ラッコ
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「で、問題のラッコですが……」
「ちょっと待て!患畜は教えなくていい」
「はあ!?なんでだよーオヤッさん!」
「私にはもう判ったからだ」
「へ……?もう?」
「いいかい鉄生くん。ここにいる7頭のうち1頭が病気だ。キミもウチの息子の指導を受けているのなら…………どれがその1頭なのかぐらいすぐ判るね?」
「お……おう……」
陵刀教授が背を向けた途端、何故か岩城は徐ろに着ている服を脱ぎだした。
「ちょっ……鉄生先生!?」
「って、何してんだ君は!!」
名前の声に陵刀教授が振り向くと、そこには準備運動をしている岩城の姿があった。
「何ってそりゃ……海パン穿いたら水に入るに決まってんだろぉ!」
「いや、そういう問題ではなく……」
「今回の患畜はラッコだっちゅーから、わざわざ実家戻って穿いてきたんだよ!ダイジョブダイジョブ、驚かさないよーにそーっと入っからよ!」
「鉄生先生無謀だって!!」
名前の制止も聞かず、岩城はそのままラッコの水槽へと入っていった。
「……フッ……ハハハハハハハハ。なんだあいつは!!本物のバカだな!まさか獣医がこんなとびきり汚いラッコ水槽に入るとは……!なあ司――」
「もう観念しなよ、司さん……」
「!やはり……気付いてましたか……父さん――名前ちゃんにまで気付かれるとは思わなかったよ」
「私を誰だと思っている。天下の陵刀遣威だぞ!」
「これでも恋人の仕草位は判別出来るよ?」
「司……別にお前の指導が悪いとは言わん……あの岩城とかいう若造を含め、R.E.D.には性格のよい仲間が揃っているのも知っている……だがな!いくら性格がよくてもあの様な低レベルな者には教えこむにも限界がある!所詮猿は猿なのだ!だがお前は違う!人が猿の群れの中で同化出来るか?ムリな話だ!ムダな事は止めて私の元へ戻って来い!」
陵刀教授が言い終わると同時に、辺りに乾いた音が響いた。
「なっ……!?」
「名前ちゃん?!」
「いくらなんでも……言っていい事と悪い事があんだろっ!オッサン!!」
名前はその目に涙を浮かべながらも続けた。
「確かにウチ等はアンタから見りゃ猿かもしんない。でもね、猿にもプライドってモンがあるんだ!“仲間”をバカにされて黙っていられるか!!」
「小娘ごときが――……」
「名前ちゃん、落ち着いて……父さんは……」
「?」
「父さんは勘違いをされています……僕は彼に教えているばかりじゃない……!」
「何……?」
「僕は今、彼に教わっているんです!僕やアナタが失ってしまった情熱をね!!」
「情……熱……?」
「彼は患畜と対峙する時、自分の身がどうなるかなど考えません。密猟者に狙われようと熊がいようと、傷付くことを恐れない!時には獣医師免許を失いそうになってもね……今だってこんな冷たくて汚い水に潜って、患畜の命を救おうとしている。そんな事が今の僕達に……出来ますか?」
陵刀は岩城の患畜に対する想いを語り、自身の父と対峙した。
「くだらん!それは奴が絶対音感しか能のない人間だからだ!我々の様に初見で診断出来れば、こんな所へ潜る必要はない!クズに感化されてとんだ愚か者に成り下がりおって!これではなんの為にお前をそこまでにしたか分らん!!」
「彼は……クズではありません……それどころか、例え絶対音感が無かったとしても……彼は僕が出会った人間の中で……最高の獣医師です!!」
陵刀と陵刀教授が睨み合う中、名前は苛立ちを隠そうともせずに陵刀教授を睨みつけていた。
「司――……」
「ぶはっ!」
そんな険悪な空気など知らない岩城が、水中から顔を出して確認した。
「なあなあラコ―さん!患畜ってホントに1頭だけかー?」
「え……?ええ、もちろん……」
「おっかしーなー。俺には2頭いるような気がしてしょーがねェんだけど……」
「何……?どういう事だ、それは?」
岩城の発言に、陵刀教授が反応した。
「ちょっと待て!患畜は教えなくていい」
「はあ!?なんでだよーオヤッさん!」
「私にはもう判ったからだ」
「へ……?もう?」
「いいかい鉄生くん。ここにいる7頭のうち1頭が病気だ。キミもウチの息子の指導を受けているのなら…………どれがその1頭なのかぐらいすぐ判るね?」
「お……おう……」
陵刀教授が背を向けた途端、何故か岩城は徐ろに着ている服を脱ぎだした。
「ちょっ……鉄生先生!?」
「って、何してんだ君は!!」
名前の声に陵刀教授が振り向くと、そこには準備運動をしている岩城の姿があった。
「何ってそりゃ……海パン穿いたら水に入るに決まってんだろぉ!」
「いや、そういう問題ではなく……」
「今回の患畜はラッコだっちゅーから、わざわざ実家戻って穿いてきたんだよ!ダイジョブダイジョブ、驚かさないよーにそーっと入っからよ!」
「鉄生先生無謀だって!!」
名前の制止も聞かず、岩城はそのままラッコの水槽へと入っていった。
「……フッ……ハハハハハハハハ。なんだあいつは!!本物のバカだな!まさか獣医がこんなとびきり汚いラッコ水槽に入るとは……!なあ司――」
「もう観念しなよ、司さん……」
「!やはり……気付いてましたか……父さん――名前ちゃんにまで気付かれるとは思わなかったよ」
「私を誰だと思っている。天下の陵刀遣威だぞ!」
「これでも恋人の仕草位は判別出来るよ?」
「司……別にお前の指導が悪いとは言わん……あの岩城とかいう若造を含め、R.E.D.には性格のよい仲間が揃っているのも知っている……だがな!いくら性格がよくてもあの様な低レベルな者には教えこむにも限界がある!所詮猿は猿なのだ!だがお前は違う!人が猿の群れの中で同化出来るか?ムリな話だ!ムダな事は止めて私の元へ戻って来い!」
陵刀教授が言い終わると同時に、辺りに乾いた音が響いた。
「なっ……!?」
「名前ちゃん?!」
「いくらなんでも……言っていい事と悪い事があんだろっ!オッサン!!」
名前はその目に涙を浮かべながらも続けた。
「確かにウチ等はアンタから見りゃ猿かもしんない。でもね、猿にもプライドってモンがあるんだ!“仲間”をバカにされて黙っていられるか!!」
「小娘ごときが――……」
「名前ちゃん、落ち着いて……父さんは……」
「?」
「父さんは勘違いをされています……僕は彼に教えているばかりじゃない……!」
「何……?」
「僕は今、彼に教わっているんです!僕やアナタが失ってしまった情熱をね!!」
「情……熱……?」
「彼は患畜と対峙する時、自分の身がどうなるかなど考えません。密猟者に狙われようと熊がいようと、傷付くことを恐れない!時には獣医師免許を失いそうになってもね……今だってこんな冷たくて汚い水に潜って、患畜の命を救おうとしている。そんな事が今の僕達に……出来ますか?」
陵刀は岩城の患畜に対する想いを語り、自身の父と対峙した。
「くだらん!それは奴が絶対音感しか能のない人間だからだ!我々の様に初見で診断出来れば、こんな所へ潜る必要はない!クズに感化されてとんだ愚か者に成り下がりおって!これではなんの為にお前をそこまでにしたか分らん!!」
「彼は……クズではありません……それどころか、例え絶対音感が無かったとしても……彼は僕が出会った人間の中で……最高の獣医師です!!」
陵刀と陵刀教授が睨み合う中、名前は苛立ちを隠そうともせずに陵刀教授を睨みつけていた。
「司――……」
「ぶはっ!」
そんな険悪な空気など知らない岩城が、水中から顔を出して確認した。
「なあなあラコ―さん!患畜ってホントに1頭だけかー?」
「え……?ええ、もちろん……」
「おっかしーなー。俺には2頭いるような気がしてしょーがねェんだけど……」
「何……?どういう事だ、それは?」
岩城の発言に、陵刀教授が反応した。