パンダ
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「三番に岩城先生からお電話です」
看護師に声を掛けられたことで一科の獣医師と別れ、陵刀と名前は診察室の中へと入っていった。
「あぁ鉄生くん?パンダちゃんになにか変わった事でも……」
『それが大変なんだよ!このパンダ――手に腫瘍ができてるんだ!!』
「!!」
「腫瘍?」
『大変だぞ!こりゃ悪性のガンかもしんねー!!どーすりゃいいん……』
「ねぇ鉄生くん……その腫瘍……よく見ると指に見えない?」
『え?』
「指……?」
『あ……ああ……そうだな!なんか指みてーに膨らんで……あれ……?;』
岩城の答えに、陵刀は深く息を吐いて答えた。
「それは六指突起といってね。パンダの六本目の指の様なものなんだ」
『え?;』
「その突起は、笹を掴んで食べるのに適していてね。もともと肉食であったパンダが、大好きな笹を挟んで食べられるように進化したと言われているんだ。で、なんの用?」
『いや、それが……絵描きの高校生がパンダが病気なんじゃねーかっつーんで調べたんだがよ……でも体重がほんの少し減ってるけど、音には特に異常なくて健康で……そんで腕に腫瘍があっちゃったりしたよーで、なかったりしちゃったよーな……』
「……絵描き?」
「陵刀先生ー」
『いや、パンダ舎の前でそっくりなの描いてて……』
「何言ってるかサッパリ解かんないから、電話切ってもいい?」
『あ……ああ……;』
「次の飼い主さんがお待ちでーす」
一科の看護師に急かされ、陵刀は電話を切り別の診察室へと足を向けた。
岩城との会話に疑問符を浮かべながらも、名前はとりあえず陵刀の後を追った。
「ねぇ、陵刀先生」
「なに?」
「鉄生先生、助けなくていいの?」
「んー……何かあったらまた電話来るでしょ」
あっさりと岩城の事を切り捨てて、陵刀は一科の診察室へ入っていった。
「あっお兄ちゃーん!」
「こんにちは、ちさちゃん。どう、あれからうーちゃんの調子は?」
にこやかに先日診察したウサギの飼い主である少女と目線を合わせて話す陵刀。
その手は優しく少女の頭を撫でていた。
「お兄ちゃん……?なのか??」
「それがうーちゃんね、うーちゃんね……すっごい元気になっちゃったのー!!ホラ!!」
少女:ちさが抱き抱えているウサギは、元気にジタバタと動いていた。
そのウサギをちさから受け取った陵刀は、診察台にウサギを乗せると診察を始めた。
「ホントだぁ。これならもう心配ないね」
「でも、“あんなこと”するだけでうーちゃん元気になるなんて、ビックリしちゃった!」
ウサギに問題がないと判断した陵刀は、ちさにウサギを渡すとカルテを書き始めた。
「ハハハ!腸炎症候群の治療はちょっと変わった方法だからねぇ。なんにしても発見が早かったのが良かったんだ。ちさちゃんがうーちゃんの事、ちゃんと見てあげてた証拠だよ」
「うん。なんかねー、うーちゃん抱っこしてたら前より軽くなったみたいだったから――」
「凄いね……!それだけで異変に気付くなんて!」
「えへへ!」
「ちさちゃん、将来凄い名医になれるかもしれないなー♡」
「ホントー?わーい!!」
「ん……?」
ちさの言葉に、陵刀は何かを考えだした。
急に黙り込んだ陵刀に、ちさだけでなく名前も心配になった。
「どーしたの、お兄ちゃん?」
「陵刀先生??」
「いや、別になんでもないよ♡またいつでも、うーちゃんと一緒に遊びにおいで!」
「うん!!またねー、お兄ちゃん」
ちさを見送った陵刀は、また黙り込んでいた。
「陵刀先生。仕事中に何か考え事?」
「ん?あぁ――……大丈夫、気にしなくていいよ」
どこか納得出来ないモノがありはしたが、名前はそれ以上追求する事を止めた。
明くる日、陵刀は時間を作って岩城の携帯へと電話していた。
『もしもし……』
「鉄生くん、今いい?」
『お……おお、大丈夫……だけど……』
看護師に声を掛けられたことで一科の獣医師と別れ、陵刀と名前は診察室の中へと入っていった。
「あぁ鉄生くん?パンダちゃんになにか変わった事でも……」
『それが大変なんだよ!このパンダ――手に腫瘍ができてるんだ!!』
「!!」
「腫瘍?」
『大変だぞ!こりゃ悪性のガンかもしんねー!!どーすりゃいいん……』
「ねぇ鉄生くん……その腫瘍……よく見ると指に見えない?」
『え?』
「指……?」
『あ……ああ……そうだな!なんか指みてーに膨らんで……あれ……?;』
岩城の答えに、陵刀は深く息を吐いて答えた。
「それは六指突起といってね。パンダの六本目の指の様なものなんだ」
『え?;』
「その突起は、笹を掴んで食べるのに適していてね。もともと肉食であったパンダが、大好きな笹を挟んで食べられるように進化したと言われているんだ。で、なんの用?」
『いや、それが……絵描きの高校生がパンダが病気なんじゃねーかっつーんで調べたんだがよ……でも体重がほんの少し減ってるけど、音には特に異常なくて健康で……そんで腕に腫瘍があっちゃったりしたよーで、なかったりしちゃったよーな……』
「……絵描き?」
「陵刀先生ー」
『いや、パンダ舎の前でそっくりなの描いてて……』
「何言ってるかサッパリ解かんないから、電話切ってもいい?」
『あ……ああ……;』
「次の飼い主さんがお待ちでーす」
一科の看護師に急かされ、陵刀は電話を切り別の診察室へと足を向けた。
岩城との会話に疑問符を浮かべながらも、名前はとりあえず陵刀の後を追った。
「ねぇ、陵刀先生」
「なに?」
「鉄生先生、助けなくていいの?」
「んー……何かあったらまた電話来るでしょ」
あっさりと岩城の事を切り捨てて、陵刀は一科の診察室へ入っていった。
「あっお兄ちゃーん!」
「こんにちは、ちさちゃん。どう、あれからうーちゃんの調子は?」
にこやかに先日診察したウサギの飼い主である少女と目線を合わせて話す陵刀。
その手は優しく少女の頭を撫でていた。
「お兄ちゃん……?なのか??」
「それがうーちゃんね、うーちゃんね……すっごい元気になっちゃったのー!!ホラ!!」
少女:ちさが抱き抱えているウサギは、元気にジタバタと動いていた。
そのウサギをちさから受け取った陵刀は、診察台にウサギを乗せると診察を始めた。
「ホントだぁ。これならもう心配ないね」
「でも、“あんなこと”するだけでうーちゃん元気になるなんて、ビックリしちゃった!」
ウサギに問題がないと判断した陵刀は、ちさにウサギを渡すとカルテを書き始めた。
「ハハハ!腸炎症候群の治療はちょっと変わった方法だからねぇ。なんにしても発見が早かったのが良かったんだ。ちさちゃんがうーちゃんの事、ちゃんと見てあげてた証拠だよ」
「うん。なんかねー、うーちゃん抱っこしてたら前より軽くなったみたいだったから――」
「凄いね……!それだけで異変に気付くなんて!」
「えへへ!」
「ちさちゃん、将来凄い名医になれるかもしれないなー♡」
「ホントー?わーい!!」
「ん……?」
ちさの言葉に、陵刀は何かを考えだした。
急に黙り込んだ陵刀に、ちさだけでなく名前も心配になった。
「どーしたの、お兄ちゃん?」
「陵刀先生??」
「いや、別になんでもないよ♡またいつでも、うーちゃんと一緒に遊びにおいで!」
「うん!!またねー、お兄ちゃん」
ちさを見送った陵刀は、また黙り込んでいた。
「陵刀先生。仕事中に何か考え事?」
「ん?あぁ――……大丈夫、気にしなくていいよ」
どこか納得出来ないモノがありはしたが、名前はそれ以上追求する事を止めた。
明くる日、陵刀は時間を作って岩城の携帯へと電話していた。
『もしもし……』
「鉄生くん、今いい?」
『お……おお、大丈夫……だけど……』