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撫でる風

あれから一ヶ月、涼は奇妙な事件に巻き込まれていた。
突然の迷惑メール。普通なら無視して終わるのだが、コレはそうもいかなかった。ただの迷惑メールだと思っていたのが、涼を巻き込んで事件へと発達していったのだから――

「冬夜、紹介したい奴等がいるんだ」
今まで涼がそんな事を言った事はなかった。それだけにかなり驚いた表情になってしまった。
「明日……雨降るな。いや――雪かも」
「嫌味言うなよ……」
涼が拗ねると、冬夜は笑いながら、嬉しそうに言った。
「で、どんな奴等よ?」
「そうだな……子ザルと犬ってとこだな」
「へ~……そりゃ楽しみだ」
二人は笑い合った。そして、そんな二人の体を、暖かな優しい風が撫でていった。今年は、お前に会いに行けそうだ、涼は心の中でそう呟いた。
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