“compatibility”
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陵刀教授が帰った数日後。名前は陵刀を連れて郊外の廃墟へと来ていた。
「……こんな何もない所で何をするの?」
「それは着いてからのお楽しみ。ウチ等の活動を見たいんなら、黙ってついて来て」
廃墟の近くで車を降りると、名前は迷う事無くその中へと足を踏み入れた。
「マジで連れて来たのかよ……」
「久し振りだね、先生♪」
「キミ達……ここで何をしてるの?」
名前に連れられて来た陵刀が見たのは、以前一緒に呑んだ面々の姿だった。
「何って……名前姐から聞いて無いのかよ、オニイサン?」
「聞いてないよ。前に君達の活動を見せて貰えるって話ならあったけど――……」
「ならもう解かるだろ?陵刀。今日がその日だって」
ニィッと笑うナルを、陵刀は目を瞬かせて見ていた。
「これが……君達の活動なの?」
陵刀の視線の先には、ナル達の背後に並んでいる楽器があった。
「今日は俺達“compatibility”の活動を見せてやるよ」
「陵刀さん、聴きたかったんでしょ?姐さんの唄」
ニヤニヤと笑う面々に、名前は溜息を吐きつつも準備をし始めた。
「先生驚くと思うよ~、おいら達の生演奏♡」
「……特に名前さんの唄声と歌詞は凄い」
「そこまで言われると、ますます楽しみになるね♡」
陵刀は“INDIVIDUAL”の事を調べた事はあったが、“compatibility”に関してはほとんど情報がなかった。
それもそのはず。“compatibility”の映像は動画配信サイトに載っても、すぐに消されてしまうからだ。
メンバーを知るどころか、その楽曲すらもタイミングが合わなければ聴く事が出来ないグループ。それが巷に流れる“compatibility”の情報だった。
「おら、姐御来い!」
「はいはーい」
ナルに呼ばれ、名前は準備していた手を止めて小走りに陵刀の側から去って行った。
「?」
「あぁ、ナルが姐さんに化粧するんだよ」
「ナル君が?」
「アイツ、ああ見えてプロのメイクだからな」
「そうそう。名前姐さんはナルちゃんの化粧でスイッチ入るし」
「スイッチ――……?」
「そう、スイッチ。大胆不敵な俺達のリーダー誕生さ」
「そんなに変わるの?」
「聞くよりも見たほうが早いよ、名前姐さんの豹変ぶりは」
愉しそうに笑う朔耶達を目の前に、陵刀はこれから起こる事に一抹の不安を覚えていた。
名前がナルに呼ばれて行き十数分。
陵刀にはとても長く感じていた時間だったが、戻って来た名前を見て言葉を失った。
「……何?その顔は」
「名前……ちゃん?」
「他に誰がいると?」
陵刀の目に映っていたのは、普段とは真逆の印象を与える名前の姿だった。
不敵に笑ってみせる名前を見て、陵刀はまるで異次元にでも迷い込んだ様な錯覚に陥っていた。
「さぁ、今日はいつも以上に気合入れてやるよ!!」
名前の声に、その場にいたナル達は雄叫びを上げた。
廃墟の中に無造作に置かれている楽器の元へ移動すると、名前達“compatibility”のメンバーは楽器の側に置いてあった狐面を手に取った。
名前達はそのまま狐面を斜めに被り、顔の半分を露出させていた。
「3……2……1…………ゴー!」
名前の呟きを合図に、辺りは爆音に包まれた。
「Choose me
あの日神さえ裏切った 背徳のChildren
Hate Me 朽ちる虫けら
輪廻なんていらない 現在(いま)だけでいいの♪」
ナル達の奏でる音楽に合わせ、名前はその声量を見せつけるかのように唄った。
「……こんな何もない所で何をするの?」
「それは着いてからのお楽しみ。ウチ等の活動を見たいんなら、黙ってついて来て」
廃墟の近くで車を降りると、名前は迷う事無くその中へと足を踏み入れた。
「マジで連れて来たのかよ……」
「久し振りだね、先生♪」
「キミ達……ここで何をしてるの?」
名前に連れられて来た陵刀が見たのは、以前一緒に呑んだ面々の姿だった。
「何って……名前姐から聞いて無いのかよ、オニイサン?」
「聞いてないよ。前に君達の活動を見せて貰えるって話ならあったけど――……」
「ならもう解かるだろ?陵刀。今日がその日だって」
ニィッと笑うナルを、陵刀は目を瞬かせて見ていた。
「これが……君達の活動なの?」
陵刀の視線の先には、ナル達の背後に並んでいる楽器があった。
「今日は俺達“compatibility”の活動を見せてやるよ」
「陵刀さん、聴きたかったんでしょ?姐さんの唄」
ニヤニヤと笑う面々に、名前は溜息を吐きつつも準備をし始めた。
「先生驚くと思うよ~、おいら達の生演奏♡」
「……特に名前さんの唄声と歌詞は凄い」
「そこまで言われると、ますます楽しみになるね♡」
陵刀は“INDIVIDUAL”の事を調べた事はあったが、“compatibility”に関してはほとんど情報がなかった。
それもそのはず。“compatibility”の映像は動画配信サイトに載っても、すぐに消されてしまうからだ。
メンバーを知るどころか、その楽曲すらもタイミングが合わなければ聴く事が出来ないグループ。それが巷に流れる“compatibility”の情報だった。
「おら、姐御来い!」
「はいはーい」
ナルに呼ばれ、名前は準備していた手を止めて小走りに陵刀の側から去って行った。
「?」
「あぁ、ナルが姐さんに化粧するんだよ」
「ナル君が?」
「アイツ、ああ見えてプロのメイクだからな」
「そうそう。名前姐さんはナルちゃんの化粧でスイッチ入るし」
「スイッチ――……?」
「そう、スイッチ。大胆不敵な俺達のリーダー誕生さ」
「そんなに変わるの?」
「聞くよりも見たほうが早いよ、名前姐さんの豹変ぶりは」
愉しそうに笑う朔耶達を目の前に、陵刀はこれから起こる事に一抹の不安を覚えていた。
名前がナルに呼ばれて行き十数分。
陵刀にはとても長く感じていた時間だったが、戻って来た名前を見て言葉を失った。
「……何?その顔は」
「名前……ちゃん?」
「他に誰がいると?」
陵刀の目に映っていたのは、普段とは真逆の印象を与える名前の姿だった。
不敵に笑ってみせる名前を見て、陵刀はまるで異次元にでも迷い込んだ様な錯覚に陥っていた。
「さぁ、今日はいつも以上に気合入れてやるよ!!」
名前の声に、その場にいたナル達は雄叫びを上げた。
廃墟の中に無造作に置かれている楽器の元へ移動すると、名前達“compatibility”のメンバーは楽器の側に置いてあった狐面を手に取った。
名前達はそのまま狐面を斜めに被り、顔の半分を露出させていた。
「3……2……1…………ゴー!」
名前の呟きを合図に、辺りは爆音に包まれた。
「Choose me
あの日神さえ裏切った 背徳のChildren
Hate Me 朽ちる虫けら
輪廻なんていらない 現在(いま)だけでいいの♪」
ナル達の奏でる音楽に合わせ、名前はその声量を見せつけるかのように唄った。