嵐と平穏
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「はい。お初にお目にかかります、ミッドフォード候爵夫人。私はナマエと申します。以後お見知り置き頂ければ幸いでございます」
「堅苦しい挨拶は好まぬ。それより……先日は娘が迷惑を掛けたな」
「ご迷惑だなんてとんでもございません。私こそ大変ご無礼なマネをし、申し訳ございませんでした」
「いや、謝罪はいらぬ。それに、謝罪せねばならないのはこちらの方だ。教育が行き届いておらず、申し訳ない事をした」
深々と頭を垂れる候爵夫人に、ナマエは狼狽えた。
「えっ……あのっ……その様な事、私の様な身分の者になさらないで下さい」
「礼には礼を持って接する。それが英国貴族というものだ。これからもエリザベスのこと、よろしく頼むぞ」
「は……はぁ」
そこまで言うと、視線をシエルへと戻す候爵夫人。
「抜き打ちで来てみれば相変わらずお前はダラダラ、執事はいやらしい」
「いやらしい……」
「お前は我が娘を娶る男だ。今日という今日はお前を鍛え直してやる!徹底的にチェックしてやる!!」
「!!」
「まずは屋敷内を見せて貰おうか!部屋の乱れは心の乱れ!!」
「では私がご案内致します」
「お、おい……っ」
不安気にシエルがセバスチャンの燕尾服の裾を引っ張る。
「おまかせ下さい。昨日のうちに全て完璧に整えてございます」
セバスチャンは小声で主であるシエルに安心するよう伝えた。
「まずは中庭からご案内致します。今年はドイツから取り寄せた冬薔薇が大変美しく……」
ガチャっと中庭へ通じている扉を開けたセバスチャンだが、楽しそうに全てのバラを切り取っているフィニアンの姿を見て無言で扉を閉めた。
「間違えました。先に見て頂きたいのはリビングの方でした」
「何故だ?ここまで来たんだし中庭からで」
「いえ、リビングへ。うっかりしておりました!!クリスマスローズの八重咲き(パーティードレス)とドイツから取り寄せた冬薔薇が見頃なのですが、花はお昼頃に全て開いた姿をお見せしたいので是非リビングへお越し下さい。そちらのリビングは先日大幅に模様替えを致しました。フランスから美しい柄の壁紙を取り寄せまして……」
またも扉を開け、中を見るなりバタンと閉めるセバスチャン。メイリンが何かやらかしているのだと、ナマエは知っていた。
「間違えました。やはり温室でお茶に致しましょう」
「何故だ?リビングを見に来たんだろう」
「いえ、お茶にしましょう。どうぞこちらへ!!お二人共窮屈な馬車に長時間お乗りになってお疲れでしょう。気がきかず申し訳ありません、私とした事が……」
ベラベラと言い訳を述べるセバスチャンに、候爵夫人は訝しげな視線を送った。
「丁度スペインから良いオレンジが入った処ですので、ディンブラでシャリマティーなど……」
あくまでも笑顔を浮かべているセバスチャンの背後からはド派手な爆発音が……
(バルドだな、こりゃ……)
「……」
「また間違えたのか?優柔不断な男だな!!」
「申し訳ありません。私とした事が……」
必死に笑いを堪えているナマエを一瞥し、セバスチャンは深々と候爵夫人に謝罪した。
「それよりも候爵夫人にご覧になって頂きたいものがあったのを忘れておりました」
「?」
「御婦人をご案内する様な所ではないのですが……馬屋へ参りましょう」
屋敷から出て、一行は敷地内にある馬屋に向かった。
「堅苦しい挨拶は好まぬ。それより……先日は娘が迷惑を掛けたな」
「ご迷惑だなんてとんでもございません。私こそ大変ご無礼なマネをし、申し訳ございませんでした」
「いや、謝罪はいらぬ。それに、謝罪せねばならないのはこちらの方だ。教育が行き届いておらず、申し訳ない事をした」
深々と頭を垂れる候爵夫人に、ナマエは狼狽えた。
「えっ……あのっ……その様な事、私の様な身分の者になさらないで下さい」
「礼には礼を持って接する。それが英国貴族というものだ。これからもエリザベスのこと、よろしく頼むぞ」
「は……はぁ」
そこまで言うと、視線をシエルへと戻す候爵夫人。
「抜き打ちで来てみれば相変わらずお前はダラダラ、執事はいやらしい」
「いやらしい……」
「お前は我が娘を娶る男だ。今日という今日はお前を鍛え直してやる!徹底的にチェックしてやる!!」
「!!」
「まずは屋敷内を見せて貰おうか!部屋の乱れは心の乱れ!!」
「では私がご案内致します」
「お、おい……っ」
不安気にシエルがセバスチャンの燕尾服の裾を引っ張る。
「おまかせ下さい。昨日のうちに全て完璧に整えてございます」
セバスチャンは小声で主であるシエルに安心するよう伝えた。
「まずは中庭からご案内致します。今年はドイツから取り寄せた冬薔薇が大変美しく……」
ガチャっと中庭へ通じている扉を開けたセバスチャンだが、楽しそうに全てのバラを切り取っているフィニアンの姿を見て無言で扉を閉めた。
「間違えました。先に見て頂きたいのはリビングの方でした」
「何故だ?ここまで来たんだし中庭からで」
「いえ、リビングへ。うっかりしておりました!!クリスマスローズの八重咲き(パーティードレス)とドイツから取り寄せた冬薔薇が見頃なのですが、花はお昼頃に全て開いた姿をお見せしたいので是非リビングへお越し下さい。そちらのリビングは先日大幅に模様替えを致しました。フランスから美しい柄の壁紙を取り寄せまして……」
またも扉を開け、中を見るなりバタンと閉めるセバスチャン。メイリンが何かやらかしているのだと、ナマエは知っていた。
「間違えました。やはり温室でお茶に致しましょう」
「何故だ?リビングを見に来たんだろう」
「いえ、お茶にしましょう。どうぞこちらへ!!お二人共窮屈な馬車に長時間お乗りになってお疲れでしょう。気がきかず申し訳ありません、私とした事が……」
ベラベラと言い訳を述べるセバスチャンに、候爵夫人は訝しげな視線を送った。
「丁度スペインから良いオレンジが入った処ですので、ディンブラでシャリマティーなど……」
あくまでも笑顔を浮かべているセバスチャンの背後からはド派手な爆発音が……
(バルドだな、こりゃ……)
「……」
「また間違えたのか?優柔不断な男だな!!」
「申し訳ありません。私とした事が……」
必死に笑いを堪えているナマエを一瞥し、セバスチャンは深々と候爵夫人に謝罪した。
「それよりも候爵夫人にご覧になって頂きたいものがあったのを忘れておりました」
「?」
「御婦人をご案内する様な所ではないのですが……馬屋へ参りましょう」
屋敷から出て、一行は敷地内にある馬屋に向かった。