ラッコ
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「1頭はどっかに腫瘍かなんか出来てんな。潜って判ったけど、ほんの僅かだが出血してる……!すぐ手術してやんねーと!でー、もう1頭は多分下痢してる。あっちのヤツ……糞が変なんだ。だってホラ、この糞の中のイカ、まだ刺し身で食えそーだろ!」
水中から持ってきたラッコの糞を見せながら、岩城は疑問をぶつけた。
「……確かに……いくらラッコでもここまでは――しかも腸の粘膜まで混じっている……」
陵刀教授は糞をシャーレに取りながら、観察した。
「…………」
「どうしました、教授?」
「……まだ判らないが……これは大変な事になるかも知れんな……」
「「ええ!?」」
「つか……いや羅高くん!すぐ館長に連絡して他のラッコをすべて別の水槽へ移すんだ!!急げ!」
「はっ、はい!」
羅高に扮した陵刀に指示を出すと、その場は騒然となった。
「……やはり間違いない……これはイエネコの糞に含まれる寄生性の原虫動物による下痢だ!あのラッコは、最近来たばかりで……まだ、他のラッコには奇跡的に感染していないようだ。発見が早かったのが幸いしたな」
陵刀教授の診断と言葉に、岩城と名前はホッとした。
「猿も馬鹿に出来ないでしょ?陵刀“教授”」
「ああ……やれやれ……とんでもない奴に惚れ込んだものだ、ウチの息子も……まあ、しかしそれを見抜く才能を育てたというのは、私の力と言ってもいいのかな?」
「父……教授?」
突然、陵刀教授が岩城を認める発言をした事によって、陵刀は動揺していた。
「鉄生くん」
「は?」
「これはまさしく君の患畜への情熱の表れだね。あそこで君が水に入らなかったら後にどうなっていた事か……少なくとも7つの命が救われたワケだ……ありがとう」
「!いやあ、そんなよォ……俺、こーゆーんしか出来ねーし……」
あそこまで岩城を下に診ていた陵刀教授が、岩城を心から認め礼を言った。
岩城は当たり前の事をしたまでだとでも言う様に慌てていた。
「……そうです……照れる事はありませんよ、R.E.D.の方……とある有名な獣医師の著書にはこう書いてありました。“獣医は見てるだけじゃ駄目だ、体を使え――”とね」
「!」
「まさに今の貴方がそれです。獣医の鑑です!飼育員の私も感謝します!」
「ま、話はそこまでとして、鉄生くん。今までの非礼のお詫びだ。ラッコの手術を見せてやろう」
「えっホント!?」
立ち上がりながら、貴重なラッコの手術を見せてやると言う陵刀教授だが、岩城は喜んだのも束の間、顔色を変えた。
「や……やっぱ俺がやる!!絶対ラッコ助ける!それに陵刀も――……」
「心配しなくていい……もうあの子を連れ戻すつもりはない」
「「え!?」」
「……司の仕事の成果はこの目で確かめたからね……これからもあの子について色々学びなさい。そして立派な獣医になるんです。君がそうなってくれれば、私も安心して隠居できる」
「おっ、おう!頑張るよ俺!」
「よし、では始めよう!滅多にない機会だから、しっかり覚えておきなさい」
「オス!!」
こうして岩城は陵刀教授に認められ、ラッコの手術を助手という形で学んだ。
「ふわーっ、スゲー手術だったー!メス捌きなんかよ、見えねーぐれー速ェーんだぜ!」
「へー!」
「俺ぁ全然まだまだだけど、将来ぜってーあんたみてーになりてーなー!」
「それはどうだろうねェ?」
「え~」
岩城が陵刀教授の手術に対して感激し、尊敬の言葉を表すも、陵刀教授はそれをからかった。
「そうだ、私はこれからルワンダに向かわなきゃならないんだ」
「ええっ!?」
「!」
「陵刀に会わずに行っちまうのか!?」
「仕方がない。もう私も年金を貰う年だというのに、周りが自由にしてくれんのだよ」
「ねんきん……」
「……なあ鉄生くん、名前くん……ラッコの親というのはね、子供の毛づくろいを生活の中で何よりも優先するんだよ」
「は?ナンの話?」
水中から持ってきたラッコの糞を見せながら、岩城は疑問をぶつけた。
「……確かに……いくらラッコでもここまでは――しかも腸の粘膜まで混じっている……」
陵刀教授は糞をシャーレに取りながら、観察した。
「…………」
「どうしました、教授?」
「……まだ判らないが……これは大変な事になるかも知れんな……」
「「ええ!?」」
「つか……いや羅高くん!すぐ館長に連絡して他のラッコをすべて別の水槽へ移すんだ!!急げ!」
「はっ、はい!」
羅高に扮した陵刀に指示を出すと、その場は騒然となった。
「……やはり間違いない……これはイエネコの糞に含まれる寄生性の原虫動物による下痢だ!あのラッコは、最近来たばかりで……まだ、他のラッコには奇跡的に感染していないようだ。発見が早かったのが幸いしたな」
陵刀教授の診断と言葉に、岩城と名前はホッとした。
「猿も馬鹿に出来ないでしょ?陵刀“教授”」
「ああ……やれやれ……とんでもない奴に惚れ込んだものだ、ウチの息子も……まあ、しかしそれを見抜く才能を育てたというのは、私の力と言ってもいいのかな?」
「父……教授?」
突然、陵刀教授が岩城を認める発言をした事によって、陵刀は動揺していた。
「鉄生くん」
「は?」
「これはまさしく君の患畜への情熱の表れだね。あそこで君が水に入らなかったら後にどうなっていた事か……少なくとも7つの命が救われたワケだ……ありがとう」
「!いやあ、そんなよォ……俺、こーゆーんしか出来ねーし……」
あそこまで岩城を下に診ていた陵刀教授が、岩城を心から認め礼を言った。
岩城は当たり前の事をしたまでだとでも言う様に慌てていた。
「……そうです……照れる事はありませんよ、R.E.D.の方……とある有名な獣医師の著書にはこう書いてありました。“獣医は見てるだけじゃ駄目だ、体を使え――”とね」
「!」
「まさに今の貴方がそれです。獣医の鑑です!飼育員の私も感謝します!」
「ま、話はそこまでとして、鉄生くん。今までの非礼のお詫びだ。ラッコの手術を見せてやろう」
「えっホント!?」
立ち上がりながら、貴重なラッコの手術を見せてやると言う陵刀教授だが、岩城は喜んだのも束の間、顔色を変えた。
「や……やっぱ俺がやる!!絶対ラッコ助ける!それに陵刀も――……」
「心配しなくていい……もうあの子を連れ戻すつもりはない」
「「え!?」」
「……司の仕事の成果はこの目で確かめたからね……これからもあの子について色々学びなさい。そして立派な獣医になるんです。君がそうなってくれれば、私も安心して隠居できる」
「おっ、おう!頑張るよ俺!」
「よし、では始めよう!滅多にない機会だから、しっかり覚えておきなさい」
「オス!!」
こうして岩城は陵刀教授に認められ、ラッコの手術を助手という形で学んだ。
「ふわーっ、スゲー手術だったー!メス捌きなんかよ、見えねーぐれー速ェーんだぜ!」
「へー!」
「俺ぁ全然まだまだだけど、将来ぜってーあんたみてーになりてーなー!」
「それはどうだろうねェ?」
「え~」
岩城が陵刀教授の手術に対して感激し、尊敬の言葉を表すも、陵刀教授はそれをからかった。
「そうだ、私はこれからルワンダに向かわなきゃならないんだ」
「ええっ!?」
「!」
「陵刀に会わずに行っちまうのか!?」
「仕方がない。もう私も年金を貰う年だというのに、周りが自由にしてくれんのだよ」
「ねんきん……」
「……なあ鉄生くん、名前くん……ラッコの親というのはね、子供の毛づくろいを生活の中で何よりも優先するんだよ」
「は?ナンの話?」