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『やってらんない……キミはいいね、気楽でさ』
ファントムハイヴ邸の庭で、ナマエは座り込みながらゴチていた。
ナマエが愚痴を溢している相手は、喉をゴロゴロ鳴らしながら彼女に擦り寄っている。
『あ~ぁ、なんでこんな事になったんだろ。ねぇ、キミもそう思うでしょ?』
ナマエが愚痴を溢している相手は、真っ黒な1匹の猫であった。
ヨシヨシと頭を撫でてやると、満足そうに喉を鳴らす黒猫。そんな姿に目を細めていると、誰かが芝生を踏んでこちらに向かってくる音が聞こえた。
「こんな所にいらしたんですか」
「……セバスチャンさん……何か御用ですか?それとも――」
また何かしでかしたか?と暗い顔になるナマエに対し、セバスチャンはそのまま屈みこんで黒猫を撫で始めた。
「用と言えばそうですね……彼女に食事を持って来ただけです」
「彼女?」
「えぇ。可愛いでしょう?人間の様に煩くもなく、余計な事も言わない。それに――」
「?」
「この感触が堪りません」
そう言うと、セバスチャンは黒猫の肉球をプニプニと触りだした。
至福の時だ、とも言いたげにセバスチャンの表情は恍惚としたものになっていた。
「――さて」
黒猫と別れを告げると、セバスチャンは立ち上がりナマエを見据えた。
「貴女には追々お話をお伺いするとして……」
自身を見据える紅茶色の双眼にビクリと肩が震えるナマエ。
「日も暮れて冷えてきましたし、そろそろ中に戻りましょう」
言いながらセバスチャンはナマエに手を差し出した。
ナマエはその手を恐る恐る掴むと、グイッと引っ張られ立ち上がる。
いきなりの事で体勢を崩しそうになった所を、セバスチャンが抱きとめる。
クンッと鼻を鳴らしたセバスチャンは、ポツリと呟いた。
「《人間》の匂いが……しない?」
「え?」
「何でもありません。さぁ、早く中へ入りましょう」
そのままナマエの手を引いて、セバスチャンは屋敷へと歩き出した。
ファントムハイヴ邸の庭で、ナマエは座り込みながらゴチていた。
ナマエが愚痴を溢している相手は、喉をゴロゴロ鳴らしながら彼女に擦り寄っている。
『あ~ぁ、なんでこんな事になったんだろ。ねぇ、キミもそう思うでしょ?』
ナマエが愚痴を溢している相手は、真っ黒な1匹の猫であった。
ヨシヨシと頭を撫でてやると、満足そうに喉を鳴らす黒猫。そんな姿に目を細めていると、誰かが芝生を踏んでこちらに向かってくる音が聞こえた。
「こんな所にいらしたんですか」
「……セバスチャンさん……何か御用ですか?それとも――」
また何かしでかしたか?と暗い顔になるナマエに対し、セバスチャンはそのまま屈みこんで黒猫を撫で始めた。
「用と言えばそうですね……彼女に食事を持って来ただけです」
「彼女?」
「えぇ。可愛いでしょう?人間の様に煩くもなく、余計な事も言わない。それに――」
「?」
「この感触が堪りません」
そう言うと、セバスチャンは黒猫の肉球をプニプニと触りだした。
至福の時だ、とも言いたげにセバスチャンの表情は恍惚としたものになっていた。
「――さて」
黒猫と別れを告げると、セバスチャンは立ち上がりナマエを見据えた。
「貴女には追々お話をお伺いするとして……」
自身を見据える紅茶色の双眼にビクリと肩が震えるナマエ。
「日も暮れて冷えてきましたし、そろそろ中に戻りましょう」
言いながらセバスチャンはナマエに手を差し出した。
ナマエはその手を恐る恐る掴むと、グイッと引っ張られ立ち上がる。
いきなりの事で体勢を崩しそうになった所を、セバスチャンが抱きとめる。
クンッと鼻を鳴らしたセバスチャンは、ポツリと呟いた。
「《人間》の匂いが……しない?」
「え?」
「何でもありません。さぁ、早く中へ入りましょう」
そのままナマエの手を引いて、セバスチャンは屋敷へと歩き出した。