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ナマエはどうしていいのか判らず、不安気に自身の身体を抱きしめた。
それに気付いたセバスチャンは、ナマエにも付いて来るよう動作で促した。
やがて1つの重厚な扉の前へと辿り着いた。
『この度のご苦労に見合うもてなしを主人から申しつかっております。お気に召して頂ければ幸いです』
そう言いながら扉を開いたセバスチャン。
『どうぞおくつろぎ下さい』
扉の向こうには見事な石庭が広がっていた。
『おお……!Prodigioso(スバラシイ)!』
『日本に伝わるストーン・ガーデンと申します。お茶のご用意が出来ております。どうぞあちらへ』
セバスチャンの案内に従い、クラウスは席に着いた。
『ジャッジョーロ(あやめ)が実に美しいな。枯れ木と花……“ワビサビ”というヤツか』
テーブルの周り見事な石庭。そしてこれまた見事に咲き誇っている菖蒲があった。
呆然とその光景を見ていると、スッと陰が差した。
『レディ、すぐに椅子をご用意致します』
セバスチャンに言われている内容を理解する暇もなく、いつの間にかクラウスの近くに用意されていた椅子にナマエはエスコートされた。
『失礼します』
『お茶までジャッポーネ(日本)風か。凝り性だな、君も』
『勿体ないお言葉、恐縮です』
『こりゃ夕食も期待できそうだ。はっはっは』
クラウスとナマエに振る舞われたお茶からは、不安感を拭い去るような香が漂っていた。
シエルはそんな様子を無言でニヤつきながら眺めていた。
ナマエがお茶を食い入る様に見つめていると、セバスチャンが耳元で囁いた。
『毒は入っていませんのでご安心下さい、レディ』
『毒……?』
唯一理解できた単語を繰り返すナマエ。不安そうにセバスチャンを窺い見ると、セバスチャンはニッコリと綺麗な笑みを浮かべた。
『あぁ、この国の言葉があまりお得意ではないのでしたね……』
少し困った様に笑うセバスチャンは、何かを考えていた。
『ところでクラウス、例の品だが』
『ああ、約束通り持って来た。君が欲しがっていた《ゲーム》だ。イタリアでは未発表でね。手に入れるのに苦労したよ』
クラウスが差し出したのは、1つのゲームソフトの様なパッケージ。
『ふん、苦労ね。デンワ(朝)からやたら強調するな』
『そりゃそうさ。王子様は従者に苦労に見合う《ご褒美》をくれるものだろう?』
『《ご褒美》に見合うゲームならいいがな。この間《クリアした》のはさして面白くもないエンディングだった』
ギィギィと音を出しながら椅子を揺らすシエルを遠目に見ながら、ナマエは思った。
(貴族のハズなのに、行儀が悪すぎる……)
『やれやれ。子供(きみ)の手にかかればゲームなどひとたまりもないな。どうせまた、すぐに次をよこせと言うんだろう?』
『そう。子供(ぼく)は享楽(ゲーム)に貪欲だ』
なんとも言いがたい空気に包まれてきた所で、クラウスは溜息を吐いた。
『そんな君だからその若さ(12歳)にしてファントムハイヴをこの国一の玩具メーカーに成長させたんだろうがね。まったく、末恐ろしいよ』
黙ってシエルとクラウスの会話を聞き流していたナマエだが、ここまで来て漸く自身の変化に気付いた。
(会話の内容が……明瞭になってきてる??)
「お話中失礼致します」
ナマエが考え込んでいると、セバスチャンの声が会話に割り込んだ。
「晩餐の準備が整いましたのでお持ち致しました。本日のメニューは当家の料理長(シェフ)バルドロイによる牛たたき丼でございます」
セバスチャンの言葉に、クラウスどころかシエルまでもがキョトンとしていた。
「これが晩餐……かね?」
「はい」
それに気付いたセバスチャンは、ナマエにも付いて来るよう動作で促した。
やがて1つの重厚な扉の前へと辿り着いた。
『この度のご苦労に見合うもてなしを主人から申しつかっております。お気に召して頂ければ幸いです』
そう言いながら扉を開いたセバスチャン。
『どうぞおくつろぎ下さい』
扉の向こうには見事な石庭が広がっていた。
『おお……!Prodigioso(スバラシイ)!』
『日本に伝わるストーン・ガーデンと申します。お茶のご用意が出来ております。どうぞあちらへ』
セバスチャンの案内に従い、クラウスは席に着いた。
『ジャッジョーロ(あやめ)が実に美しいな。枯れ木と花……“ワビサビ”というヤツか』
テーブルの周り見事な石庭。そしてこれまた見事に咲き誇っている菖蒲があった。
呆然とその光景を見ていると、スッと陰が差した。
『レディ、すぐに椅子をご用意致します』
セバスチャンに言われている内容を理解する暇もなく、いつの間にかクラウスの近くに用意されていた椅子にナマエはエスコートされた。
『失礼します』
『お茶までジャッポーネ(日本)風か。凝り性だな、君も』
『勿体ないお言葉、恐縮です』
『こりゃ夕食も期待できそうだ。はっはっは』
クラウスとナマエに振る舞われたお茶からは、不安感を拭い去るような香が漂っていた。
シエルはそんな様子を無言でニヤつきながら眺めていた。
ナマエがお茶を食い入る様に見つめていると、セバスチャンが耳元で囁いた。
『毒は入っていませんのでご安心下さい、レディ』
『毒……?』
唯一理解できた単語を繰り返すナマエ。不安そうにセバスチャンを窺い見ると、セバスチャンはニッコリと綺麗な笑みを浮かべた。
『あぁ、この国の言葉があまりお得意ではないのでしたね……』
少し困った様に笑うセバスチャンは、何かを考えていた。
『ところでクラウス、例の品だが』
『ああ、約束通り持って来た。君が欲しがっていた《ゲーム》だ。イタリアでは未発表でね。手に入れるのに苦労したよ』
クラウスが差し出したのは、1つのゲームソフトの様なパッケージ。
『ふん、苦労ね。デンワ(朝)からやたら強調するな』
『そりゃそうさ。王子様は従者に苦労に見合う《ご褒美》をくれるものだろう?』
『《ご褒美》に見合うゲームならいいがな。この間《クリアした》のはさして面白くもないエンディングだった』
ギィギィと音を出しながら椅子を揺らすシエルを遠目に見ながら、ナマエは思った。
(貴族のハズなのに、行儀が悪すぎる……)
『やれやれ。子供(きみ)の手にかかればゲームなどひとたまりもないな。どうせまた、すぐに次をよこせと言うんだろう?』
『そう。子供(ぼく)は享楽(ゲーム)に貪欲だ』
なんとも言いがたい空気に包まれてきた所で、クラウスは溜息を吐いた。
『そんな君だからその若さ(12歳)にしてファントムハイヴをこの国一の玩具メーカーに成長させたんだろうがね。まったく、末恐ろしいよ』
黙ってシエルとクラウスの会話を聞き流していたナマエだが、ここまで来て漸く自身の変化に気付いた。
(会話の内容が……明瞭になってきてる??)
「お話中失礼致します」
ナマエが考え込んでいると、セバスチャンの声が会話に割り込んだ。
「晩餐の準備が整いましたのでお持ち致しました。本日のメニューは当家の料理長(シェフ)バルドロイによる牛たたき丼でございます」
セバスチャンの言葉に、クラウスどころかシエルまでもがキョトンとしていた。
「これが晩餐……かね?」
「はい」