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最後に聞いたのは、自身の死を告げる言葉だった。
ガタガタと揺れる振動に薄っすらとその重い瞼を上げると、見た事もない景色が広がっていた。
『起きたかい?お嬢さん』
隣から不意にかけられた声に顔を向けると、どこかで見た事のある男が心配そうにこちらを伺っていた。
『あんな森の中で倒れていたが……どこか具合でも悪いのかい?』
聞き慣れない言語で話す男。かろうじて英語である事だけは認識できたが、言っている言葉の内容が理解出来ない。
(閻魔大王って、こんな外国人染みた顔して英語で話すのか??)
そんな事を思いながら首を傾げていると、乗っていた車が止まった。
先に車から降りた男に手を差し出され、促されるまま車から降りた。
『やれやれ。本国は遠いな、まったく』
独りごちる男に手を引かれながら、大きな屋敷を目指し歩を進める。
屋敷の玄関口まで来ると、一人の少年が外階段で本を読んでいた。
『ここに来るのも久しぶりだ』
男の声に少年が本から視線をあげてこちらを見た。
『来たか、クラウス』
『ボナセーラ、シエル!』
男はそこで漸く繋いでいた手を離し、シエルと呼んだ隻眼の少年を抱きしめた。
(シエル……?どこかで聞いた事がある名前だな……どこだったっけ?)
『元気にしていたか?少し背が伸びたかな?』
『残念ながら変わってない』
『それは失礼!相変わらずで何よりだ』
『貴殿も相変わらずだな』
玄関の扉を開けたシエルに続き、クラウスも屋敷の中へ入ろうとしてふと足を止めた。
『そうそう、君の敷地内の森でレディが倒れていたから連れて来たんだが……』
豪邸と言っても過言でもない屋敷を見上げていると、クラウスが階段を降りてきて腰を抱いてきた。
『見た事がない服装をしているが、君の客人かな?』
『いや。今日の客人は貴殿のみだ』
訝しげな視線を一身に浴びて自身の服装をに目をやると、死亡宣告される直前に着た手術着だった。
『そうか……どうやら私は厄介事を持って来てしまったのかもしれないな……』
『厄介事?』
『あぁ。このお嬢さん、私の言葉に首を傾げるばかりでね……』
『ほぅ……レディ、貴女のお名前は?』
シエルから視線を逸らしながら、聞き取れた単語から質問されているであろう内容を組み立て小さな声で呟いた。
『ナマエ・ミョウジ』
『ふむ……発音・外見からみて東洋人の様だな。それも、この国の言葉がよく解っていない』
『どうするかね?』
『……このまま追い出してもファントムハイヴ家の名に傷が付きそうだしな……とりあえずは屋敷に入れるとしよう』
隠そうともせずに溜息を吐いたシエルに促され、ナマエはクラウスに腰を抱かれたまま屋敷へと一歩踏み入れた。
『『『いらっしゃいませ、クラウス様』』』
玄関に入ってすぐ、恭しく礼をする5人の姿が目に入った。
(この光景……この顔……やっぱりどこかで見た事がある)
漠然とした思いが、ナマエの中で確信へと変わった。
(これは……【黒執事】の世界……でも、どうして??)
『おお……これは……あの屋敷を綺麗にしたものだ』
屋敷を見回し感嘆しているクラウスに、全身黒尽くめの男が近づいた。
『お待ちしておりました。クラウス様』
『お荷物、お預かりしまーす』
(セバスチャンにフィニ……本当に【黒執事】の世界だ……)
『セバスチャン、久しぶりだ!どうやらこの家にも新顔が増えたようだな』
嬉しそうにセバスチャンと話すクラウスは、フィニアンに帽子も頼むと言いながら渡すとナマエに視線を送った。
ナマエには先程から使用人達からの訝しげな視線が送られていた。
『あぁ、この娘はレディ・ナマエ。敷地内の森で拾って来たんだ』
『そうでしたか……主人と積もる話もおありでしょう。すぐに晩餐の用意を致しますので、どうぞ中庭へ』
『中庭?』
キョトンとしたままクラウスはセバスチャンの案内に従い歩き出した。
ガタガタと揺れる振動に薄っすらとその重い瞼を上げると、見た事もない景色が広がっていた。
『起きたかい?お嬢さん』
隣から不意にかけられた声に顔を向けると、どこかで見た事のある男が心配そうにこちらを伺っていた。
『あんな森の中で倒れていたが……どこか具合でも悪いのかい?』
聞き慣れない言語で話す男。かろうじて英語である事だけは認識できたが、言っている言葉の内容が理解出来ない。
(閻魔大王って、こんな外国人染みた顔して英語で話すのか??)
そんな事を思いながら首を傾げていると、乗っていた車が止まった。
先に車から降りた男に手を差し出され、促されるまま車から降りた。
『やれやれ。本国は遠いな、まったく』
独りごちる男に手を引かれながら、大きな屋敷を目指し歩を進める。
屋敷の玄関口まで来ると、一人の少年が外階段で本を読んでいた。
『ここに来るのも久しぶりだ』
男の声に少年が本から視線をあげてこちらを見た。
『来たか、クラウス』
『ボナセーラ、シエル!』
男はそこで漸く繋いでいた手を離し、シエルと呼んだ隻眼の少年を抱きしめた。
(シエル……?どこかで聞いた事がある名前だな……どこだったっけ?)
『元気にしていたか?少し背が伸びたかな?』
『残念ながら変わってない』
『それは失礼!相変わらずで何よりだ』
『貴殿も相変わらずだな』
玄関の扉を開けたシエルに続き、クラウスも屋敷の中へ入ろうとしてふと足を止めた。
『そうそう、君の敷地内の森でレディが倒れていたから連れて来たんだが……』
豪邸と言っても過言でもない屋敷を見上げていると、クラウスが階段を降りてきて腰を抱いてきた。
『見た事がない服装をしているが、君の客人かな?』
『いや。今日の客人は貴殿のみだ』
訝しげな視線を一身に浴びて自身の服装をに目をやると、死亡宣告される直前に着た手術着だった。
『そうか……どうやら私は厄介事を持って来てしまったのかもしれないな……』
『厄介事?』
『あぁ。このお嬢さん、私の言葉に首を傾げるばかりでね……』
『ほぅ……レディ、貴女のお名前は?』
シエルから視線を逸らしながら、聞き取れた単語から質問されているであろう内容を組み立て小さな声で呟いた。
『ナマエ・ミョウジ』
『ふむ……発音・外見からみて東洋人の様だな。それも、この国の言葉がよく解っていない』
『どうするかね?』
『……このまま追い出してもファントムハイヴ家の名に傷が付きそうだしな……とりあえずは屋敷に入れるとしよう』
隠そうともせずに溜息を吐いたシエルに促され、ナマエはクラウスに腰を抱かれたまま屋敷へと一歩踏み入れた。
『『『いらっしゃいませ、クラウス様』』』
玄関に入ってすぐ、恭しく礼をする5人の姿が目に入った。
(この光景……この顔……やっぱりどこかで見た事がある)
漠然とした思いが、ナマエの中で確信へと変わった。
(これは……【黒執事】の世界……でも、どうして??)
『おお……これは……あの屋敷を綺麗にしたものだ』
屋敷を見回し感嘆しているクラウスに、全身黒尽くめの男が近づいた。
『お待ちしておりました。クラウス様』
『お荷物、お預かりしまーす』
(セバスチャンにフィニ……本当に【黒執事】の世界だ……)
『セバスチャン、久しぶりだ!どうやらこの家にも新顔が増えたようだな』
嬉しそうにセバスチャンと話すクラウスは、フィニアンに帽子も頼むと言いながら渡すとナマエに視線を送った。
ナマエには先程から使用人達からの訝しげな視線が送られていた。
『あぁ、この娘はレディ・ナマエ。敷地内の森で拾って来たんだ』
『そうでしたか……主人と積もる話もおありでしょう。すぐに晩餐の用意を致しますので、どうぞ中庭へ』
『中庭?』
キョトンとしたままクラウスはセバスチャンの案内に従い歩き出した。
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