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「嫌です。貴女に合わせていたら逃げられますし……何より夕食に間に合わなくなります」
「そこ!?大事なのはそこなの?!」
「おや……日本語以外でもくだけた話し方が出来る様になったようですね」
「今の問題はそこじゃないでしょ!?」
腕の中で煩くするナマエに向かって、セバスチャンはニコリと笑顔を向けた。
「いい加減に黙りませんと、舌を噛みますよ?それとも――私が黙らせて差し上げましょうか」
舌舐りをしたセバスチャンに寒気を覚えナマエはフルフルと首を横に振った。
「おや……それは残念です」
(残念って何?!ねぇ、何なの?!)
「ああ……見えてきましたね。少しスピードを上げますよ。しっかり掴まっていて下さいね?」
前方に見える車を見据えながら、セバスチャンはグンと速度を上げた。
追いつくと、セバスチャンはナマエを降ろし車へツカツカと歩み寄っていく。
車はセバスチャンの驚異的なスピードでの追撃にてボコボコになっており、今はかろうじて崖の先端に引っ掛かっているだけの状態だった。
車の助手席で携帯電話を利用していた男からソレを借り受けると、セバスチャンはいつもの調子で声を出した。
「もしもし?」
語りかけるも返答がない様子。
「もしもし?私ファントムハイヴ家の者ですが、そちらに当家の主人がお邪魔しておりませんか?」
相も変わらず、セバスチャンの声に電話の向こうの主は返答しない。
「もしもし?どうなさいました?」
[わんっ]
「……かしこまりました。直ぐにお迎えに上がります。少々お待ち下さいませ」
電話口から何かを聞き取ったセバスチャンは満足気に微笑んだ。
携帯電話をパチンと音を立てながら閉じると、そのまま持ち主へと返却しようとしていた。
「お電話(コレ)、貸して頂いてありがとうございました。ついでに二三お聞きしたい事があるのですが、よろしいですか?」
セバスチャンの声に、車に乗っている二人はガクガクと震えているのみ。
「まず貴方がたの飼い主のお名前を。さあ、私はあまり気が長い方ではありません。“ハンプティダンプティ”には、なりたくないでしょう?」
「っ……」
帽子を被った男は、セバスチャンの言葉に恐怖で竦んでいた。
「フェッロファミリー、アズーロ=ヴェネルだ!!イーストエンド北にアジトをかまえてる!」
「そうですか」
ニコリと笑顔を浮かべながら、セバスチャンは答えた男の胸ポケットに携帯電話を差し入れた。
「俺達は、や……やや雇われただけでっ……」
「おや、そうなんですか?ではお引き止めして申し訳ありませんでした。どうぞ、いってらっしゃいませ」
恭しく礼をすると、セバスチャンは自身の体重でバランスを保っていた車からストンと降りる。
その事で車は崖下へと真っ逆さまに落ちていき、やがて爆発した。
「フェッロファミリー……いけない、もうこんな時間だ……急がねば夕食に遅れてしまいますね」
懐中時計で時刻を確認しながら、セバスチャンは平然としていた。
「さて急ぎますよ、ナマエさん」
言うが早いか、セバスチャンはナマエを抱きかかえるとまた疾走した。
「そこ!?大事なのはそこなの?!」
「おや……日本語以外でもくだけた話し方が出来る様になったようですね」
「今の問題はそこじゃないでしょ!?」
腕の中で煩くするナマエに向かって、セバスチャンはニコリと笑顔を向けた。
「いい加減に黙りませんと、舌を噛みますよ?それとも――私が黙らせて差し上げましょうか」
舌舐りをしたセバスチャンに寒気を覚えナマエはフルフルと首を横に振った。
「おや……それは残念です」
(残念って何?!ねぇ、何なの?!)
「ああ……見えてきましたね。少しスピードを上げますよ。しっかり掴まっていて下さいね?」
前方に見える車を見据えながら、セバスチャンはグンと速度を上げた。
追いつくと、セバスチャンはナマエを降ろし車へツカツカと歩み寄っていく。
車はセバスチャンの驚異的なスピードでの追撃にてボコボコになっており、今はかろうじて崖の先端に引っ掛かっているだけの状態だった。
車の助手席で携帯電話を利用していた男からソレを借り受けると、セバスチャンはいつもの調子で声を出した。
「もしもし?」
語りかけるも返答がない様子。
「もしもし?私ファントムハイヴ家の者ですが、そちらに当家の主人がお邪魔しておりませんか?」
相も変わらず、セバスチャンの声に電話の向こうの主は返答しない。
「もしもし?どうなさいました?」
[わんっ]
「……かしこまりました。直ぐにお迎えに上がります。少々お待ち下さいませ」
電話口から何かを聞き取ったセバスチャンは満足気に微笑んだ。
携帯電話をパチンと音を立てながら閉じると、そのまま持ち主へと返却しようとしていた。
「お電話(コレ)、貸して頂いてありがとうございました。ついでに二三お聞きしたい事があるのですが、よろしいですか?」
セバスチャンの声に、車に乗っている二人はガクガクと震えているのみ。
「まず貴方がたの飼い主のお名前を。さあ、私はあまり気が長い方ではありません。“ハンプティダンプティ”には、なりたくないでしょう?」
「っ……」
帽子を被った男は、セバスチャンの言葉に恐怖で竦んでいた。
「フェッロファミリー、アズーロ=ヴェネルだ!!イーストエンド北にアジトをかまえてる!」
「そうですか」
ニコリと笑顔を浮かべながら、セバスチャンは答えた男の胸ポケットに携帯電話を差し入れた。
「俺達は、や……やや雇われただけでっ……」
「おや、そうなんですか?ではお引き止めして申し訳ありませんでした。どうぞ、いってらっしゃいませ」
恭しく礼をすると、セバスチャンは自身の体重でバランスを保っていた車からストンと降りる。
その事で車は崖下へと真っ逆さまに落ちていき、やがて爆発した。
「フェッロファミリー……いけない、もうこんな時間だ……急がねば夕食に遅れてしまいますね」
懐中時計で時刻を確認しながら、セバスチャンは平然としていた。
「さて急ぎますよ、ナマエさん」
言うが早いか、セバスチャンはナマエを抱きかかえるとまた疾走した。