北極グマ
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「だいたい院長もさー『至急向かってくれ』ってさー、毎回毎回!言う方は簡単だよなー!」
「……の割には準備バンタンじゃないですか」
「いや、食ってっと体温まるしー♪」
岩城の隣には、大きなリュックとその中から溢れ出ている大量のお菓子があった。
「ホレ、犬!」
「ワウッ!!」
犬にも持ち込んでいるビーフジャーキーを与える岩城は、言葉とは正反対に楽しそうだった。
「名字も何か食うかー?」
「いいですよ。コレで十分なので」
そう言いながら、名前は紙コップに入っているホットコーヒーを見せた。
「それよりも……岩城先生、楽しそうですね」
「ん?楽しまなきゃ損だろ?それよか、その“岩城先生”っての止めてくれよ。柄じゃねーし」
ニカリと笑う岩城に、名前は一瞬だけ逡巡すると、直ぐに言葉を紡いだ。
「なら……鉄生先生?」
「おう!つか、呼び捨てでいーぜ?歳近そーだしよ!」
「そういう訳にはいきませんって!私はただの秘書ですから!!」
「ったく……固ェんだよ、名字は」
「そうだよ、名前ちゃん。僕の事も“陵刀先生”なんて他人行儀な言い方止めてよ」
怪しげな雑誌から目を離さずに、陵刀は名前に向かって言った。
「流石にボスを呼び捨てには出来ませんよ」
「君のボスは院長でしょ?」
「……ある意味そうですが」
「僕の事は“司”って呼んでね♡」
「それは謹んでお断り致します、“陵刀先生”」
「えー……もっとこう、親睦を深めようよ」
「そうだぜ!なんつーか、名字は俺等に“壁”作ってねーか?」
岩城が考える素振りを見せながら、名前を見つめた。
「“壁”……ですか」
「ソレ、私も思ってました!何か、名前さんって私達と距離を置いてると言うか……」
「そんなつもり、無いんですけどねぇ……」
『うーん』と考えながら、名前は自分の何処に落ち度があるのかを考え始めた。
「まずは、その喋り方を直したら?」
「喋り方、ですか?」
「そう、喋り方♡“素”じゃないってコアラの時に言ってたでしょ?」
「まぁ、確かに“素”では無いですけど……」
「院長には“素”で話せてるみたいだし、僕等にも気を使わずに“素”で話なよ♡」
「はぁ……」
いきなり素で話せと言われても、そう簡単に話せるものではない。何しろ、高宮と違い彼等は自分について何も知らないのだから。
「あ、そうだ!」
「いきなりなんだよ、陵刀」
「名前ちゃんが“素”で話さなかったら、罰ゲームにしよう♪」
『うん、それが良い』と1人納得した陵刀に、名前は呆れ返っていた。
「さて、あと30分程で到着する。そろそろ旅行気分も終わりにしないとね」
怪しげな雑誌を漸く閉じながら、陵刀は3人に向かって告げた。
「……陵刀先生…………」
「今度の任務は命懸けになる」
「ハ?」
陵刀の言葉に、それまでお菓子を食べ続けていた岩城の手が止まった。
「だから、その前に訊いておきたい事があるんだけど…………君は死ねるかな?動物の為に」
「……は?」
「どうなの♪」
「ってかよー陵刀、お前いっつも物騒なんだよ。死ぬとか殺すとか食べるとかよ~。大体そんな簡単に人間は死ねな……」
「死ぬよ」
「え……?」
「だって、患畜は肉食獣としては世界最大の……野生の北極グマだからね」
「北極グマ……そらデケー」
「この仕事は特殊でね、依頼主は国連なんだ」
「こっ……国連ですかぁ!?」
瀬能が驚いて声を上げている。
「国連、ねェ……なーんか嫌な予感がする…………」
「コクレン?」
「こんな人は置いといて……国連からって、一体どんなお仕事なんですか!?」
「北極に棲む動物の中でも、とりわけ北極グマは今――地球の温暖化現象に苦しめられているんだ」
「温暖化現象に?」
「……の割には準備バンタンじゃないですか」
「いや、食ってっと体温まるしー♪」
岩城の隣には、大きなリュックとその中から溢れ出ている大量のお菓子があった。
「ホレ、犬!」
「ワウッ!!」
犬にも持ち込んでいるビーフジャーキーを与える岩城は、言葉とは正反対に楽しそうだった。
「名字も何か食うかー?」
「いいですよ。コレで十分なので」
そう言いながら、名前は紙コップに入っているホットコーヒーを見せた。
「それよりも……岩城先生、楽しそうですね」
「ん?楽しまなきゃ損だろ?それよか、その“岩城先生”っての止めてくれよ。柄じゃねーし」
ニカリと笑う岩城に、名前は一瞬だけ逡巡すると、直ぐに言葉を紡いだ。
「なら……鉄生先生?」
「おう!つか、呼び捨てでいーぜ?歳近そーだしよ!」
「そういう訳にはいきませんって!私はただの秘書ですから!!」
「ったく……固ェんだよ、名字は」
「そうだよ、名前ちゃん。僕の事も“陵刀先生”なんて他人行儀な言い方止めてよ」
怪しげな雑誌から目を離さずに、陵刀は名前に向かって言った。
「流石にボスを呼び捨てには出来ませんよ」
「君のボスは院長でしょ?」
「……ある意味そうですが」
「僕の事は“司”って呼んでね♡」
「それは謹んでお断り致します、“陵刀先生”」
「えー……もっとこう、親睦を深めようよ」
「そうだぜ!なんつーか、名字は俺等に“壁”作ってねーか?」
岩城が考える素振りを見せながら、名前を見つめた。
「“壁”……ですか」
「ソレ、私も思ってました!何か、名前さんって私達と距離を置いてると言うか……」
「そんなつもり、無いんですけどねぇ……」
『うーん』と考えながら、名前は自分の何処に落ち度があるのかを考え始めた。
「まずは、その喋り方を直したら?」
「喋り方、ですか?」
「そう、喋り方♡“素”じゃないってコアラの時に言ってたでしょ?」
「まぁ、確かに“素”では無いですけど……」
「院長には“素”で話せてるみたいだし、僕等にも気を使わずに“素”で話なよ♡」
「はぁ……」
いきなり素で話せと言われても、そう簡単に話せるものではない。何しろ、高宮と違い彼等は自分について何も知らないのだから。
「あ、そうだ!」
「いきなりなんだよ、陵刀」
「名前ちゃんが“素”で話さなかったら、罰ゲームにしよう♪」
『うん、それが良い』と1人納得した陵刀に、名前は呆れ返っていた。
「さて、あと30分程で到着する。そろそろ旅行気分も終わりにしないとね」
怪しげな雑誌を漸く閉じながら、陵刀は3人に向かって告げた。
「……陵刀先生…………」
「今度の任務は命懸けになる」
「ハ?」
陵刀の言葉に、それまでお菓子を食べ続けていた岩城の手が止まった。
「だから、その前に訊いておきたい事があるんだけど…………君は死ねるかな?動物の為に」
「……は?」
「どうなの♪」
「ってかよー陵刀、お前いっつも物騒なんだよ。死ぬとか殺すとか食べるとかよ~。大体そんな簡単に人間は死ねな……」
「死ぬよ」
「え……?」
「だって、患畜は肉食獣としては世界最大の……野生の北極グマだからね」
「北極グマ……そらデケー」
「この仕事は特殊でね、依頼主は国連なんだ」
「こっ……国連ですかぁ!?」
瀬能が驚いて声を上げている。
「国連、ねェ……なーんか嫌な予感がする…………」
「コクレン?」
「こんな人は置いといて……国連からって、一体どんなお仕事なんですか!?」
「北極に棲む動物の中でも、とりわけ北極グマは今――地球の温暖化現象に苦しめられているんだ」
「温暖化現象に?」