真紅と漆黒
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アンダーテイカーによって口に×マークのついたマスクを装着された劉とマダム・レッド。
「さて、残すは伯爵のみだよ。前回はチョットおまけしてあげたけど……今回はサービスしないよ」
「くそ……」
シエルがげんなりしていると、セバスチャンが前へ出た。
「仕方ありませんね」
手袋をきつく嵌め直したセバスチャン。
「へぇ……今回は執事君が何かしてくれるのかい?」
「みなさん、どうぞ外へ」
「セ……セバスチャン」
「絶対に中を覗いてはなりませんよ……特にナマエ、覗いたら――後で“お仕置き”です」
“お仕置き”という単語に嫌な予感がし、ナマエは黙ってコクコクと頷いた。
外に追い出されて暫く経った頃、店の中からなんとも言えない爆笑が聞こえてきて葬儀屋の看板が傾いた。
呆気にとられていると、店のドアが開いて笑顔のセバスチャンが現れた。
「どうぞお入り下さい。お話して頂ける様です」
店の中では机に突っ伏しながら笑っているアンダーテイカーがいた。
「さて……話の続きだね。ぐふっ……小生は理想郷を見たよ……なんでも教えてあげるよ……」
ぐへへと笑っているアンダーテイカーに引きながら、ナマエは事の成り行きを黙って見守った。
(犯人は判っている。この後どうなるのかも……)
「昔からねぇ、ちょくちょくいるんだよ。《足りない》お客さんがね。ぐふっ」
「……《足りない》?」
「そう、足りないのさ。臓器、がね」
人体模型を手に取りながら告げられた言葉に、ナマエ以外の全員が反応した。
「おや……君は驚かないんだねぇ」
「さほど珍しい事ではないと思いますので」
毅然とした態度でアンダーテイカーを見上げると、ニンマリと笑ったアンダーテイカーが話を続けた。
「お客さんには棺で眠る前にキレイになってもらわないとだろう?はみ出したものしまったりさ。その時にちょっとだけ検死(いじら)させてもらうのが小生の趣味でねぇ」
アンダーテイカーの言葉に、先程まで口をつけていたビーカーを見て固まる者が3人いた。
「皆腎臓が片方ないとか、そういうことかい?だとすると犯人は金融業とか……」
口を拭きながら考えを言葉にする劉。
「窟(あなぐら)に住む中国人は考えが物騒だねえ。そういうことじゃない。《それ》は娼婦……《女の子》じゃなきゃ持ってないもの。この子もないねぇ」
人体模型を元の位置に戻すと、アンダーテイカーはいきなりナマエを後ろから抱きしめた。
「子宮がね、ないんだよ」
言いながらツツツとナマエの下腹部に手を伸ばすアンダーテイカー。
ナマエはそんなアンダーテイカーの動きに慌てることなく、ペシリとその手を叩いた。
「初対面でいきなりソレはないでしょう?アンダーテイカーさん」
振り返りながらニッコリと笑みを浮かべながら言うと、アンダーテイカーは笑っていた。
「初対面じゃなきゃ、いいのかい?」
「状況によります」
「そぅかい……ぐふふ。」
「ナマエ、こっちに来い」
「仰せのままに、シエル様」
ひらりとアンダーテイカーの腕の中から出たナマエは、自身を呼んだ主人の元へと歩いた。
「最近急にそういう《お客》さんが増えてねぇ。しかもどんどん血化粧(メイク)は派手になる。小生も大忙しってワケ」
「いくら人通りが少ないとはいえ路上で……しかも真夜中となると、的確にその部位を切除するのは素人には難しいのでは?」
「鋭いね、執事君。小生もそう考えてるんだ」
テーブル上で腕を組みその上に顎を乗せていたアンダーテイカーだったが、言葉を紡ぎながらシエルへと向かって動き出した。
「そうだなぁ、まず……鋭いエモノで首をかき切り、次に腹(ココ)を切り裂いてたいせつなものを奪うのさ。《手際の良さ》……それから《ためらいのなさ》から考えて、まず素人じゃないね。多分《裏の人間》だ。伯爵が来るってわかってたのは、そういうことさ」
「さて、残すは伯爵のみだよ。前回はチョットおまけしてあげたけど……今回はサービスしないよ」
「くそ……」
シエルがげんなりしていると、セバスチャンが前へ出た。
「仕方ありませんね」
手袋をきつく嵌め直したセバスチャン。
「へぇ……今回は執事君が何かしてくれるのかい?」
「みなさん、どうぞ外へ」
「セ……セバスチャン」
「絶対に中を覗いてはなりませんよ……特にナマエ、覗いたら――後で“お仕置き”です」
“お仕置き”という単語に嫌な予感がし、ナマエは黙ってコクコクと頷いた。
外に追い出されて暫く経った頃、店の中からなんとも言えない爆笑が聞こえてきて葬儀屋の看板が傾いた。
呆気にとられていると、店のドアが開いて笑顔のセバスチャンが現れた。
「どうぞお入り下さい。お話して頂ける様です」
店の中では机に突っ伏しながら笑っているアンダーテイカーがいた。
「さて……話の続きだね。ぐふっ……小生は理想郷を見たよ……なんでも教えてあげるよ……」
ぐへへと笑っているアンダーテイカーに引きながら、ナマエは事の成り行きを黙って見守った。
(犯人は判っている。この後どうなるのかも……)
「昔からねぇ、ちょくちょくいるんだよ。《足りない》お客さんがね。ぐふっ」
「……《足りない》?」
「そう、足りないのさ。臓器、がね」
人体模型を手に取りながら告げられた言葉に、ナマエ以外の全員が反応した。
「おや……君は驚かないんだねぇ」
「さほど珍しい事ではないと思いますので」
毅然とした態度でアンダーテイカーを見上げると、ニンマリと笑ったアンダーテイカーが話を続けた。
「お客さんには棺で眠る前にキレイになってもらわないとだろう?はみ出したものしまったりさ。その時にちょっとだけ検死(いじら)させてもらうのが小生の趣味でねぇ」
アンダーテイカーの言葉に、先程まで口をつけていたビーカーを見て固まる者が3人いた。
「皆腎臓が片方ないとか、そういうことかい?だとすると犯人は金融業とか……」
口を拭きながら考えを言葉にする劉。
「窟(あなぐら)に住む中国人は考えが物騒だねえ。そういうことじゃない。《それ》は娼婦……《女の子》じゃなきゃ持ってないもの。この子もないねぇ」
人体模型を元の位置に戻すと、アンダーテイカーはいきなりナマエを後ろから抱きしめた。
「子宮がね、ないんだよ」
言いながらツツツとナマエの下腹部に手を伸ばすアンダーテイカー。
ナマエはそんなアンダーテイカーの動きに慌てることなく、ペシリとその手を叩いた。
「初対面でいきなりソレはないでしょう?アンダーテイカーさん」
振り返りながらニッコリと笑みを浮かべながら言うと、アンダーテイカーは笑っていた。
「初対面じゃなきゃ、いいのかい?」
「状況によります」
「そぅかい……ぐふふ。」
「ナマエ、こっちに来い」
「仰せのままに、シエル様」
ひらりとアンダーテイカーの腕の中から出たナマエは、自身を呼んだ主人の元へと歩いた。
「最近急にそういう《お客》さんが増えてねぇ。しかもどんどん血化粧(メイク)は派手になる。小生も大忙しってワケ」
「いくら人通りが少ないとはいえ路上で……しかも真夜中となると、的確にその部位を切除するのは素人には難しいのでは?」
「鋭いね、執事君。小生もそう考えてるんだ」
テーブル上で腕を組みその上に顎を乗せていたアンダーテイカーだったが、言葉を紡ぎながらシエルへと向かって動き出した。
「そうだなぁ、まず……鋭いエモノで首をかき切り、次に腹(ココ)を切り裂いてたいせつなものを奪うのさ。《手際の良さ》……それから《ためらいのなさ》から考えて、まず素人じゃないね。多分《裏の人間》だ。伯爵が来るってわかってたのは、そういうことさ」