パンダ
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名前が陵刀を“信じる”と言ってから早数週間。珍しく陵刀が真面目に仕事をしている所に名前は出くわした。
「うーん、これは腸炎症候群の可能性がありますね。念の為検査をしよう。すぐ準備して!」
「え……なんかの病気なの?うーちゃん……」
一科の定期健診で賑わうR.E.D.の正面玄関前で、陵刀は1羽のウサギを連れた女の子と話していた。
「大丈夫だよ♡難しい病名だから心配させちゃったかな?何も心配しなくていいよ。お兄さんがこのコ、ちゃーんと治してあげるからね」
今にも泣き出しそうな飼い主の女の子に視線を合わせ、陵刀は優しくその頭を撫でていた。
「うん!!ありがとー先生!」
可愛らしく笑う女の子を遠目から見て、名前は心が暖かくなった。
「……おいおいおい……なんで陵刀が一科の健康診断なんか手伝ってんだ?しかも妙に優しーし……てゆーか、お兄さんなのか?一体どーゆー風の引き倒しだ?」
「“吹き回し”ですよ先生!お父さんとの一件が効いたみたいですよ」
「あのコエーオヤっさん?」
「あの後ポツリと言ってたんです」
「僕もこれからは鉄生くんを見習って……時間がある限りどこであろうと患畜を助けよう」
「ですって」
「…………へえ、そっか!そりゃーいい事だな!」
「何か裏がなきゃいいけどね……」
ニッと笑顔になる岩城の陰から、高宮が姿を現した。
「…………確かに……いい事ではある……」
「院長?ナニその不安気なカオ」
「しかし、診察台にサンデーやら怪しげな本を置いてある所を見ると……正直まだ不安でな」
高宮の言葉に診察台へと視線を移すと、確かに数冊の雑誌が置かれていた。
「…………」
「うっ……」
「だっ大丈夫ですよ、大丈夫!あれは息抜きですよ、息抜き!誰が疑っても院長と名前さんは信じてあげてくださいよォ!!」
「そーだぜ院長、名字!俺は陵刀の本気、信じるぜ!!」
「信じたいのは山々なんだけどさぁ……」
「そうか岩城。お前がそう言うならいいんだ」
「!?」
「明日から三日間、ワイルドライフが毎年協力してる植呂動物園のパンダの定期健診があってな。今年は陵刀がその担当だったんだが…………」
「へぇー、パンダ……いーなー」
「嫌な予感しかしない……;」
「陵刀は“一科”の健康診断が忙しいらしくてな。岩城、お前に行って貰う事にすると言ってたぞ」
「……え!?一科のだろ!?」
「ほら見ろ……」
「信じてるんだろ?」
高宮は陵刀を指さしながら、岩城に確認した。
「はあまあ……」
「じゃ、キマリだな」
「…………」
やがて夕方になり、健康診断も終わった頃。陵刀と名前は並んで院内を歩いていた。
「フーッ……いや~、今日はよく働いたな~。名前ちゃん、ご褒美ちょうだい♡」
「……普通の事しただけでご褒美を強請るな」
「名前ちゃんのケチー」
「ケチで結構!」
「あっ、テメェ陵刀!」
診察室の1つの前を通り過ぎようとした時、中から岩城が勢い良く出てきた。
「あ、鉄生くん♡」
「どーゆーこったよ、院長に聞いたぞ。明日の植呂動……」
「頼んだよ、明日のパンダちゃん♡」
「おう」
陵刀は岩城の問いかけをスルーして通り過ぎようとしていた。
「♪~」
「…………って違うだろ!なんで知らないうちに俺がやる事になってんだよ、お前の仕事を!」
「…………チッ」
「一科手伝ってるバーイじゃねェだろ!」
逃げようとする陵刀の肩を掴み、岩城はその真意を正そうとした。
「そりゃーパンダはとても面倒臭い……いや、とっても面倒見がいのある動物だからさ。キミにもいい勉強になると思って♡」
「イミわかんねー。あのなー陵刀、俺ぁ別にどんな患畜だって診るけどよォ、頼むんならせめてちゃんとパンダについて教えてくれよ」
「だーい丈夫だよ♡だって単なる健康診断だよ。別に治療しろってワケじゃない。それに、病気かどうか診断するのはキミ得意でしょ?絶対音感あるんだから」
「うーん、これは腸炎症候群の可能性がありますね。念の為検査をしよう。すぐ準備して!」
「え……なんかの病気なの?うーちゃん……」
一科の定期健診で賑わうR.E.D.の正面玄関前で、陵刀は1羽のウサギを連れた女の子と話していた。
「大丈夫だよ♡難しい病名だから心配させちゃったかな?何も心配しなくていいよ。お兄さんがこのコ、ちゃーんと治してあげるからね」
今にも泣き出しそうな飼い主の女の子に視線を合わせ、陵刀は優しくその頭を撫でていた。
「うん!!ありがとー先生!」
可愛らしく笑う女の子を遠目から見て、名前は心が暖かくなった。
「……おいおいおい……なんで陵刀が一科の健康診断なんか手伝ってんだ?しかも妙に優しーし……てゆーか、お兄さんなのか?一体どーゆー風の引き倒しだ?」
「“吹き回し”ですよ先生!お父さんとの一件が効いたみたいですよ」
「あのコエーオヤっさん?」
「あの後ポツリと言ってたんです」
「僕もこれからは鉄生くんを見習って……時間がある限りどこであろうと患畜を助けよう」
「ですって」
「…………へえ、そっか!そりゃーいい事だな!」
「何か裏がなきゃいいけどね……」
ニッと笑顔になる岩城の陰から、高宮が姿を現した。
「…………確かに……いい事ではある……」
「院長?ナニその不安気なカオ」
「しかし、診察台にサンデーやら怪しげな本を置いてある所を見ると……正直まだ不安でな」
高宮の言葉に診察台へと視線を移すと、確かに数冊の雑誌が置かれていた。
「…………」
「うっ……」
「だっ大丈夫ですよ、大丈夫!あれは息抜きですよ、息抜き!誰が疑っても院長と名前さんは信じてあげてくださいよォ!!」
「そーだぜ院長、名字!俺は陵刀の本気、信じるぜ!!」
「信じたいのは山々なんだけどさぁ……」
「そうか岩城。お前がそう言うならいいんだ」
「!?」
「明日から三日間、ワイルドライフが毎年協力してる植呂動物園のパンダの定期健診があってな。今年は陵刀がその担当だったんだが…………」
「へぇー、パンダ……いーなー」
「嫌な予感しかしない……;」
「陵刀は“一科”の健康診断が忙しいらしくてな。岩城、お前に行って貰う事にすると言ってたぞ」
「……え!?一科のだろ!?」
「ほら見ろ……」
「信じてるんだろ?」
高宮は陵刀を指さしながら、岩城に確認した。
「はあまあ……」
「じゃ、キマリだな」
「…………」
やがて夕方になり、健康診断も終わった頃。陵刀と名前は並んで院内を歩いていた。
「フーッ……いや~、今日はよく働いたな~。名前ちゃん、ご褒美ちょうだい♡」
「……普通の事しただけでご褒美を強請るな」
「名前ちゃんのケチー」
「ケチで結構!」
「あっ、テメェ陵刀!」
診察室の1つの前を通り過ぎようとした時、中から岩城が勢い良く出てきた。
「あ、鉄生くん♡」
「どーゆーこったよ、院長に聞いたぞ。明日の植呂動……」
「頼んだよ、明日のパンダちゃん♡」
「おう」
陵刀は岩城の問いかけをスルーして通り過ぎようとしていた。
「♪~」
「…………って違うだろ!なんで知らないうちに俺がやる事になってんだよ、お前の仕事を!」
「…………チッ」
「一科手伝ってるバーイじゃねェだろ!」
逃げようとする陵刀の肩を掴み、岩城はその真意を正そうとした。
「そりゃーパンダはとても面倒臭い……いや、とっても面倒見がいのある動物だからさ。キミにもいい勉強になると思って♡」
「イミわかんねー。あのなー陵刀、俺ぁ別にどんな患畜だって診るけどよォ、頼むんならせめてちゃんとパンダについて教えてくれよ」
「だーい丈夫だよ♡だって単なる健康診断だよ。別に治療しろってワケじゃない。それに、病気かどうか診断するのはキミ得意でしょ?絶対音感あるんだから」