美坂
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「院長!!僕は絶対に反対です!!」
とある朝、院長室の中に陵刀の声が響き渡っていた。
「…………」
「聞いてるんですか、院長!鉄生くんは二科に必要な人間です!他の科に回す事は出来ません!」
「渡すワケではない。あくまで、短期間のレンタル移籍だ。数週間すれば二科に戻す」
「し……しかし院長……いくらなんでも六科へだなんて……あそこは美坂の科です……!あいつには何人もの獣医が潰されて……」
「陵刀!俺は六科があのままでいいとは思っていない。変えなければならんのだ。あの男……美坂をな」
知らない名前が出てきた事で、名前の頭には疑問符が浮かぶばかりだった。
「そ……それは解ります……ですが二科も人手不足で、ほとんどの獣医が出張先から別の出張先へ移動している様な状態ですし……」
「岩城は1年目だ。いくら才能があっても二科にとっては、まだ重要な獣医とは言えまい」
「そ……それは……」
「とにかく、これはオーナーとも話し合った上での結論だ。変更はない。それに……岩城は六科を変える唯一の可能性のある人間だ。そうは思わんか、陵刀?」
院長室を出た陵刀は、不機嫌そのものだった。さすがの名前も、陵刀に話し掛ける事が出来ずに黙ってその後をついて歩くしかなかった。
「もオォ先生ってばーっ!!」
そんな陵刀耳に、瀬能の声が聞こえてきた。
陵刀はその声に反応して足を止めると、瀬能がいる診察室へと入っていった。
「瀬能さん、鉄生くんそこにいるの?」
陵刀と一緒に診察室の中に入ると、瀬能は明らかに動揺していた。
「あっあの、その……これにはワケが……」
「「?」」
瀬能の反応に衝立の後ろが気になり、名前は思わず覗き見た。
「ちょっ……くっ、あはは」
「ナニナニ~?」
名前が声を出して笑った事で、陵刀も名前の後ろから衝立の後ろを覗きこんだ。
「プッ……あはははは!!ナニあのアイマスクー!!」
衝立の後ろ――診察台の上では岩城と犬が寝ていた。
「笑い事じゃないですよー。名前さん、陵刀先生!!;」
「いやいや、ごめん。診察台に和式ぶとん敷いて寝てる獣医なんて初めて見たから^^」
「こんな事するって……鉄生先生――……くくく」
「いやー面白いなー。で、どうしてこーなったワケ?」
「いやそれが~……先生、昨夜の帰りがけ……一科に入院中の犬の患畜さんが、ホームシックで吠え続けてるの見つけたらしくて……結局朝まで犬の相手してたそーなんです」
「朝まで?!」
「フーン……そりゃ……スゴいねェ……」
瀬能の話を聞いて、陵刀は何かを考えている顔になっていた。
「先生、今日は午後から出勤なんで11時には起きないとダメなんですけど……今も起きてくんないし!!ホントに起きるか気が気じゃなくて……」
「その心配はないよ」
そう言いながら、陵刀は身を屈めて岩城の顔に自身の顔を近づけた。
「鉄生くんお・き・て♡」
右耳を指で掴み息を吹きかけながら陵刀が言うと、岩城と犬は物凄い音を響かせながら診察台から落ちて壁際へと逃げて行った。
「おはよ」
「ああ、何だ陵刀か。あーびっくりした」
「鉄生先生、気の毒に……」
「名前ちゃんも、僕が寝てたら今みたいに起こしてね♡すぐに起きるから♡」
「やらんわ!」
岩城が完全に起きた事を確認し、名前達4人と1匹は正面玄関から外に出ていた。
「転属ゥ!?」
「仕方ないんだ、院長命令でね」
駐車場に移動しながら、岩城は陵刀に問い質していた。
「なんでだよ、そんなイキナリ……」
「や……やっぱ、この人がおバカさんだからですか?これでも先生は先生なりに頑張っているんですよ!陵刀先生だって知ってるじゃないですか!!」
「バ……バカって……」
「瀬能さん、意外と辛辣だね……」
「否定しろよ、名字!!」
「いやぁ……そこが鉄生先生のいい所だし?」
とある朝、院長室の中に陵刀の声が響き渡っていた。
「…………」
「聞いてるんですか、院長!鉄生くんは二科に必要な人間です!他の科に回す事は出来ません!」
「渡すワケではない。あくまで、短期間のレンタル移籍だ。数週間すれば二科に戻す」
「し……しかし院長……いくらなんでも六科へだなんて……あそこは美坂の科です……!あいつには何人もの獣医が潰されて……」
「陵刀!俺は六科があのままでいいとは思っていない。変えなければならんのだ。あの男……美坂をな」
知らない名前が出てきた事で、名前の頭には疑問符が浮かぶばかりだった。
「そ……それは解ります……ですが二科も人手不足で、ほとんどの獣医が出張先から別の出張先へ移動している様な状態ですし……」
「岩城は1年目だ。いくら才能があっても二科にとっては、まだ重要な獣医とは言えまい」
「そ……それは……」
「とにかく、これはオーナーとも話し合った上での結論だ。変更はない。それに……岩城は六科を変える唯一の可能性のある人間だ。そうは思わんか、陵刀?」
院長室を出た陵刀は、不機嫌そのものだった。さすがの名前も、陵刀に話し掛ける事が出来ずに黙ってその後をついて歩くしかなかった。
「もオォ先生ってばーっ!!」
そんな陵刀耳に、瀬能の声が聞こえてきた。
陵刀はその声に反応して足を止めると、瀬能がいる診察室へと入っていった。
「瀬能さん、鉄生くんそこにいるの?」
陵刀と一緒に診察室の中に入ると、瀬能は明らかに動揺していた。
「あっあの、その……これにはワケが……」
「「?」」
瀬能の反応に衝立の後ろが気になり、名前は思わず覗き見た。
「ちょっ……くっ、あはは」
「ナニナニ~?」
名前が声を出して笑った事で、陵刀も名前の後ろから衝立の後ろを覗きこんだ。
「プッ……あはははは!!ナニあのアイマスクー!!」
衝立の後ろ――診察台の上では岩城と犬が寝ていた。
「笑い事じゃないですよー。名前さん、陵刀先生!!;」
「いやいや、ごめん。診察台に和式ぶとん敷いて寝てる獣医なんて初めて見たから^^」
「こんな事するって……鉄生先生――……くくく」
「いやー面白いなー。で、どうしてこーなったワケ?」
「いやそれが~……先生、昨夜の帰りがけ……一科に入院中の犬の患畜さんが、ホームシックで吠え続けてるの見つけたらしくて……結局朝まで犬の相手してたそーなんです」
「朝まで?!」
「フーン……そりゃ……スゴいねェ……」
瀬能の話を聞いて、陵刀は何かを考えている顔になっていた。
「先生、今日は午後から出勤なんで11時には起きないとダメなんですけど……今も起きてくんないし!!ホントに起きるか気が気じゃなくて……」
「その心配はないよ」
そう言いながら、陵刀は身を屈めて岩城の顔に自身の顔を近づけた。
「鉄生くんお・き・て♡」
右耳を指で掴み息を吹きかけながら陵刀が言うと、岩城と犬は物凄い音を響かせながら診察台から落ちて壁際へと逃げて行った。
「おはよ」
「ああ、何だ陵刀か。あーびっくりした」
「鉄生先生、気の毒に……」
「名前ちゃんも、僕が寝てたら今みたいに起こしてね♡すぐに起きるから♡」
「やらんわ!」
岩城が完全に起きた事を確認し、名前達4人と1匹は正面玄関から外に出ていた。
「転属ゥ!?」
「仕方ないんだ、院長命令でね」
駐車場に移動しながら、岩城は陵刀に問い質していた。
「なんでだよ、そんなイキナリ……」
「や……やっぱ、この人がおバカさんだからですか?これでも先生は先生なりに頑張っているんですよ!陵刀先生だって知ってるじゃないですか!!」
「バ……バカって……」
「瀬能さん、意外と辛辣だね……」
「否定しろよ、名字!!」
「いやぁ……そこが鉄生先生のいい所だし?」