右手からは、血が滴り落ちている。
「我が神は……我が主は唯一人と、この右手は神のためだけに振るうと決めていました。その神を裏切る罪……」
噛みしめる唇からも血が滴り落ちる。
「アグニ……まさかッ……」
「お許しくださいッ」
右手を覆い隠している布を引き千切ると、アグニは叫び声を上げた。
「おおおおおお」
そのまま鹿男になっているセバスチャンに向かって襲いかかるアグニ。
セバスチャンはソーマを抱きかかえてソレを避けると、後ろにあったチェストが真っ二つになる。
「ぎゃあああああ、ジェネラル・トレーディングで買ったチェストがああ」