真紅と漆黒
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「あの子どこ行っちゃったのかしら?」
キョロキョロと辺りを見渡すエリザベス。そんな彼女に近づき、ナマエは声をかけた。
「お久しぶりにございます、エリザベス様」
「えっ……あなた……あの時の??」
「はい、ナマエでございます。その節は大変失礼な事を致しまして、申し訳ございませんでした」
その場には似つかわしくない、深々としたお辞儀。
「ねぇ、頭をあげて?あたしはあなたに感謝しているのよ??」
「え……?」
「《やって良い事と悪い事がある》、そう教えてくれたのはあなたよ?あたし、お母様にその話をしたらすっごく怒られたの。“シエルの婚約者として未熟だ!”って。その事に気付かせてくれたあなたには本当に感謝しているの」
「エリザベス……様?」
俯きながら言葉を紡いでいたエリザベスは顔を上げると、キラキラとした瞳でナマエを見上げた。
「だから、ね――あなたの事を“お姉様”って呼んでもいいかしら?」
「あの……私の様な身分の者には――」
「だーめ!あたしが決めたんだからそれでいいの♡だから、お姉様もあたしの事は“リジー”って呼んでちょうだい♡」
「えっと……リジー……様?」
「や~ん♡“様”は無しよ!お姉様♡」
ガッシリと抱きついてくるエリザベスに押し倒されないよう踏ん張りながら、ナマエはシエルの姿を探した。
漸く見つけたシエルは、セバスチャンと共にドルイット子爵に近づこうとしていた。
「そういえば……お姉様がいるって事は、シエルもここに来てるの??」
目を爛々と輝かせながら見上げてくるエリザベス。その顔に少しだけ罪悪感を感じながらナマエは答えた。
「いいえ。今日は私だけ来ているの。シエル様から“英国の礼儀作法を学んで来い”って言われちゃって……」
「そうだったの!?なら、あたしと一緒に楽しみましょう♡かわいードレスの人がいっぱいだし♡」
この年頃の少女は可愛いモノに憧れるのか。そんな事を思案していると、広間に音楽が流れた。
エリザベスはダンスフロアと化したその光景に見とれており、最早シエルの事など頭から消え去っていた。
「リジー、私用事があるからここで失礼するね」
「え~……」
明らかにシュンとするエリザベスの頭を優しく撫でながら、ナマエは笑顔で告げた。
「またすぐに会えるよ。私はシエル様の《家庭教師》だから」
「~……本当ね?約束よ??」
「うん。私は嘘は言わないよ。だから安心して?」
精一杯の笑顔で言うと、エリザベスは渋々了承した。
(さて、と……今度はアッチか)
エリザベスから離れて深く息を吐くと、広間の中からドルイット子爵を探すナマエ。
辺りをくまなく見回し、ターゲットであるドルイット子爵を見つけるなり後をつけた。
すると、ドルイット子爵はダンスを終えたシエルに向かって話しかけ始めた。
「本日は誰といらしたのかな、駒鳥さん?」
シエルの手を取り、その甲にキスを落とすドルイット子爵。
「ア、アンジェリーナ叔母様に連れて来て頂きましたの」
「マダム・レッドの?そうか……楽しんで頂けてるかな?」
「素敵なパーティーに感動しています……でも、私ずっと子爵とお話したかったの」
「ほう」
「ダンスもお食事も飽き飽き」
溜息を漏らすシエルを見て、ドルイット子爵はその口角を上げた。
「わがままなお嬢様だね、駒鳥」
「!」
ずっと対面で話していたかと思えば、ドルイット子爵はシエルの腰に手を這わせた。
「もっと楽しいことをご所望かい?」
(あんのド変態……!!本気で守備範囲バリ広かよ!)
耐えているシエルを見るに見かねて、ナマエは動いた。
「こんな所にいたの?探したじゃない」
「おや……?こちらのレディは――駒鳥のお知り合いかい?」
「え……えぇ」
「お初にお目にかかりますわ、ドルイット子爵。私、この子の姉ですの。妹が何かご迷惑をお掛けしませんでしたか?」
キョロキョロと辺りを見渡すエリザベス。そんな彼女に近づき、ナマエは声をかけた。
「お久しぶりにございます、エリザベス様」
「えっ……あなた……あの時の??」
「はい、ナマエでございます。その節は大変失礼な事を致しまして、申し訳ございませんでした」
その場には似つかわしくない、深々としたお辞儀。
「ねぇ、頭をあげて?あたしはあなたに感謝しているのよ??」
「え……?」
「《やって良い事と悪い事がある》、そう教えてくれたのはあなたよ?あたし、お母様にその話をしたらすっごく怒られたの。“シエルの婚約者として未熟だ!”って。その事に気付かせてくれたあなたには本当に感謝しているの」
「エリザベス……様?」
俯きながら言葉を紡いでいたエリザベスは顔を上げると、キラキラとした瞳でナマエを見上げた。
「だから、ね――あなたの事を“お姉様”って呼んでもいいかしら?」
「あの……私の様な身分の者には――」
「だーめ!あたしが決めたんだからそれでいいの♡だから、お姉様もあたしの事は“リジー”って呼んでちょうだい♡」
「えっと……リジー……様?」
「や~ん♡“様”は無しよ!お姉様♡」
ガッシリと抱きついてくるエリザベスに押し倒されないよう踏ん張りながら、ナマエはシエルの姿を探した。
漸く見つけたシエルは、セバスチャンと共にドルイット子爵に近づこうとしていた。
「そういえば……お姉様がいるって事は、シエルもここに来てるの??」
目を爛々と輝かせながら見上げてくるエリザベス。その顔に少しだけ罪悪感を感じながらナマエは答えた。
「いいえ。今日は私だけ来ているの。シエル様から“英国の礼儀作法を学んで来い”って言われちゃって……」
「そうだったの!?なら、あたしと一緒に楽しみましょう♡かわいードレスの人がいっぱいだし♡」
この年頃の少女は可愛いモノに憧れるのか。そんな事を思案していると、広間に音楽が流れた。
エリザベスはダンスフロアと化したその光景に見とれており、最早シエルの事など頭から消え去っていた。
「リジー、私用事があるからここで失礼するね」
「え~……」
明らかにシュンとするエリザベスの頭を優しく撫でながら、ナマエは笑顔で告げた。
「またすぐに会えるよ。私はシエル様の《家庭教師》だから」
「~……本当ね?約束よ??」
「うん。私は嘘は言わないよ。だから安心して?」
精一杯の笑顔で言うと、エリザベスは渋々了承した。
(さて、と……今度はアッチか)
エリザベスから離れて深く息を吐くと、広間の中からドルイット子爵を探すナマエ。
辺りをくまなく見回し、ターゲットであるドルイット子爵を見つけるなり後をつけた。
すると、ドルイット子爵はダンスを終えたシエルに向かって話しかけ始めた。
「本日は誰といらしたのかな、駒鳥さん?」
シエルの手を取り、その甲にキスを落とすドルイット子爵。
「ア、アンジェリーナ叔母様に連れて来て頂きましたの」
「マダム・レッドの?そうか……楽しんで頂けてるかな?」
「素敵なパーティーに感動しています……でも、私ずっと子爵とお話したかったの」
「ほう」
「ダンスもお食事も飽き飽き」
溜息を漏らすシエルを見て、ドルイット子爵はその口角を上げた。
「わがままなお嬢様だね、駒鳥」
「!」
ずっと対面で話していたかと思えば、ドルイット子爵はシエルの腰に手を這わせた。
「もっと楽しいことをご所望かい?」
(あんのド変態……!!本気で守備範囲バリ広かよ!)
耐えているシエルを見るに見かねて、ナマエは動いた。
「こんな所にいたの?探したじゃない」
「おや……?こちらのレディは――駒鳥のお知り合いかい?」
「え……えぇ」
「お初にお目にかかりますわ、ドルイット子爵。私、この子の姉ですの。妹が何かご迷惑をお掛けしませんでしたか?」