北極グマ
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「僕等の行く保護区でも、熊の減少は激しい。この辺りだね」
陵刀が地図を指し示しながら、向かっている保護区の場所を教える。
「北極グマは冬に氷上でアザラシ等を補食し、脂肪を蓄えてから、氷が無くなる夏に陸地に上がる動物でね。氷の無い夏には基本的に狩りをしないんだ。だが近年……地球温暖化の影響で以前に比べ、約3週間も早く氷が溶けるようになってしまってね……多くの北極グマが生息地である氷山を失い、餌不足による栄養失調から命を落としているんだ。“半世紀後には北極グマは絶滅する”と言われる程にね……ま、そうならない為に僕等もこうして出向いてるワケだけど――」
「だけど?」
「やっぱ北極グマ目当ての密猟者もワンサカいんだよねー。こないだアラスカで珍種の白クマ見つかったから、よけー必死で手当たり次第殺してくれてさー。もー車とかヘリが何処からともなくやって来て、銃弾ガンガンブッ放してくれてさー」
「「「……」」」
「去年僕と仕事に来た人なんか、運悪く密猟者の弾が当たっちゃって瀕死の重傷でさ、結局辞めちゃったんだ。やっぱあそこは熊も怖いけどヒトも怖い――……ちょっとは現実が解った?」
「……結局、一番怖いのは人間の“欲”なんだよ」
「名前ちゃん?」
吐き捨てる様に呟いた名前の言葉に反応した陵刀だったが、名前はそれ以上何も言わずに俯いてしまった。
「ま、大丈夫だよ♡僕等にはこの吹き矢があるし!人でも熊でも一発だって!」
「ふ……吹き矢……ですか……」
「冗談冗談、ちゃんと麻酔銃も持ってくよ、心配無いって!でも先に撃たれたらどっちみち死ぬけどね、アハハハハー」
1人楽観的に笑っている陵刀をよそに、岩城と瀬能は愕然としていた。
「――で、名前ちゃん。さっきのはどういう意味なのかな?」
「どういうも何も……そのまんまですけど」
「……口調」
「はい?」
「言ったでしょ?“素”で話さなきゃ罰ゲームだって」
『だから罰ゲーム決定ね』と言い、陵刀は名前を抱き締めた。
「……離して下さい」
「イ・ヤ♡“素”で話してくれるまで、離さない♪」
「まったく……陵刀先生、離して」
「うん、良い子♡で、どういう意味なのか訊いてもいいかな?」
「言葉の通りだよ。一番怖いのは人間だって事」
「ふーん……それが君が“学園”にいた理由?」
「それもあるかもね」
陵刀から開放された名前は、それだけ言うと窓際の席へと移動し無言で外を眺めだした。
暫くすると乗っていた飛行機が着陸し、降りるように声を掛けられた。
「ひゃーっ、見渡す限り白!あれが基地ですか!」
飛行機を降りた瀬能が、遠くに見える基地を指さしながら陵刀に訊いていた。
「ずっと空がボーッと明るい……変な天気ですねェ……」
「この時期、北極には基本的に夜はこないんだ……」
「さっ寒ぃー!!ってか、顔面痛えっ!!うお、マイナス28度!?ハナミズ凍ってるー!!」
「……騒いだって一緒ですよ、もう……」
「てか、鉄生先生程じゃないけどマジで寒い……」
「温めてあげよーか?」
両手を広げる陵刀だが、それを見て岩城と名前は拒否した。
「「絶対いらない」」
「えー……そんな事言わずにおいでよ、特に名前ちゃん♡」
「謹んでお断りさせて貰うわ!」
「あ、お迎えが来たみたいですよ」
瀬能の言葉に振り向くと、1台の輸送車が直ぐ側に止まった。
[おお、ドクター陵刀!お久しぶりです!そちらの方々は?]
[こちらはDr.の岩城鉄生君と僕の恋人の名字名前ちゃん]
[助手の瀬能です]
[おお]
英語で挨拶を交わす3人を見て、岩城は何を言っているのか理解できずにいた。しかし、名前はある単語が引っかかって陵刀に抗議した。
「ちょっと待て……」
「ん?どうしたの?名前ちゃん」
陵刀が地図を指し示しながら、向かっている保護区の場所を教える。
「北極グマは冬に氷上でアザラシ等を補食し、脂肪を蓄えてから、氷が無くなる夏に陸地に上がる動物でね。氷の無い夏には基本的に狩りをしないんだ。だが近年……地球温暖化の影響で以前に比べ、約3週間も早く氷が溶けるようになってしまってね……多くの北極グマが生息地である氷山を失い、餌不足による栄養失調から命を落としているんだ。“半世紀後には北極グマは絶滅する”と言われる程にね……ま、そうならない為に僕等もこうして出向いてるワケだけど――」
「だけど?」
「やっぱ北極グマ目当ての密猟者もワンサカいんだよねー。こないだアラスカで珍種の白クマ見つかったから、よけー必死で手当たり次第殺してくれてさー。もー車とかヘリが何処からともなくやって来て、銃弾ガンガンブッ放してくれてさー」
「「「……」」」
「去年僕と仕事に来た人なんか、運悪く密猟者の弾が当たっちゃって瀕死の重傷でさ、結局辞めちゃったんだ。やっぱあそこは熊も怖いけどヒトも怖い――……ちょっとは現実が解った?」
「……結局、一番怖いのは人間の“欲”なんだよ」
「名前ちゃん?」
吐き捨てる様に呟いた名前の言葉に反応した陵刀だったが、名前はそれ以上何も言わずに俯いてしまった。
「ま、大丈夫だよ♡僕等にはこの吹き矢があるし!人でも熊でも一発だって!」
「ふ……吹き矢……ですか……」
「冗談冗談、ちゃんと麻酔銃も持ってくよ、心配無いって!でも先に撃たれたらどっちみち死ぬけどね、アハハハハー」
1人楽観的に笑っている陵刀をよそに、岩城と瀬能は愕然としていた。
「――で、名前ちゃん。さっきのはどういう意味なのかな?」
「どういうも何も……そのまんまですけど」
「……口調」
「はい?」
「言ったでしょ?“素”で話さなきゃ罰ゲームだって」
『だから罰ゲーム決定ね』と言い、陵刀は名前を抱き締めた。
「……離して下さい」
「イ・ヤ♡“素”で話してくれるまで、離さない♪」
「まったく……陵刀先生、離して」
「うん、良い子♡で、どういう意味なのか訊いてもいいかな?」
「言葉の通りだよ。一番怖いのは人間だって事」
「ふーん……それが君が“学園”にいた理由?」
「それもあるかもね」
陵刀から開放された名前は、それだけ言うと窓際の席へと移動し無言で外を眺めだした。
暫くすると乗っていた飛行機が着陸し、降りるように声を掛けられた。
「ひゃーっ、見渡す限り白!あれが基地ですか!」
飛行機を降りた瀬能が、遠くに見える基地を指さしながら陵刀に訊いていた。
「ずっと空がボーッと明るい……変な天気ですねェ……」
「この時期、北極には基本的に夜はこないんだ……」
「さっ寒ぃー!!ってか、顔面痛えっ!!うお、マイナス28度!?ハナミズ凍ってるー!!」
「……騒いだって一緒ですよ、もう……」
「てか、鉄生先生程じゃないけどマジで寒い……」
「温めてあげよーか?」
両手を広げる陵刀だが、それを見て岩城と名前は拒否した。
「「絶対いらない」」
「えー……そんな事言わずにおいでよ、特に名前ちゃん♡」
「謹んでお断りさせて貰うわ!」
「あ、お迎えが来たみたいですよ」
瀬能の言葉に振り向くと、1台の輸送車が直ぐ側に止まった。
[おお、ドクター陵刀!お久しぶりです!そちらの方々は?]
[こちらはDr.の岩城鉄生君と僕の恋人の名字名前ちゃん]
[助手の瀬能です]
[おお]
英語で挨拶を交わす3人を見て、岩城は何を言っているのか理解できずにいた。しかし、名前はある単語が引っかかって陵刀に抗議した。
「ちょっと待て……」
「ん?どうしたの?名前ちゃん」