パンダ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「そりゃまーそーだけどよー、少し位なんかねーのかよ。何をしろとか、何に注意しろとか」
歩きながら話していると医局へと着き、そのドアに陵刀は手を掛けながら溜息を吐いた。
「しょうがないなあ!今日は書店に取り寄せた“マイルドライフ”が届く日だから早く帰りたかったのに……」
陵刀は岩城と名前を連れて、岩城行きつけのお店へと移動した。
「ま、とりあえず遊んでやるんだよ」
「遊ぶ?」
食事が終わった後、陵刀によるパンダ講座が開催された。
「ああ、キミが診るのは植呂動物園で生まれ育った一歳のパンダなんだ。子供のパンダはね、野生の状態じゃないと人懐っこく育つ場合があるんだ。だからたっぷり遊んであげてね。そうしないとなかなか心を開いてくれないし、遊びで至近距離にいれば体調も判ると思うしね」
「フーン」
「ヘェー」
岩城と名前は、並んでノートにメモ書きしていた。
「ほら前にも言ったけど、“獣医は見てるだけじゃダメだ”“体を使え”ってヤツだよ」
「うんまあ、そりゃ俺の得意分野だし大丈夫だと思うけど……」
「でしょでしょ?でも、パンダの遊びにはルールがあるからね。それは覚えておかないと。明日までにメールしとくよ。他になんかある?」
「んー、そもそもパンダってどんな病気になりやすいんだ?」
「病気ねェ……そーだな――パンダはもともと肉食獣でね。通常の草食動物より腸が短いんだ。だから偶にパンスって病気になるんだよ」
「「パンス?」」
「鉄生くん。今、何か変なもの想像してるでしょ?」
「え……?」
「正確に言うと、パンスってのは病気ってニュアンスとは少し違うんだ。腸が短いにもかかわらず笹の葉を食べるパンダは、笹の繊維を消化しきれない。だから、それが腸に溜まってしまうんだよね」
「フンフン……」
「それで?」
「でね、その溜まった繊維は腸の粘膜とともに2~3か月ごとに剥がれ落ちるハズなんだけど……それがうまくいかない場合があって、人間で言う便秘に似た症状を起こしてしまう。それがパンスなんだよ」
「便秘は辛いわぁ……」
「だから、そうなる前に砂糖入りミルクなどを与えて水分を多く摂らせてあげるんだ」
「…………変なの――なんでパンダはそんな便秘になっちまうのに笹なんか食うんだ?もともと肉食なんだったら、肉食やいいじゃねェか!」
岩城が至極まっとうな疑問を口にした。
「んーそれはね――まだ生物学会でも謎なんだよ。ま、強いて言えば“好きだから”食べるんだろうね」
「好きって……;」
「そ♡僕みたいにさ♪」
「まぁ、病気になっても好物を食べたい気持ちは解かるよ。ウチも便秘になるの判ってても、その原因が好物なら食べるだろうし……」
「あのな名字……;他に何か気ィつけることは?」
「うーん……」
唸りながら、陵刀は何かに1人納得したのか頷いていた。
「なんだ?」
「とにかく、これで大事な事はだいたい教えたから。なんか他に解らない事があったら僕に連絡してよ。名前ちゃん、帰ろう♡」
席を立ちながら、陵刀はテーブルにあったウーロン茶を口にした。
「あっ!!テメ、俺のウーロン飲んでんじゃねーよ!!;」
「間接キッスー♡」
「「アホか!!」」
岩城と2人で陵刀の言葉にツッコミを入れ、名前は脱力しながらも帰路に着いた。
「今日、名前ちゃんちに泊まってもいい?」
岩城と別れた帰り道で、いきなり陵刀が泊まりたいと言い出した。
「……なんで?」
「彼氏が恋人の家に泊まるのに、理由なんているの?」
「いや……どうだろう…………」
「悩む必要ないでしょ」
ニコニコと笑っている陵刀の横で、名前は首を捻って考えていた。
「分かった。いいよ、泊まっても。けど、何のおもてなしも出来ないけどいい?」
歩きながら話していると医局へと着き、そのドアに陵刀は手を掛けながら溜息を吐いた。
「しょうがないなあ!今日は書店に取り寄せた“マイルドライフ”が届く日だから早く帰りたかったのに……」
陵刀は岩城と名前を連れて、岩城行きつけのお店へと移動した。
「ま、とりあえず遊んでやるんだよ」
「遊ぶ?」
食事が終わった後、陵刀によるパンダ講座が開催された。
「ああ、キミが診るのは植呂動物園で生まれ育った一歳のパンダなんだ。子供のパンダはね、野生の状態じゃないと人懐っこく育つ場合があるんだ。だからたっぷり遊んであげてね。そうしないとなかなか心を開いてくれないし、遊びで至近距離にいれば体調も判ると思うしね」
「フーン」
「ヘェー」
岩城と名前は、並んでノートにメモ書きしていた。
「ほら前にも言ったけど、“獣医は見てるだけじゃダメだ”“体を使え”ってヤツだよ」
「うんまあ、そりゃ俺の得意分野だし大丈夫だと思うけど……」
「でしょでしょ?でも、パンダの遊びにはルールがあるからね。それは覚えておかないと。明日までにメールしとくよ。他になんかある?」
「んー、そもそもパンダってどんな病気になりやすいんだ?」
「病気ねェ……そーだな――パンダはもともと肉食獣でね。通常の草食動物より腸が短いんだ。だから偶にパンスって病気になるんだよ」
「「パンス?」」
「鉄生くん。今、何か変なもの想像してるでしょ?」
「え……?」
「正確に言うと、パンスってのは病気ってニュアンスとは少し違うんだ。腸が短いにもかかわらず笹の葉を食べるパンダは、笹の繊維を消化しきれない。だから、それが腸に溜まってしまうんだよね」
「フンフン……」
「それで?」
「でね、その溜まった繊維は腸の粘膜とともに2~3か月ごとに剥がれ落ちるハズなんだけど……それがうまくいかない場合があって、人間で言う便秘に似た症状を起こしてしまう。それがパンスなんだよ」
「便秘は辛いわぁ……」
「だから、そうなる前に砂糖入りミルクなどを与えて水分を多く摂らせてあげるんだ」
「…………変なの――なんでパンダはそんな便秘になっちまうのに笹なんか食うんだ?もともと肉食なんだったら、肉食やいいじゃねェか!」
岩城が至極まっとうな疑問を口にした。
「んーそれはね――まだ生物学会でも謎なんだよ。ま、強いて言えば“好きだから”食べるんだろうね」
「好きって……;」
「そ♡僕みたいにさ♪」
「まぁ、病気になっても好物を食べたい気持ちは解かるよ。ウチも便秘になるの判ってても、その原因が好物なら食べるだろうし……」
「あのな名字……;他に何か気ィつけることは?」
「うーん……」
唸りながら、陵刀は何かに1人納得したのか頷いていた。
「なんだ?」
「とにかく、これで大事な事はだいたい教えたから。なんか他に解らない事があったら僕に連絡してよ。名前ちゃん、帰ろう♡」
席を立ちながら、陵刀はテーブルにあったウーロン茶を口にした。
「あっ!!テメ、俺のウーロン飲んでんじゃねーよ!!;」
「間接キッスー♡」
「「アホか!!」」
岩城と2人で陵刀の言葉にツッコミを入れ、名前は脱力しながらも帰路に着いた。
「今日、名前ちゃんちに泊まってもいい?」
岩城と別れた帰り道で、いきなり陵刀が泊まりたいと言い出した。
「……なんで?」
「彼氏が恋人の家に泊まるのに、理由なんているの?」
「いや……どうだろう…………」
「悩む必要ないでしょ」
ニコニコと笑っている陵刀の横で、名前は首を捻って考えていた。
「分かった。いいよ、泊まっても。けど、何のおもてなしも出来ないけどいい?」