ラッコ
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「名字、お前大丈夫なのか?!」
「2人は黙っててくんないかな?今、陵刀教授と話してるんだから」
「おや……それが君の“素”なのかな?随分と育ちが悪い口の聞き方だ。親の顔が見てみたいな」
「それが何か?確かにウチはアンタから見たら裕福でも教養があるワケでもない、ごく一般的な庶民の家だ。それでも、そんなウチを選んだのはアンタの育てた息子だ。文句があるなら、ウチの親にじゃなくウチに言え。親は関係ないだろ?」
明らかに敵意を剥き出しにした名前は、陵刀教授に食って掛かった。
「確かに……この問題に君のご両親は関係ないな。しかし、私は君と司が付き合う事に納得出来ない」
「アンタに認めて貰おうなんて思ってない。ウチはウチを選んだ司さんの気持ちに応えるしか出来ないからね。周りなんかどうでもいい。司さんが後悔しない様にするだけだ」
険悪な空気を漂わせたまま数時間程飛行し、名前達を乗せたヘリコプターは陵刀の叔父が経営するという水族館へ着いた。
「ここが義弟が経営する水族館だ」
水族館内を歩きながら、陵刀教授が説明していた。
名前達はその後ろを黙って付いて歩く。
「ああ、ドーモドーモ。父……陵刀教授とR.E.D.の方々ですね。遠路はるばるよくお越し下さいました。私はラッコ担当のりょ……羅高(らこう)と申します」
「ラッコの飼育員で羅高さん……変わってますねェ……」
「よく言われます」
「……にしてもアンタの声……俺どっかで聞いた気がすんだけど……」
「さあ?私はラッコ一筋20年――好きが高じて舎内に住み込むほどです。外に出た事もございません。お会いした事などないハズです」
どことなく慌てている羅高に、岩城は何故か納得していた。
「なんか声のトーン似てる気がしたんだけどな~」
「…………」
「さあ、どーぞこちらです――……」
羅高に連れられ、名前・岩城・陵刀父の3人がラッコの飼育水槽へと足を踏み入れた。
「ここが7頭のラッコの飼育水槽です。問題の1頭もこの中にいます」
「おう、意外に寒いんだな!」
「ラッコは寒い所の生きものですからね。気温12℃水温10℃、共にかなり低く設定しています。だからもし手術をする場合なんかは、体温を下げてあげなければならないんですよ」
「へー」
「通常麻酔をかけるとどの動物でも体温が上昇しますが、ラッコはそれらに輪をかけて体温が上がりやすいので注意が必要です。これは重要な事ですよ!」
「ホオオー!よく知ってんな!どっかの獣医みて~」
「ええ、まあ。ラッコ一筋20年ですから」
羅高の説明に、陵刀教授と名前は何かに気付き始めていた。
「どした?」
「いえいえ……では、そうですね。このコを見てください。実はラッコの毛は哺乳類の中では最多なのです。1cm四方の中に10万本も生えてるんですよ」
「フンフン!」
陸地にいるラッコを指しながら、羅高は説明を続けた。
「ラッコの毛は水に浮くためにも非常に重要なものなので、手術の際にも決して剃ったりしてはいけませんよ。そんな事をすれば、彼等は浮かべなくなる」
「えっ……;じゃ、モジャモジャのままやるの!?」
「ええ……しかし細心の注意を払ってやれば、難しい事はありません。そのコツは……」
「なんだ君のこの手は……随分キレイなんだねェ。20年も飼育員を続ければ、相応に荒れてくるハズだが……」
いきなり羅高の手を掴み、陵刀父は疑問を口に出した。
「い……いやその、それはですね……」
慌てた羅高が言い訳をしようとしたその時、羅高の首がグルリと回った。
「今……顔が?」
「「……」」
「ハッ!!い、いや実は私手品が得意で……首を180度回したり出来るんですよ!アッハッハー!!」
苦し紛れに笑いながら首を元に戻す羅高の姿に、陵刀教授は1つの結論に達した。
「2人は黙っててくんないかな?今、陵刀教授と話してるんだから」
「おや……それが君の“素”なのかな?随分と育ちが悪い口の聞き方だ。親の顔が見てみたいな」
「それが何か?確かにウチはアンタから見たら裕福でも教養があるワケでもない、ごく一般的な庶民の家だ。それでも、そんなウチを選んだのはアンタの育てた息子だ。文句があるなら、ウチの親にじゃなくウチに言え。親は関係ないだろ?」
明らかに敵意を剥き出しにした名前は、陵刀教授に食って掛かった。
「確かに……この問題に君のご両親は関係ないな。しかし、私は君と司が付き合う事に納得出来ない」
「アンタに認めて貰おうなんて思ってない。ウチはウチを選んだ司さんの気持ちに応えるしか出来ないからね。周りなんかどうでもいい。司さんが後悔しない様にするだけだ」
険悪な空気を漂わせたまま数時間程飛行し、名前達を乗せたヘリコプターは陵刀の叔父が経営するという水族館へ着いた。
「ここが義弟が経営する水族館だ」
水族館内を歩きながら、陵刀教授が説明していた。
名前達はその後ろを黙って付いて歩く。
「ああ、ドーモドーモ。父……陵刀教授とR.E.D.の方々ですね。遠路はるばるよくお越し下さいました。私はラッコ担当のりょ……羅高(らこう)と申します」
「ラッコの飼育員で羅高さん……変わってますねェ……」
「よく言われます」
「……にしてもアンタの声……俺どっかで聞いた気がすんだけど……」
「さあ?私はラッコ一筋20年――好きが高じて舎内に住み込むほどです。外に出た事もございません。お会いした事などないハズです」
どことなく慌てている羅高に、岩城は何故か納得していた。
「なんか声のトーン似てる気がしたんだけどな~」
「…………」
「さあ、どーぞこちらです――……」
羅高に連れられ、名前・岩城・陵刀父の3人がラッコの飼育水槽へと足を踏み入れた。
「ここが7頭のラッコの飼育水槽です。問題の1頭もこの中にいます」
「おう、意外に寒いんだな!」
「ラッコは寒い所の生きものですからね。気温12℃水温10℃、共にかなり低く設定しています。だからもし手術をする場合なんかは、体温を下げてあげなければならないんですよ」
「へー」
「通常麻酔をかけるとどの動物でも体温が上昇しますが、ラッコはそれらに輪をかけて体温が上がりやすいので注意が必要です。これは重要な事ですよ!」
「ホオオー!よく知ってんな!どっかの獣医みて~」
「ええ、まあ。ラッコ一筋20年ですから」
羅高の説明に、陵刀教授と名前は何かに気付き始めていた。
「どした?」
「いえいえ……では、そうですね。このコを見てください。実はラッコの毛は哺乳類の中では最多なのです。1cm四方の中に10万本も生えてるんですよ」
「フンフン!」
陸地にいるラッコを指しながら、羅高は説明を続けた。
「ラッコの毛は水に浮くためにも非常に重要なものなので、手術の際にも決して剃ったりしてはいけませんよ。そんな事をすれば、彼等は浮かべなくなる」
「えっ……;じゃ、モジャモジャのままやるの!?」
「ええ……しかし細心の注意を払ってやれば、難しい事はありません。そのコツは……」
「なんだ君のこの手は……随分キレイなんだねェ。20年も飼育員を続ければ、相応に荒れてくるハズだが……」
いきなり羅高の手を掴み、陵刀父は疑問を口に出した。
「い……いやその、それはですね……」
慌てた羅高が言い訳をしようとしたその時、羅高の首がグルリと回った。
「今……顔が?」
「「……」」
「ハッ!!い、いや実は私手品が得意で……首を180度回したり出来るんですよ!アッハッハー!!」
苦し紛れに笑いながら首を元に戻す羅高の姿に、陵刀教授は1つの結論に達した。