コアラ
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「しかし、それは寿命の短い野生のコアラの話――寿命の長い動物園のコアラは別だ!野生であれば7~8年程のコアラの寿命も、動物園では平均12年、最長で19年という記録もある。そこまで長寿になれば、草食動物であろうと歯に不具合も出る。実際コアラの本場オーストラリアでは、動物園のコアラの虫歯の治療など珍しい事ではない。しかもこのコアラは9歳!虫歯の疑いは十分にある!大至急治療を始めましょう!鉄生クン!コアラを捕獲し、診てみてください!」
「おう!」
陵刀に指示を出された岩城は、直ぐにコアラを捕獲しに走った。
岩城と瀬能がコアラを治療室へ連れて行くのを見送り、名前は陵刀の出方を伺っていた。
「おーい!陵刀、あったぞ虫歯ーっ!」
「土の事といい、虫歯の件といい……あんたに知識があれば未然に防げた事ばかり――今度こんな事で動物を病気にしたら――……僕が貴方を殺っちゃうよ♡」
「……!!」
すれ違いざまに物騒な事を言う陵刀に、園長は力なくへたり込んでいた。
「鉄生クン、治療!僕、他のコアラも診るから」
「へい!」
「じゃ先生すいません、あちらのコアラから……」
「至って健康体ですね」
「じゃ、このメスは……」
「ああ、こっちも問題無いですね」
全てのコアラの診察・治療を終えた4人と1匹は、岩城行きつけのお店に寄っていた。
「あーっ、仕事の後のメシは美味い!!あっ店長、どデカ焼鳥丼おかわり♡」
「……だから、そんなメニューないのよ……」
「……ホント、よく食べますね……」
「……でもやるねェ鉄生クン……君がいなければ虫歯の発見が遅れて、コアラの命を危うくするところだったよ。礼を言うよ……ありがとう」
「陵刀先生でも人に感謝する心があったんですね~」
「何気に酷い事言うね、名前ちゃん。お仕置きが必要かな?」
「……ゴメンナサイ」
背筋に冷たいモノが流れた名前は、即座に謝り小さくなった。
「んなっ……っだよ、オメー急によ――」
「恥ずかしがる事はない。今回の君は実に素晴らしい仕事をした」
「いや――何言ってんだよ、お前だって……」
陵刀は何を思ったのか、岩城が飲んでいたウーロン茶を徐ろに奪うと、ソレを飲んだ。
「俺のウーロン……」
「本気で好きになっちゃいそうな程にね♡」
ガリッとグラスの氷を噛み砕きながら、陵刀は岩城を見ていた。
「勘弁して下さい……それだけは……」
「サボり癖じゃなく、こっちの方が問題なんじゃ……」
「名前ちゃん」
「へ……はい?」
「キミの事も本気で好きになっちゃいそう♡」
「はいぃ?!何処にそんな要素があった!?ねぇ!!」
「だってキミ、診察中に一生懸命メモを取ってただろう?獣医師でも看護師でもないのに、動物の為に必死に勉強している姿に惹かれてね♡」
「確かにメモは取ってましたけど……ソレとコレとは別問題ですよ!?」
陵刀の言葉を否定するかの様に慌てる名前だが、当の陵刀はそんな事お構いなしだった。
「別問題なんかじゃないさ。それに、僕は君が気に入った。それだけだよ。僕、諦めが悪いから覚悟しておいてね?」
ニコニコと笑みを絶やさずに言う陵刀を見て、名前はブルリと震えた。
そこへ漸く岩城が壊したお店の備品を片付けながら会話に加わった。
「けどよ、やっぱ今回の手柄はコイツだぜ!俺の言った通り、コイツには絶対嗅覚があったんだって!!ま、犬は喋れねーからワンワン吠えるしかねーけど、そのおかげで俺は虫歯に気付いたんだぜ!なっ、犬!」
「ワウ!!」
しゃがんで犬に視線を合わせながら、岩城は犬を褒めた。
「……」
「陵刀先生?」
「そうだね、もう犬を鍋にするなんて言わないよ。赤犬は結構美味いんだけど……うん、諦めるよ……」
「ワウワウゥ~!!」
「よ……良かったな、犬ーっ!!」
陵刀の言葉を理解した犬は、岩城と共に喜んでいた。
「何で犬ちゃん、コアラの事判ったんだろ……」
「それ、私も思った!でもさ、何で名前が“犬”なの?そっちの方が気になる……」
「おう!」
陵刀に指示を出された岩城は、直ぐにコアラを捕獲しに走った。
岩城と瀬能がコアラを治療室へ連れて行くのを見送り、名前は陵刀の出方を伺っていた。
「おーい!陵刀、あったぞ虫歯ーっ!」
「土の事といい、虫歯の件といい……あんたに知識があれば未然に防げた事ばかり――今度こんな事で動物を病気にしたら――……僕が貴方を殺っちゃうよ♡」
「……!!」
すれ違いざまに物騒な事を言う陵刀に、園長は力なくへたり込んでいた。
「鉄生クン、治療!僕、他のコアラも診るから」
「へい!」
「じゃ先生すいません、あちらのコアラから……」
「至って健康体ですね」
「じゃ、このメスは……」
「ああ、こっちも問題無いですね」
全てのコアラの診察・治療を終えた4人と1匹は、岩城行きつけのお店に寄っていた。
「あーっ、仕事の後のメシは美味い!!あっ店長、どデカ焼鳥丼おかわり♡」
「……だから、そんなメニューないのよ……」
「……ホント、よく食べますね……」
「……でもやるねェ鉄生クン……君がいなければ虫歯の発見が遅れて、コアラの命を危うくするところだったよ。礼を言うよ……ありがとう」
「陵刀先生でも人に感謝する心があったんですね~」
「何気に酷い事言うね、名前ちゃん。お仕置きが必要かな?」
「……ゴメンナサイ」
背筋に冷たいモノが流れた名前は、即座に謝り小さくなった。
「んなっ……っだよ、オメー急によ――」
「恥ずかしがる事はない。今回の君は実に素晴らしい仕事をした」
「いや――何言ってんだよ、お前だって……」
陵刀は何を思ったのか、岩城が飲んでいたウーロン茶を徐ろに奪うと、ソレを飲んだ。
「俺のウーロン……」
「本気で好きになっちゃいそうな程にね♡」
ガリッとグラスの氷を噛み砕きながら、陵刀は岩城を見ていた。
「勘弁して下さい……それだけは……」
「サボり癖じゃなく、こっちの方が問題なんじゃ……」
「名前ちゃん」
「へ……はい?」
「キミの事も本気で好きになっちゃいそう♡」
「はいぃ?!何処にそんな要素があった!?ねぇ!!」
「だってキミ、診察中に一生懸命メモを取ってただろう?獣医師でも看護師でもないのに、動物の為に必死に勉強している姿に惹かれてね♡」
「確かにメモは取ってましたけど……ソレとコレとは別問題ですよ!?」
陵刀の言葉を否定するかの様に慌てる名前だが、当の陵刀はそんな事お構いなしだった。
「別問題なんかじゃないさ。それに、僕は君が気に入った。それだけだよ。僕、諦めが悪いから覚悟しておいてね?」
ニコニコと笑みを絶やさずに言う陵刀を見て、名前はブルリと震えた。
そこへ漸く岩城が壊したお店の備品を片付けながら会話に加わった。
「けどよ、やっぱ今回の手柄はコイツだぜ!俺の言った通り、コイツには絶対嗅覚があったんだって!!ま、犬は喋れねーからワンワン吠えるしかねーけど、そのおかげで俺は虫歯に気付いたんだぜ!なっ、犬!」
「ワウ!!」
しゃがんで犬に視線を合わせながら、岩城は犬を褒めた。
「……」
「陵刀先生?」
「そうだね、もう犬を鍋にするなんて言わないよ。赤犬は結構美味いんだけど……うん、諦めるよ……」
「ワウワウゥ~!!」
「よ……良かったな、犬ーっ!!」
陵刀の言葉を理解した犬は、岩城と共に喜んでいた。
「何で犬ちゃん、コアラの事判ったんだろ……」
「それ、私も思った!でもさ、何で名前が“犬”なの?そっちの方が気になる……」