“compatibility”
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「いい加減理解しろ。ウチ等とアンタとじゃ、住む世界が違うんだ」
「そんな事はない!」
「ある!アンタみたいに何の苦労もなく育って生活してる人間に、ウチ等の苦しみが解ってたまるか!!」
「なら……僕も君と同じになるよ――……そうすれば、解ってくれるよね?」
「……どうする気?」
「こうするのさっ!」
陵刀はどこからともなくメスを取り出し、自身の腕に刺した。
「なっ……馬鹿か?!陵刀、何考えてやがる!?」
「このまま神経切ったら……君に近づけるだろ?名前ちゃん」
自身の腕を切り裂こうとする陵刀の行動に、名前は声を出すどころか身動きすら取れなくなっていた。
「秦!戒!オニイサンを止めろ!!」
「煌!オレの車から救急箱持ってこい!!」
「「分かった!」」
「……うん」
朔耶とナルがそれぞれに声を掛け、行動を起こした。
名前の目には、その全てが遠い世界の出来事の様に映っていた。
「止めないでくれ!こうでもしないと名前ちゃんは……!!」
「陵刀さん!何考えてるの!?そんな事したって、姐さんは喜ばないよ?!」
「そうだよ先生!!名前姐さんの事好きなら、もっと違う方法を考えなきゃ!!」
秦と戒が陵刀を説得しようと話し掛けている隙に、朔耶が後ろから陵刀に近づいた。
その事に気付いた陵刀は、一気にメスで腕を切り裂こうと力を込めた。
「や……めろ……」
「姐御?」
「止めろー!!」
ボロボロと涙を流しながら、名前は陵刀に向かって叫んだ。
「それ以上……自分を傷付けるなんて…………許さない!止めてよ――“司さん”!!」
名前に“司さん”と呼ばれた事に気を取られた陵刀の隙を突いて、朔耶は陵刀の手からメスを奪い取った。
メスが突き刺さっていた陵刀の腕からは、止めどなく血が流れ続けていた。
「……ナル兄、持って来たよ」
煌が救急箱を手に戻って来た時、陵刀は秦と戒によって地面に押さえつけられているところだった。
朔耶の手によって手当されている陵刀の視線は、未だに声を殺して泣き続けている名前に向けられていた。
「姐御、大丈夫だ。陵刀の腕はそんなに深い傷じゃない」
「で……も――……ウチのせい……だ…………」
「……名前姐さんは悪くない……悪いのは、名前姐さんの気持ちを考えなかったあの人自身」
「ウチが……ウチがあんな事言ったから…………!!」
「名前ちゃん……」
陵刀に名前を呼ばれたことで、名前の肩がビクリと動いた。
「名前ちゃん……」
陵刀は名前の名を呟きながら、ゆっくりと名前の元へと近づいていった。
「い……や……来ないで…………」
「名前ちゃん、僕を……怖がらないで」
酷く動揺している名前を、ナルが肩を抱いて支えていた。
「姐御、大丈夫だ」
「オニイサンの事、そんなに怖がらなくて大丈夫だって名前姐」
ナルと朔耶が優しく声を掛けてやるも、一歩一歩近づいて来る陵刀にある種の恐怖心を抱いている名前は小さく震えていた。
「……ねぇ」
「何かな?煌くん」
「……名前さんを傷付けて楽しい?」
「そんなワケないだろ」
「……名前さん、確実にスイッチ入ってるよ?」
「……スイッチ?」
何の事か分からないという顔で、陵刀は足を止めて煌を見た。
「姐さん、こりゃ確実にスイッチ入ったよ……」
「……先生のせいだからね?名前姐さんのスイッチ入ったの」
「さっきから、何の事を言ってるのかな?」
「名前姐はな……自分の目の前で誰かが傷付くのを見ると、スイッチが入っちまうんだよ。どん底に向かうスイッチがな」
「そんな事はない!」
「ある!アンタみたいに何の苦労もなく育って生活してる人間に、ウチ等の苦しみが解ってたまるか!!」
「なら……僕も君と同じになるよ――……そうすれば、解ってくれるよね?」
「……どうする気?」
「こうするのさっ!」
陵刀はどこからともなくメスを取り出し、自身の腕に刺した。
「なっ……馬鹿か?!陵刀、何考えてやがる!?」
「このまま神経切ったら……君に近づけるだろ?名前ちゃん」
自身の腕を切り裂こうとする陵刀の行動に、名前は声を出すどころか身動きすら取れなくなっていた。
「秦!戒!オニイサンを止めろ!!」
「煌!オレの車から救急箱持ってこい!!」
「「分かった!」」
「……うん」
朔耶とナルがそれぞれに声を掛け、行動を起こした。
名前の目には、その全てが遠い世界の出来事の様に映っていた。
「止めないでくれ!こうでもしないと名前ちゃんは……!!」
「陵刀さん!何考えてるの!?そんな事したって、姐さんは喜ばないよ?!」
「そうだよ先生!!名前姐さんの事好きなら、もっと違う方法を考えなきゃ!!」
秦と戒が陵刀を説得しようと話し掛けている隙に、朔耶が後ろから陵刀に近づいた。
その事に気付いた陵刀は、一気にメスで腕を切り裂こうと力を込めた。
「や……めろ……」
「姐御?」
「止めろー!!」
ボロボロと涙を流しながら、名前は陵刀に向かって叫んだ。
「それ以上……自分を傷付けるなんて…………許さない!止めてよ――“司さん”!!」
名前に“司さん”と呼ばれた事に気を取られた陵刀の隙を突いて、朔耶は陵刀の手からメスを奪い取った。
メスが突き刺さっていた陵刀の腕からは、止めどなく血が流れ続けていた。
「……ナル兄、持って来たよ」
煌が救急箱を手に戻って来た時、陵刀は秦と戒によって地面に押さえつけられているところだった。
朔耶の手によって手当されている陵刀の視線は、未だに声を殺して泣き続けている名前に向けられていた。
「姐御、大丈夫だ。陵刀の腕はそんなに深い傷じゃない」
「で……も――……ウチのせい……だ…………」
「……名前姐さんは悪くない……悪いのは、名前姐さんの気持ちを考えなかったあの人自身」
「ウチが……ウチがあんな事言ったから…………!!」
「名前ちゃん……」
陵刀に名前を呼ばれたことで、名前の肩がビクリと動いた。
「名前ちゃん……」
陵刀は名前の名を呟きながら、ゆっくりと名前の元へと近づいていった。
「い……や……来ないで…………」
「名前ちゃん、僕を……怖がらないで」
酷く動揺している名前を、ナルが肩を抱いて支えていた。
「姐御、大丈夫だ」
「オニイサンの事、そんなに怖がらなくて大丈夫だって名前姐」
ナルと朔耶が優しく声を掛けてやるも、一歩一歩近づいて来る陵刀にある種の恐怖心を抱いている名前は小さく震えていた。
「……ねぇ」
「何かな?煌くん」
「……名前さんを傷付けて楽しい?」
「そんなワケないだろ」
「……名前さん、確実にスイッチ入ってるよ?」
「……スイッチ?」
何の事か分からないという顔で、陵刀は足を止めて煌を見た。
「姐さん、こりゃ確実にスイッチ入ったよ……」
「……先生のせいだからね?名前姐さんのスイッチ入ったの」
「さっきから、何の事を言ってるのかな?」
「名前姐はな……自分の目の前で誰かが傷付くのを見ると、スイッチが入っちまうんだよ。どん底に向かうスイッチがな」