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アグニはセバスチャンに向かって剣を突き出すも、それは難なく躱されてしまう。
お互いに一歩も引かない剣撃が続く。
最終的にはお互いの剣の先端がぶつかり合い、剣が折れてしまった事で試合終了となった。
「やれやれ、剣が折れてしまった」
「「「!!」」」
「これじゃあ続きはできないねぇ。試合は引き分けか、ざんねーん」
「ふーん。シエルのカーンサマーもなかなかやるな。アグニは俺の城で一番の戦士だぞ。アグニと互角に戦えた奴は初めてだ!」
悪魔であるセバスチャンと互角にやりあう人間の存在に、シエルは驚きを隠せなかった。
「気に入った!シエルのカーンサマーよ、お前の腕に免じて今日は勘弁してやる」
「光栄に存じます」
「セバスチャン殿、お手合わせありがとうございました」
「こちらこそ。アグニさんは本当に飲み込みが早い。初心者でなければわかりませんでしたよ」
「いや、そんな!」
「……」
「シエル?顔怖くなってるよ?」
ナマエがシエルの顔を覗き込みながら言うも、反応がない。
「シエル様、先程は申し訳ございませんでした。まだ痛みますか?」
「い……いや……」
「良かった!」
アグニに声をかけられて、戸惑うシエル。
「セバスチャン」
離れた所でセバスチャンに声をかけるシエル。
「あの男……一体何者だ?まさかまた……ああいう……」
そう言うシエルの脳裏には、執事に化けていたグレルの姿が思い浮かんでいた。
「いえ、あの方は人間ですよ」
「そうか……」
「おいシエル!もう一試合だ!」
「うっ!?」
ホッとしているシエルに対し、ソーマがまた勝負を持ちかけ始めた。
「そう……ただの人間です。……ただ、《私達》が持ちえぬ力を持った……ね」
窓の外を見ながら呟くセバスチャン。
「なーに感心してんの?」
「ナマエ……?」
「勝ったらご褒美あげようと思ってたのに」
「ご褒美……ですか?」
「そ、ごほーび」
「ちなみに……どういった物だったのかお伺いしても?」
「ほっぺにチュー」
「!?」
「な~んてね。んな事するわけ……ってセバスチャン?」
反応がないセバスチャンを見ると、ガックリと項垂れていた。
「よーっし、あのインド人に負けてらんねぇ!今日は俺が腕によりをかけて……」
キッチンでバルドロイがフライパン片手に意気込みを見せる。
「結構です。私とナマエで準備しますので、貴方は大人しくしていて下さい」
結局予定時間を30分も押してしまった事でセバスチャンは少し苛立っていた。
それに気づかないバルドロイは横でギャーギャー言っている。
「セバスチャン聞いてんのか!?」
「バルドうるさい」
「あーもー、いいから少し静かにして下さ……」
「セバスチャン殿、よろしいですか?」
バルドロイがギャースカ言っている状態で、キッチンの扉からアグニが顔を覗かせた。
「何かお手伝いすることがあればと思いまして……」
「アグニさん、くつろいでいて下さって結構ですよ?」
「そーそー。《一応》お客様なんだし」
「いえ、二人より三人の方がずっと早いですよ!なんでもお申し付けください」
爽やかな笑顔で言うアグニに、セバスチャンは感動を覚えていた。
「では……今晩の魚(メインディッシュ)にかけるグーズベリーソースとコテージパイの準備をお願いできますか?」
「はい!」
「レシピはここにありますので。私が作ったものですが」
引き出しからレシピを取り出し、アグニに渡すセバスチャン。
「コテージパイに使う肉は鶏のひき肉に変えましょう。インドの方ですからね」
「お気づかい恐れ入ります」
「さっ、バルドは邪魔ですからどいてて下さい」
「オイッ、なんであいつには仕事まかせるのにおれは邪魔なんだよ!?」
「いや~、日頃の行いがねぇ……」
「チッ」
バルドロイはセバスチャンとナマエに邪魔者扱いされた事で機嫌を損ね、樽の上に座ってしまった。
そんなバルドロイを放置し、セバスチャンはナマエを連れて奥の厨房へ向かった。
お互いに一歩も引かない剣撃が続く。
最終的にはお互いの剣の先端がぶつかり合い、剣が折れてしまった事で試合終了となった。
「やれやれ、剣が折れてしまった」
「「「!!」」」
「これじゃあ続きはできないねぇ。試合は引き分けか、ざんねーん」
「ふーん。シエルのカーンサマーもなかなかやるな。アグニは俺の城で一番の戦士だぞ。アグニと互角に戦えた奴は初めてだ!」
悪魔であるセバスチャンと互角にやりあう人間の存在に、シエルは驚きを隠せなかった。
「気に入った!シエルのカーンサマーよ、お前の腕に免じて今日は勘弁してやる」
「光栄に存じます」
「セバスチャン殿、お手合わせありがとうございました」
「こちらこそ。アグニさんは本当に飲み込みが早い。初心者でなければわかりませんでしたよ」
「いや、そんな!」
「……」
「シエル?顔怖くなってるよ?」
ナマエがシエルの顔を覗き込みながら言うも、反応がない。
「シエル様、先程は申し訳ございませんでした。まだ痛みますか?」
「い……いや……」
「良かった!」
アグニに声をかけられて、戸惑うシエル。
「セバスチャン」
離れた所でセバスチャンに声をかけるシエル。
「あの男……一体何者だ?まさかまた……ああいう……」
そう言うシエルの脳裏には、執事に化けていたグレルの姿が思い浮かんでいた。
「いえ、あの方は人間ですよ」
「そうか……」
「おいシエル!もう一試合だ!」
「うっ!?」
ホッとしているシエルに対し、ソーマがまた勝負を持ちかけ始めた。
「そう……ただの人間です。……ただ、《私達》が持ちえぬ力を持った……ね」
窓の外を見ながら呟くセバスチャン。
「なーに感心してんの?」
「ナマエ……?」
「勝ったらご褒美あげようと思ってたのに」
「ご褒美……ですか?」
「そ、ごほーび」
「ちなみに……どういった物だったのかお伺いしても?」
「ほっぺにチュー」
「!?」
「な~んてね。んな事するわけ……ってセバスチャン?」
反応がないセバスチャンを見ると、ガックリと項垂れていた。
「よーっし、あのインド人に負けてらんねぇ!今日は俺が腕によりをかけて……」
キッチンでバルドロイがフライパン片手に意気込みを見せる。
「結構です。私とナマエで準備しますので、貴方は大人しくしていて下さい」
結局予定時間を30分も押してしまった事でセバスチャンは少し苛立っていた。
それに気づかないバルドロイは横でギャーギャー言っている。
「セバスチャン聞いてんのか!?」
「バルドうるさい」
「あーもー、いいから少し静かにして下さ……」
「セバスチャン殿、よろしいですか?」
バルドロイがギャースカ言っている状態で、キッチンの扉からアグニが顔を覗かせた。
「何かお手伝いすることがあればと思いまして……」
「アグニさん、くつろいでいて下さって結構ですよ?」
「そーそー。《一応》お客様なんだし」
「いえ、二人より三人の方がずっと早いですよ!なんでもお申し付けください」
爽やかな笑顔で言うアグニに、セバスチャンは感動を覚えていた。
「では……今晩の魚(メインディッシュ)にかけるグーズベリーソースとコテージパイの準備をお願いできますか?」
「はい!」
「レシピはここにありますので。私が作ったものですが」
引き出しからレシピを取り出し、アグニに渡すセバスチャン。
「コテージパイに使う肉は鶏のひき肉に変えましょう。インドの方ですからね」
「お気づかい恐れ入ります」
「さっ、バルドは邪魔ですからどいてて下さい」
「オイッ、なんであいつには仕事まかせるのにおれは邪魔なんだよ!?」
「いや~、日頃の行いがねぇ……」
「チッ」
バルドロイはセバスチャンとナマエに邪魔者扱いされた事で機嫌を損ね、樽の上に座ってしまった。
そんなバルドロイを放置し、セバスチャンはナマエを連れて奥の厨房へ向かった。