真紅と漆黒
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「こんな時に服の心配なんて余裕じゃない。傷が浅かったってコトかしら。何としてもアタシの花の顔(かんばせ)を狙うのね、この悪魔……でも、身だしなみに気を使う男って好きよセバスちゃん!」
フーっと息を吐きながら、セバスチャンはおもむろに燕尾服を脱いだ。
「この方法だけは使いたくなかったのですが……仕方ありません」
「ンフッ……ようやくアタシに本気になってくれるのね?次の一撃で終劇(オワリ)にしましょうか、セバスちゃん。この世にさようならを、あの世で結ばれまショ?セバスちゃん!!」
グレルがデスサイズを構え直し走りだした所で、グレルの影が蠢いた。
「いい雰囲気のところお邪魔して悪いけど……」
ゆらり、と影が伸びる。
「私の存在を無視しないで頂きたいですねぇ」
背後からいきなり聞こえた声にグレルはデスサイズを振るう。
その切っ先がナマエの腕をかすり、血がにじみ出る。
「えっ……嘘……レコードが……出ない!?」
出るはずのシネマティックレコードが、ナマエの傷口からは現れなかった。
「こんなコト……あり得ないワ!!レコードが出ないなんて……《魔物》じゃないワ、アナタ――その琥珀色の瞳……なんで人間に仕えてるのよ!!なんで《魔女》が!?」
「《魔女》?……そうか、私は《魔物》じゃなく《魔女》だったのか……」
妙に納得した様に呟いたナマエは、影に手を伸ばす。
(コイツを始末出来る……《力》が欲しい!)
すると、その影から一本の黒い《塊》が現れた。
ゆらゆらと蠢く《塊》を見て、グレルは後退りする。
「ちょっ……やめなさいよ!アタシ達には《不可侵条約》が――」
「《不可侵》?そんなの私の知った事じゃない。シエル様の命に従う。それが私の《生きる理由》!!」
《塊》はナマエの手の中で《刃》となり、その切っ先をグレルに向ける。
「なっ……待ちなさいヨ!!そんなので斬られたらアタシ……」
回転を止めずにいるデスサイズを持ったまま、グレルは尚も後退る。
後退っている方向にはセバスチャンがいる。
ナマエが目配せすると、セバスチャンは脱いでいた燕尾服をデスサイズに噛ませた。
「!!?」
ギチッという音を立てて回転が止まったグレルのデスサイズ。
「……え?」
慌ててデスサイズから燕尾服を取ろうとするも、しっかりと絡みついており外せない。
「エエエエエエエー!!?」
「その武器(デスサイズ)が回転する事であの切れ味を生み出しているのでしたら、その回転を止めてしまえば良いかと思いまして」
「こんなモノすぐに取って……!!」
「その燕尾服は上質なウールで出来ています。ウールは布の中でも特に摩擦力が強い。一度噛んだら中々とれませんよ」
「どんだけぇえ!!?」
「お屋敷からの支給品ですしどうしても燕尾服だけは使いたくなかったのですが、仕方ありません。すでにボロボロでしたしねぇ」
深く溜息を吐くセバスチャンの向かい、グレルの背後からはその首元に漆黒の《刃》を当てているナマエ。
「全てが切れる死神の鎌。使えれば……ね。さぁ……グレルさん」
コツコツとグレルに歩み寄るセバスチャンの顔には悪魔の笑みが浮かんでいた。
「死神の鎌はもう使えませんよ?」
「あ……ああ……っ」
「《ただの》殴り合いでしたら、少々自信がございます」
満面の笑みを浮かべながら、セバスチャンはボキボキと指を鳴らした。
「逃げ場はございませんよ?グレルさん」
薄っすらと首元に血を流しながら、グレルは怯えていた。
「あっ……ちっ……ちょっと待って……かっ……顔はやめてぇえええええー。ぎぃやー」
フーっと息を吐きながら、セバスチャンはおもむろに燕尾服を脱いだ。
「この方法だけは使いたくなかったのですが……仕方ありません」
「ンフッ……ようやくアタシに本気になってくれるのね?次の一撃で終劇(オワリ)にしましょうか、セバスちゃん。この世にさようならを、あの世で結ばれまショ?セバスちゃん!!」
グレルがデスサイズを構え直し走りだした所で、グレルの影が蠢いた。
「いい雰囲気のところお邪魔して悪いけど……」
ゆらり、と影が伸びる。
「私の存在を無視しないで頂きたいですねぇ」
背後からいきなり聞こえた声にグレルはデスサイズを振るう。
その切っ先がナマエの腕をかすり、血がにじみ出る。
「えっ……嘘……レコードが……出ない!?」
出るはずのシネマティックレコードが、ナマエの傷口からは現れなかった。
「こんなコト……あり得ないワ!!レコードが出ないなんて……《魔物》じゃないワ、アナタ――その琥珀色の瞳……なんで人間に仕えてるのよ!!なんで《魔女》が!?」
「《魔女》?……そうか、私は《魔物》じゃなく《魔女》だったのか……」
妙に納得した様に呟いたナマエは、影に手を伸ばす。
(コイツを始末出来る……《力》が欲しい!)
すると、その影から一本の黒い《塊》が現れた。
ゆらゆらと蠢く《塊》を見て、グレルは後退りする。
「ちょっ……やめなさいよ!アタシ達には《不可侵条約》が――」
「《不可侵》?そんなの私の知った事じゃない。シエル様の命に従う。それが私の《生きる理由》!!」
《塊》はナマエの手の中で《刃》となり、その切っ先をグレルに向ける。
「なっ……待ちなさいヨ!!そんなので斬られたらアタシ……」
回転を止めずにいるデスサイズを持ったまま、グレルは尚も後退る。
後退っている方向にはセバスチャンがいる。
ナマエが目配せすると、セバスチャンは脱いでいた燕尾服をデスサイズに噛ませた。
「!!?」
ギチッという音を立てて回転が止まったグレルのデスサイズ。
「……え?」
慌ててデスサイズから燕尾服を取ろうとするも、しっかりと絡みついており外せない。
「エエエエエエエー!!?」
「その武器(デスサイズ)が回転する事であの切れ味を生み出しているのでしたら、その回転を止めてしまえば良いかと思いまして」
「こんなモノすぐに取って……!!」
「その燕尾服は上質なウールで出来ています。ウールは布の中でも特に摩擦力が強い。一度噛んだら中々とれませんよ」
「どんだけぇえ!!?」
「お屋敷からの支給品ですしどうしても燕尾服だけは使いたくなかったのですが、仕方ありません。すでにボロボロでしたしねぇ」
深く溜息を吐くセバスチャンの向かい、グレルの背後からはその首元に漆黒の《刃》を当てているナマエ。
「全てが切れる死神の鎌。使えれば……ね。さぁ……グレルさん」
コツコツとグレルに歩み寄るセバスチャンの顔には悪魔の笑みが浮かんでいた。
「死神の鎌はもう使えませんよ?」
「あ……ああ……っ」
「《ただの》殴り合いでしたら、少々自信がございます」
満面の笑みを浮かべながら、セバスチャンはボキボキと指を鳴らした。
「逃げ場はございませんよ?グレルさん」
薄っすらと首元に血を流しながら、グレルは怯えていた。
「あっ……ちっ……ちょっと待って……かっ……顔はやめてぇえええええー。ぎぃやー」