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似顔絵を見ながら、一人悶々と考えたナマエ。
「当然だ!俺の城でも一番の美人だったんだからな。ごちそうさまでした」
「……で、その女は何故英国に――」
食事が終わるなり、どこから取り出したのかわからない気味悪い像に祈りを捧げるソーマとアグニ。
「聞けえっ!!!」
意味不明の言語で突然祈りだす二人にシエルが怒鳴るも、そんな事お構いなしに祈りを止める気配がない。
「なんなんだ突然。どこから出したんだ、あの像は!」
「お祈りしてるみたいだけど、えらいシュールなご神体だねぇ」
「ご神体といいますか……私には“生首を持って生首のネックレスをかけ、男性の腹部の上で踊り狂っている女性の像”……にしか見えないのですが……」
「そのままだね」
「この像は我々が信仰するヒンドゥー教の神、カーリー女神です」
シエル達が疑問を口にしていると、それに気付いたアグニが説明してくれた。
「インドの神か」
「我がカーリー女神は、シヴァ神の妻であり力の女神です。厄災から守ってくれます。他にも色々ご利益があります。太古の昔、ある悪魔が無謀にも女神に戦いを挑みました。もちろんカーリー女神が勝利なさいます。しかしその後も破壊衝動は収まらず、女神は破壊と殺戮にあけくれます。人を殺し続けたり、生首でネックレスを作ったり、血を飲み干したり……」
「悪魔被害より女神被害の方がスゴそうだねぇ。そりゃすごいね」
「神々もカーリー女神を止めることができず万策尽き地上が滅びようとした……その時!!」
アグニの力説は留まることをしらない。
「地上を守るため、夫であるシヴァ神がカーリー女神のその足元に横たわったのです」
「ああ!だから踏まれているんですか。てっきり夫婦ゲンカかと……」
「夫は随分腰が重いな。それはもう手遅れなんじゃないのか?いろいろと」
「不浄の足で夫を踏んでしまったことにより、カーリー女神は我に返り地上に平和が戻りました。つまり、カーリー女神は死闘の末悪魔を倒した偉大な女神なのです。その証拠に、倒した悪魔の生首を持っています」
「……だそうだ」
「そんなにお強い方がいるとは……インドに行く時は気をつけなければいけませんね」
「?」
「私は、カーリーよりもパールヴァティーの方が好感持てるんだけどなぁ……」
ボソリと呟くと、アグニが輝く笑顔でナマエの手を取った。
「なんと!ナマエ殿はヒンドゥー教をご存知なんですか!?」
「いや、ちょっと齧っただけで詳細までは……」
「ああ!まさか英国にも我らがヒンドゥー教が浸透しているとは!!」
「いや……人の話聞こうよ、まずはさ……」
キラキラと瞳を輝かせて陶酔しているアグニに、ナマエは引きながら言葉をかけるも聞こえている様には見えなかった。
それどころか、セバスチャンから物凄い視線を感じていた。
(怒ってる!?この突き刺さるような視線は絶対に怒ってない?!)
アグニに握られている手を見ながら一人焦るナマエ。
「さて、祈りも済んだことだし」
ソーマの発言に、漸く手を離して貰えたナマエは安堵した。
「出かけるか。チビ!道案内しろ」
「なんで僕が!?大体僕はチビじゃなくてシエルという名前が……」
「じゃあシエル、お前に道案内を申し付ける。来い」
ズルズルとシエルを引きずって歩くソーマ。
しかし、ドアの前にスッと立ち制止するセバスチャン。
「申し訳ありません。坊っちゃんは本日お勉強とお仕事のご予定が詰まっております」
「というわけで僕は忙しい。人捜しなら勝手にやれ」
「当然だ!俺の城でも一番の美人だったんだからな。ごちそうさまでした」
「……で、その女は何故英国に――」
食事が終わるなり、どこから取り出したのかわからない気味悪い像に祈りを捧げるソーマとアグニ。
「聞けえっ!!!」
意味不明の言語で突然祈りだす二人にシエルが怒鳴るも、そんな事お構いなしに祈りを止める気配がない。
「なんなんだ突然。どこから出したんだ、あの像は!」
「お祈りしてるみたいだけど、えらいシュールなご神体だねぇ」
「ご神体といいますか……私には“生首を持って生首のネックレスをかけ、男性の腹部の上で踊り狂っている女性の像”……にしか見えないのですが……」
「そのままだね」
「この像は我々が信仰するヒンドゥー教の神、カーリー女神です」
シエル達が疑問を口にしていると、それに気付いたアグニが説明してくれた。
「インドの神か」
「我がカーリー女神は、シヴァ神の妻であり力の女神です。厄災から守ってくれます。他にも色々ご利益があります。太古の昔、ある悪魔が無謀にも女神に戦いを挑みました。もちろんカーリー女神が勝利なさいます。しかしその後も破壊衝動は収まらず、女神は破壊と殺戮にあけくれます。人を殺し続けたり、生首でネックレスを作ったり、血を飲み干したり……」
「悪魔被害より女神被害の方がスゴそうだねぇ。そりゃすごいね」
「神々もカーリー女神を止めることができず万策尽き地上が滅びようとした……その時!!」
アグニの力説は留まることをしらない。
「地上を守るため、夫であるシヴァ神がカーリー女神のその足元に横たわったのです」
「ああ!だから踏まれているんですか。てっきり夫婦ゲンカかと……」
「夫は随分腰が重いな。それはもう手遅れなんじゃないのか?いろいろと」
「不浄の足で夫を踏んでしまったことにより、カーリー女神は我に返り地上に平和が戻りました。つまり、カーリー女神は死闘の末悪魔を倒した偉大な女神なのです。その証拠に、倒した悪魔の生首を持っています」
「……だそうだ」
「そんなにお強い方がいるとは……インドに行く時は気をつけなければいけませんね」
「?」
「私は、カーリーよりもパールヴァティーの方が好感持てるんだけどなぁ……」
ボソリと呟くと、アグニが輝く笑顔でナマエの手を取った。
「なんと!ナマエ殿はヒンドゥー教をご存知なんですか!?」
「いや、ちょっと齧っただけで詳細までは……」
「ああ!まさか英国にも我らがヒンドゥー教が浸透しているとは!!」
「いや……人の話聞こうよ、まずはさ……」
キラキラと瞳を輝かせて陶酔しているアグニに、ナマエは引きながら言葉をかけるも聞こえている様には見えなかった。
それどころか、セバスチャンから物凄い視線を感じていた。
(怒ってる!?この突き刺さるような視線は絶対に怒ってない?!)
アグニに握られている手を見ながら一人焦るナマエ。
「さて、祈りも済んだことだし」
ソーマの発言に、漸く手を離して貰えたナマエは安堵した。
「出かけるか。チビ!道案内しろ」
「なんで僕が!?大体僕はチビじゃなくてシエルという名前が……」
「じゃあシエル、お前に道案内を申し付ける。来い」
ズルズルとシエルを引きずって歩くソーマ。
しかし、ドアの前にスッと立ち制止するセバスチャン。
「申し訳ありません。坊っちゃんは本日お勉強とお仕事のご予定が詰まっております」
「というわけで僕は忙しい。人捜しなら勝手にやれ」