真紅と漆黒
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「悪魔と死神。やっぱりアタシ達、分かり合えないのかしら。魂を全て回収するのが死神の仕事なら、悪魔はその魂を掠め取って食べてしまう害獣!想っても報われない……まるでロミオとジュリエットの悲劇だわ!」
攻防を繰り返しながらも自分の世界に浸るグレルに、三人は鳥肌が立った。
「私と貴方が主演では、シェークスピアも嘆くでしょうね!ああ、セバスちゃん!どうして貴方はセバスちゃんなの?」
地を蹴り、セバスチャンとグレルは屋根へと飛び上がる。
「主人からもらったその忌まわしい名を棄てて、アタシだけを見てくれたなら!」
「貴方と演じる気は毛頭ありませんよ。演じるなら……私とナマエで、ですね。それにただ一言、主人が私を《セバスチャン》と呼んだ時から、その言葉こそ新しき洗礼にて契約」
着地するなり、グレルの顔面目掛けて蹴りを繰り出すセバスチャン。
「その日から私は《セバスチャン》ですよ。月に誓ってね」
「月に誓うなんて不誠実な男ね」
蹴りを避け、セバスチャンに続いて屋根に降りるグレル。
「アナタの瞳は、本当には何も愛していない穢れた瞳。無垢な魂を卑しい手と唇で汚す悪魔。いい……いいわ……ゾクゾクするワ、セバスちゃん!アナタの子供なら産める気がする!」
「やめて下さい、気持ち悪い。生物学上無理ですから。それに……私がナマエを愛している気持ちに偽りはないですよ」
「ああん♡冷たいのね!美しい暴君!天使のような悪魔!!鳩の羽をした烏!!!狼のように貪欲なアタシの仔羊、セバスちゃん!!」
デスサイズを振るうグレルの顔面を敢えて狙って攻撃するセバスチャン。
地上からその光景を眺めていると、シエルは苛立つように声を発した。
「お前も行け、ナマエ!」
「よろしいので?」
「何がだ!?」
「いえ、シエル様の護衛がいなくなりますので」
「……自分の身位自分で守れる!いいから行け!!」
「……しかし」
「御託はいい!さっさとあの気色悪い死神をどうにかしろ!!」
「御意」
(私を……私をグレルに元に運んで!)
そう言い残すと、ナマエの身体は影の中へズブズブと音を立てて消え去った。
「ああ……セバスちゃん……朝なんかこなければいいのに。そうしたらいつまでもこうして二人、殺(あい)し合っていられるのに」
斬りつけたグレルの腕を足で踏みつけ、デスサイズの動きを止めているセバスチャン。
「でも、アバンチュールはここまでよ」
スッとセバスチャンに顔を近づけたグレルは、そのまま頭突きを食らわせる。
「……ッ」
「情熱的なキッスでお別れヨ、セバスちゃん♡それでは幾千にも幾万にも、ごきげんよう」
セバスチャンが体勢を崩したことでデスサイズを使えるようになったグレルは、そのまま振り上げセバスチャンを袈裟斬りにした。
「さあ、ドラマティックな走馬灯を……」
切られたセバスチャンから出てきたシネマティックレコードは、日々の出来事を克明に語っていた。
「ちょっ……ちょっちょっ……ちょっと!!なんなのヨ、コイツらあああッ。ドラマ性のカケラもないっ」
「ここ一年程は《それ》ばかりの毎日でしたからねぇ……」
ゴホッと口から血を吐き出しながら、セバスチャンは何でもないかの様に言う。
「こんな凡人共に興味ないのよ!もっとオイシイトコ見せなさいよッ。美しくないッ!!」
「残念ですが、ここから先は有料です」
「チッ」
あくまでも顔面狙いで蹴りを入れるセバスチャン。
「嗚呼……また服がボロボロになってしまった……肩くらいなら繕えばまだ着られると思っていたんですが……これはもう駄目ですねぇ」
攻防を繰り返しながらも自分の世界に浸るグレルに、三人は鳥肌が立った。
「私と貴方が主演では、シェークスピアも嘆くでしょうね!ああ、セバスちゃん!どうして貴方はセバスちゃんなの?」
地を蹴り、セバスチャンとグレルは屋根へと飛び上がる。
「主人からもらったその忌まわしい名を棄てて、アタシだけを見てくれたなら!」
「貴方と演じる気は毛頭ありませんよ。演じるなら……私とナマエで、ですね。それにただ一言、主人が私を《セバスチャン》と呼んだ時から、その言葉こそ新しき洗礼にて契約」
着地するなり、グレルの顔面目掛けて蹴りを繰り出すセバスチャン。
「その日から私は《セバスチャン》ですよ。月に誓ってね」
「月に誓うなんて不誠実な男ね」
蹴りを避け、セバスチャンに続いて屋根に降りるグレル。
「アナタの瞳は、本当には何も愛していない穢れた瞳。無垢な魂を卑しい手と唇で汚す悪魔。いい……いいわ……ゾクゾクするワ、セバスちゃん!アナタの子供なら産める気がする!」
「やめて下さい、気持ち悪い。生物学上無理ですから。それに……私がナマエを愛している気持ちに偽りはないですよ」
「ああん♡冷たいのね!美しい暴君!天使のような悪魔!!鳩の羽をした烏!!!狼のように貪欲なアタシの仔羊、セバスちゃん!!」
デスサイズを振るうグレルの顔面を敢えて狙って攻撃するセバスチャン。
地上からその光景を眺めていると、シエルは苛立つように声を発した。
「お前も行け、ナマエ!」
「よろしいので?」
「何がだ!?」
「いえ、シエル様の護衛がいなくなりますので」
「……自分の身位自分で守れる!いいから行け!!」
「……しかし」
「御託はいい!さっさとあの気色悪い死神をどうにかしろ!!」
「御意」
(私を……私をグレルに元に運んで!)
そう言い残すと、ナマエの身体は影の中へズブズブと音を立てて消え去った。
「ああ……セバスちゃん……朝なんかこなければいいのに。そうしたらいつまでもこうして二人、殺(あい)し合っていられるのに」
斬りつけたグレルの腕を足で踏みつけ、デスサイズの動きを止めているセバスチャン。
「でも、アバンチュールはここまでよ」
スッとセバスチャンに顔を近づけたグレルは、そのまま頭突きを食らわせる。
「……ッ」
「情熱的なキッスでお別れヨ、セバスちゃん♡それでは幾千にも幾万にも、ごきげんよう」
セバスチャンが体勢を崩したことでデスサイズを使えるようになったグレルは、そのまま振り上げセバスチャンを袈裟斬りにした。
「さあ、ドラマティックな走馬灯を……」
切られたセバスチャンから出てきたシネマティックレコードは、日々の出来事を克明に語っていた。
「ちょっ……ちょっちょっ……ちょっと!!なんなのヨ、コイツらあああッ。ドラマ性のカケラもないっ」
「ここ一年程は《それ》ばかりの毎日でしたからねぇ……」
ゴホッと口から血を吐き出しながら、セバスチャンは何でもないかの様に言う。
「こんな凡人共に興味ないのよ!もっとオイシイトコ見せなさいよッ。美しくないッ!!」
「残念ですが、ここから先は有料です」
「チッ」
あくまでも顔面狙いで蹴りを入れるセバスチャン。
「嗚呼……また服がボロボロになってしまった……肩くらいなら繕えばまだ着られると思っていたんですが……これはもう駄目ですねぇ」