奇劇
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「みっともなく泣くな。泣いたって変わらない。いつだって世界は誰にも優しくない」
「セイレーン……スマイル……」
「私はナマエ。“セイレーン”じゃない」
「僕の名前はシエル・ファントムハイヴ。その一つだけだ」
そう言い切る2人とは別に、セバスチャンは何かに気づいた。
その直後、扉が開く音がし1つの檻が現れた。
「追加おまちどうさま。あれ?」
「貴方は……」
「ブラックにスマイル、それにセイレーン。ああそうか。ジョーカーが言ってたことは本当だったワケか」
扉の向こうから檻とともに車椅子で現れた先生は、おもむろに立ち上がった。
「お金でどうにもならない分、警察よりタチが悪いと噂の女王の番犬君」
「先生…あんた足……歩けて……」
先生は立ち上がると、普通に歩きながらシエル達に近づいてきた。
「足?ああ、僕本当はなんでもないんだ。君達みたいな子は《ああして》た方が警戒されないから座ってただけ――あ、ケルヴィン男爵!?」
先生は血塗れで倒れているケルヴィン男爵に気づくと、走り寄った。
「あ~、こりゃもーダメだな。酷いじゃないか。やっと僕の理想を理解してくれるパトロンに出会えたってのに」
「理想?」
「そう。僕は昔から完璧な義肢を求めて開発し続けてきた。そして研究の末に、最上の素材を造り出す事に成功したんだ!木よりも軽くて丈夫。そして陶器特有の無機質な美しさ……今まで誰も造れなかったものを僕は造り出した。ただ素材を集めるのが難しいシロモノでね」
「確かに貴方お手製の義肢はとろける様な手触りでしたね。まるでボーンチャイナの様な……」
「わかるかいブラック、この美しさが!!だけど実におしい!家畜(牛)の骨なんかを混ぜて作るボーンチャイナと一緒にしないでくれるかな」
「そう言えば仰られていましたね。特別な素材を使われていると」
「そうそう。ココでしか手に入らないんだ」
「まさ――か」
ようやく気付いたのか、シエルの顔色が一気に悪くなった。
「どこかに捨てる手間もいらなくなるし、最高のリサイクルだと思わないか?」
「まさか――まさか……っ」
先生の言葉とその場の惨状に、ジョーカーは思考を巡らせて気付いてしまった。
「おええっ。っえ゛」
胃液を吐き出すジョーカー。
「お……俺らはなんてモン……をッ」
ゲホッっと咳き込みながら、ジョーカーは自身の義手を見て絶望した。
「ほらまたそーやって拒絶する。真実を知らなきゃ、皆素晴らしいって誉めそやすクセに。でも男爵は違った。美を求めるモチベーションが高いし、材料と費用を湯水のごとく提供してくれた最高のパトロンだったよ」
檻の扉を開け、先生は1人の少女を引き摺りだした。
「最高の作品を作るのに、最高の材料が必要なのは当たり前だと思わないか?犠牲ナシに成功などありえないってのに、世間のバカ共ときたら」
先生はそのまま少女を引き摺りながら、中央の祭壇へと向かった。
「牛の骨なら良くて、人間の骨ならダメ?」
「あっ……あ――あっ……」
先生の言動に、シエルの顔色は一気に青ざめた。
「誰が決めたんだい、そんなこと!?」
先生が祭壇へ乗せた子供にナイフを振り下ろした時だった。
「うわあああ゛あああああ゛あ」
幼き主:シエルは叫びながら胃の中の物を全て吐き出し始めた。
「鵺!こいつらを拘束しろ!!」
[殺さなくとも良いので?]
「今はとにかく拘束しとけ!その後の判断を下すのは――シエルだ」
[かしこまりました]
ナマエの影が大きく蠢くと、その中から濡鴉の様な長い漆黒の髪を靡かせながら男が出てきた。
「「なっ……!?」」
鵺が指を鳴らすと、2人の身体を影から出てきた無数の真っ黒な手。その場に張り付けるように掴み、ピクリとも動けなくなった。
「な……何をしたんや、セイレーン!?」
「私はナマエ。セイレーンじゃない。何回言えば理解出来るのかなぁ……」
「セイレーン……スマイル……」
「私はナマエ。“セイレーン”じゃない」
「僕の名前はシエル・ファントムハイヴ。その一つだけだ」
そう言い切る2人とは別に、セバスチャンは何かに気づいた。
その直後、扉が開く音がし1つの檻が現れた。
「追加おまちどうさま。あれ?」
「貴方は……」
「ブラックにスマイル、それにセイレーン。ああそうか。ジョーカーが言ってたことは本当だったワケか」
扉の向こうから檻とともに車椅子で現れた先生は、おもむろに立ち上がった。
「お金でどうにもならない分、警察よりタチが悪いと噂の女王の番犬君」
「先生…あんた足……歩けて……」
先生は立ち上がると、普通に歩きながらシエル達に近づいてきた。
「足?ああ、僕本当はなんでもないんだ。君達みたいな子は《ああして》た方が警戒されないから座ってただけ――あ、ケルヴィン男爵!?」
先生は血塗れで倒れているケルヴィン男爵に気づくと、走り寄った。
「あ~、こりゃもーダメだな。酷いじゃないか。やっと僕の理想を理解してくれるパトロンに出会えたってのに」
「理想?」
「そう。僕は昔から完璧な義肢を求めて開発し続けてきた。そして研究の末に、最上の素材を造り出す事に成功したんだ!木よりも軽くて丈夫。そして陶器特有の無機質な美しさ……今まで誰も造れなかったものを僕は造り出した。ただ素材を集めるのが難しいシロモノでね」
「確かに貴方お手製の義肢はとろける様な手触りでしたね。まるでボーンチャイナの様な……」
「わかるかいブラック、この美しさが!!だけど実におしい!家畜(牛)の骨なんかを混ぜて作るボーンチャイナと一緒にしないでくれるかな」
「そう言えば仰られていましたね。特別な素材を使われていると」
「そうそう。ココでしか手に入らないんだ」
「まさ――か」
ようやく気付いたのか、シエルの顔色が一気に悪くなった。
「どこかに捨てる手間もいらなくなるし、最高のリサイクルだと思わないか?」
「まさか――まさか……っ」
先生の言葉とその場の惨状に、ジョーカーは思考を巡らせて気付いてしまった。
「おええっ。っえ゛」
胃液を吐き出すジョーカー。
「お……俺らはなんてモン……をッ」
ゲホッっと咳き込みながら、ジョーカーは自身の義手を見て絶望した。
「ほらまたそーやって拒絶する。真実を知らなきゃ、皆素晴らしいって誉めそやすクセに。でも男爵は違った。美を求めるモチベーションが高いし、材料と費用を湯水のごとく提供してくれた最高のパトロンだったよ」
檻の扉を開け、先生は1人の少女を引き摺りだした。
「最高の作品を作るのに、最高の材料が必要なのは当たり前だと思わないか?犠牲ナシに成功などありえないってのに、世間のバカ共ときたら」
先生はそのまま少女を引き摺りながら、中央の祭壇へと向かった。
「牛の骨なら良くて、人間の骨ならダメ?」
「あっ……あ――あっ……」
先生の言動に、シエルの顔色は一気に青ざめた。
「誰が決めたんだい、そんなこと!?」
先生が祭壇へ乗せた子供にナイフを振り下ろした時だった。
「うわあああ゛あああああ゛あ」
幼き主:シエルは叫びながら胃の中の物を全て吐き出し始めた。
「鵺!こいつらを拘束しろ!!」
[殺さなくとも良いので?]
「今はとにかく拘束しとけ!その後の判断を下すのは――シエルだ」
[かしこまりました]
ナマエの影が大きく蠢くと、その中から濡鴉の様な長い漆黒の髪を靡かせながら男が出てきた。
「「なっ……!?」」
鵺が指を鳴らすと、2人の身体を影から出てきた無数の真っ黒な手。その場に張り付けるように掴み、ピクリとも動けなくなった。
「な……何をしたんや、セイレーン!?」
「私はナマエ。セイレーンじゃない。何回言えば理解出来るのかなぁ……」