美坂
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「フォローになってねェ!!」
名前が岩城を元気づけようとしていると、陵刀が事情を説明しだした。
「そんなんじゃないよ。転属と言っても、数週間のレンタル移籍だからさ。すぐ二科に戻ってこれるよ」
言いながら岩城を見る陵刀に、岩城は疑問符を浮かべていた。
「じゃ、行こうか。六科まで僕と名前ちゃんが案内するよ」
「え?ウチも??」
「当たり前でしょ?僕が名前ちゃんと離れたくないんだから♡」
「……」
「……っだよ、なんか狭いぞこの車よー。ファミリーワゴンなら寝れるのに」
「文句言わないの♡」
「…………」
「へーっ、六科ってのは院内にあるんじゃねェんだあ。車使わにゃいかん程遠いのか――」
R.E.D.を出て暫く経った所で、岩城が窓の外を見ながら言った。
「ああ……ところで鉄生くん。肉は好きかい?」
「へ……?い……いや好きだけど……」
「なら良かった……実は六科は牛専門――……日本一の肉牛、真島牛を飼育する農家の一つと契約してるんだ」
ブレーキを踏み車を止めながら、陵刀は六科について話しだした。
「!」
「え……それって?」
「そう、君にとっては初めての経験……食用患畜の治療だ!」
「!!」
「食用患畜……考えただけでキツそう……」
「……出来る?」
ミラー越しに岩城に視線を遣り、陵刀は確認した。
「ハッ!あったりめーじゃねェか、俺だってプロだぜ!何であろうと、生きてる以上俺の患畜だよ!それに、皆が食べてるモンを病気にさせないってこたぁ立派な仕事じゃねーか!なぁ陵刀!」
岩城はさも当たり前のように笑いながら答えた。
信号待ちをしていた車を発進させながら、陵刀は岩城の言葉に若干だが安心した。
「ああ、僕もそう思うよ。君の口からそう聞ければ安心だ……でも、それだけじゃないんだよ。ちょっと六科は特別でね……1人しかいないんだ」
「はあ!?1人ぃ!?」
「なんでまた……」
「R.E.D.は最初は五科まででね。六科は2年前に出来たんだ。でも……」
「でも……?」
「今も牛やブタ……家畜の治療は一科や三科でやってるし……実際には必要ない科なんだよ」
「あ?ナニソレ?だったら無くせばいーじゃねェか、そんなん」
「……六科はね……院長の知人の農家を紹介してまで、そこにいるたった1人の獣医をクビにしないために作られたんだ。元・二科のエース、美坂洋平という男をね……」
「へぇ!そんなスゲー人なのか!?」
「……彼は非常に情熱的な男で、患畜に対する想いは人一倍……しかもオペの腕はR.E.D.No.1――……」
「No.1!」
「……と言われてたんだけど、ある事がきっかけで実は……今――……」
「すげー!!じゃあ、じゃあさ!!お前や院長よか手術がスゲーって事なんだよな!!」
「ま、昔は……」
「そっか、そーゆー事か!」
「え?」
「つまり院長は、俺がそのスゲー人から色々教えて貰えるように、そこに転属させたんだな!」
「んー……まあそんなとこかな?」
「うおーっ、早く会いてーなー!!やるぞー、犬ー!!」
「ワウッ!!」
車内には岩城と犬のやる気に溢れた声が響いた。
某県某所にあるR.E.D.第六科の出張所近くに岩城達を降ろすと、陵刀は挨拶もせずにそのまま車を発進させていた。
「……いいの?何も言わずに置いてきて」
「んー……何か言った所で、現実が変わるわけじゃないし――……いいんじゃない?」
「現実?」
「そう、現実」
「何があったのか……話してくれるよね?」
「うん。R.E.D.に戻ったら、ゆっくり話してあげるよ。美坂という男について……ね」
車内に流れる不穏な空気。そんな空気を変えようと、陵刀は口を開いた。
「それより名前ちゃん」
「?」
「今日、仕事終わった後時間ある?」
「……あるっちゃあるけど、どうして?」
名前が岩城を元気づけようとしていると、陵刀が事情を説明しだした。
「そんなんじゃないよ。転属と言っても、数週間のレンタル移籍だからさ。すぐ二科に戻ってこれるよ」
言いながら岩城を見る陵刀に、岩城は疑問符を浮かべていた。
「じゃ、行こうか。六科まで僕と名前ちゃんが案内するよ」
「え?ウチも??」
「当たり前でしょ?僕が名前ちゃんと離れたくないんだから♡」
「……」
「……っだよ、なんか狭いぞこの車よー。ファミリーワゴンなら寝れるのに」
「文句言わないの♡」
「…………」
「へーっ、六科ってのは院内にあるんじゃねェんだあ。車使わにゃいかん程遠いのか――」
R.E.D.を出て暫く経った所で、岩城が窓の外を見ながら言った。
「ああ……ところで鉄生くん。肉は好きかい?」
「へ……?い……いや好きだけど……」
「なら良かった……実は六科は牛専門――……日本一の肉牛、真島牛を飼育する農家の一つと契約してるんだ」
ブレーキを踏み車を止めながら、陵刀は六科について話しだした。
「!」
「え……それって?」
「そう、君にとっては初めての経験……食用患畜の治療だ!」
「!!」
「食用患畜……考えただけでキツそう……」
「……出来る?」
ミラー越しに岩城に視線を遣り、陵刀は確認した。
「ハッ!あったりめーじゃねェか、俺だってプロだぜ!何であろうと、生きてる以上俺の患畜だよ!それに、皆が食べてるモンを病気にさせないってこたぁ立派な仕事じゃねーか!なぁ陵刀!」
岩城はさも当たり前のように笑いながら答えた。
信号待ちをしていた車を発進させながら、陵刀は岩城の言葉に若干だが安心した。
「ああ、僕もそう思うよ。君の口からそう聞ければ安心だ……でも、それだけじゃないんだよ。ちょっと六科は特別でね……1人しかいないんだ」
「はあ!?1人ぃ!?」
「なんでまた……」
「R.E.D.は最初は五科まででね。六科は2年前に出来たんだ。でも……」
「でも……?」
「今も牛やブタ……家畜の治療は一科や三科でやってるし……実際には必要ない科なんだよ」
「あ?ナニソレ?だったら無くせばいーじゃねェか、そんなん」
「……六科はね……院長の知人の農家を紹介してまで、そこにいるたった1人の獣医をクビにしないために作られたんだ。元・二科のエース、美坂洋平という男をね……」
「へぇ!そんなスゲー人なのか!?」
「……彼は非常に情熱的な男で、患畜に対する想いは人一倍……しかもオペの腕はR.E.D.No.1――……」
「No.1!」
「……と言われてたんだけど、ある事がきっかけで実は……今――……」
「すげー!!じゃあ、じゃあさ!!お前や院長よか手術がスゲーって事なんだよな!!」
「ま、昔は……」
「そっか、そーゆー事か!」
「え?」
「つまり院長は、俺がそのスゲー人から色々教えて貰えるように、そこに転属させたんだな!」
「んー……まあそんなとこかな?」
「うおーっ、早く会いてーなー!!やるぞー、犬ー!!」
「ワウッ!!」
車内には岩城と犬のやる気に溢れた声が響いた。
某県某所にあるR.E.D.第六科の出張所近くに岩城達を降ろすと、陵刀は挨拶もせずにそのまま車を発進させていた。
「……いいの?何も言わずに置いてきて」
「んー……何か言った所で、現実が変わるわけじゃないし――……いいんじゃない?」
「現実?」
「そう、現実」
「何があったのか……話してくれるよね?」
「うん。R.E.D.に戻ったら、ゆっくり話してあげるよ。美坂という男について……ね」
車内に流れる不穏な空気。そんな空気を変えようと、陵刀は口を開いた。
「それより名前ちゃん」
「?」
「今日、仕事終わった後時間ある?」
「……あるっちゃあるけど、どうして?」