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第二章 試練の刻

「涼さんはアソコに残るってきかなくて……」
「「嘘」だね」
「え……?」
「綾芽ちゃん、忘れたの?例え目を合わせなくても、私と凛香ちゃんにはそういうのは通じないわよ」
「あ……」
忘れていた。閑那と凛香の『人の考えを読み取るチカラ』の存在を。
「どうせ――涼が持ちかけたんでしょ?綾芽ちゃんにこんな変な芝居までうたせて」
「ソコに居るのは判ってるんだから、出てきたら?」
「チッ……ド下手」
「な……元はといえば涼さんがやらせたんじゃないですか!!」
「お前だって楽しんでたじゃねえかよ!」
「楽しんでない!」
「あら……私には二人とも楽しんでる様に見えたわよ?」
「ほらな」
「けど、あの涙は本物だったよね。綾芽さん」
「あ……アレは――」
「隠したって無駄だよ。『聞こえてた』から」
「そっか……」
「うん」
「何にせよ、二人が無事に戻って来れて良かったわ」
「で……これからどうするんだ?」
「そうね……貴方達三人に、チカラの『遣い方』を身に付けてもらうわ」
「チカラの『遣い方』――ですか?」
「えぇ。貴方達はまだ制御が出来てないから、まずはそこからね」
「ふ~ん……」
「今日は疲れてるでしょうから、3人とももう帰りなさい。明日から始めましょう?」
「あぁ……」
「ふぁ~――やっと寝れる……」
「今日のご飯は何かなぁ~……」
「じゃあ、気をつけて帰りなさいよ」
「は~い」
「ガキじゃあるまいし……」
「じゃあ、お疲れ様でした」
3人が帰り、その姿が見えなくなるのを確認すると、閑那はソファーに倒れこんでしまった。
「まったく……アンタを長時間押し込めるのは、さすがに疲れるわね――この分だと、急がないと危険ね……」
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