ラクダ
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何も反応しない名前を訝しく思いながらも、陵刀は名前の背後に立ち、椅子越しにそのまま名前の身体を抱き寄せた。
「独りで泣かないで。僕が側にいるから……だから、そんなに抱え込まないで」
陵刀の優しい言葉に、名前は抑えていた涙が自然と流れ出ていた。
「そういう事、言わないで……」
「どうして?」
「流されたくない……」
「え?」
「そんな言葉に……ウチは流されたくない」
声を詰まらせながらも、名前は続けた。
「……こんな事で……誰かに依存したくない」
「依存してよ」
「……は?何言って――……」
「僕に依存してよ、名前ちゃん……」
抱きしめる腕に力を込め、陵刀は懇願にも似た声音で言った。
「僕は君の為なら何だってする。だから、依存して欲しい」
「……嫌だ。もう――誰かに依存したくない…………前みたくなりたくない!」
名前は身を捩ってみるも、陵刀は力を弱めるどころか更に強くした。
「僕は君の元カレとは違う。君に暴力を振るったりしない。だから――僕を信じて受け入れてくれ」
ぎゅっと抱きしめてくる陵刀は、その顔を名前の肩に埋めながら言った。
「少しずつでいい。僕を受け入れてくれないかな?」
泣きそうな弱々しい声で言う陵刀に、何故か名前は罪悪感を覚えた。
「……ズルいよ」
「ズルくてもいい。僕は君に受け入れて欲しいだけだ」
「なんでそこまで……ウチに固執するの?珍しいから??」
「前に言ったろ?僕は最初、患畜に対する君の姿勢に惹かれた。だけど、今は君のすべてを知って受け入れたいと思ってる。確かに今まで僕の周りには名前ちゃんみたいな人はいなかった。だが決して君が珍しいからじゃない。単純に君が好きなんだ、名前ちゃん」
「……」
「今すぐ返事をしてくれとは言わない。けど、僕が本気だって事だけは忘れないで」
「…………解った」
「本当?」
「……すぐには無理だけど……考えとく」
「良かった♡」
嬉しそうに顔を綻ばせながら、陵刀は名前のこめかみにキスをした。
「ちょっ!?陵刀先生?!」
「なに?」
「“なに?”じゃない!何しやがる!!」
「“何”って……愛情表現だけど」
シレッと言う陵刀に、名前は殺意を抱いた。
「そういう愛情表現は恋人にしろ!恋人に!!」
「やだなぁ、名前ちゃんが僕の恋人になるんだからいいじゃない♪」
「勝手に決めるなー!!」
その後雨も上がり、ラクダの診療に行っていた岩城達が戻って来た。
「あー、やっぱりー?」
「やっぱりって……」
医局で岩城達から報告を聞きながら、コーヒーを飲んでいる陵刀。
「ラクダとかキリンってビニール大好きで、雨の日なんかはたまにお客さんの傘食べちゃうんだよね――あのビニール、彼等の好きな甘い匂いするかららしーんだけど。アレって胃の中で硬化しちゃってカタマリになるから、吐き出せなくなるんだよね――でも……診療は簡単だけど診察は大変だったでしょ?蹴られたりツバかけられたり。手術も局部麻酔だけだから、術中にツバかけられるし――ま、僕も確証があったワケじゃないし、とりあえず傘の事は言わなかったんだけど――」
「あのな陵刀~、俺等に頼みたかったんなら最初からそう言えよ」
あまりの陵刀の態度に、岩城がキレた。
「そうですよ、ちゃんと話してくれれば僕等だって嫌な顔しませんよ」
「分かったよ、ごめんごめん。僕に苦手な動物があるなんて、ちょっと言いづらくて……ね♡」
「アホか!言いづらいもなにも、じじい眠らせたって後でバレんだろーが!」
「いや、それがそうでもないんだよ。寝てる間にちゃんと洗脳しとくとォ……あの人意外に覚えてないんだよねー♪」
陵刀が物騒な事を言っていると、オーナーが医局に入ってきた。
「独りで泣かないで。僕が側にいるから……だから、そんなに抱え込まないで」
陵刀の優しい言葉に、名前は抑えていた涙が自然と流れ出ていた。
「そういう事、言わないで……」
「どうして?」
「流されたくない……」
「え?」
「そんな言葉に……ウチは流されたくない」
声を詰まらせながらも、名前は続けた。
「……こんな事で……誰かに依存したくない」
「依存してよ」
「……は?何言って――……」
「僕に依存してよ、名前ちゃん……」
抱きしめる腕に力を込め、陵刀は懇願にも似た声音で言った。
「僕は君の為なら何だってする。だから、依存して欲しい」
「……嫌だ。もう――誰かに依存したくない…………前みたくなりたくない!」
名前は身を捩ってみるも、陵刀は力を弱めるどころか更に強くした。
「僕は君の元カレとは違う。君に暴力を振るったりしない。だから――僕を信じて受け入れてくれ」
ぎゅっと抱きしめてくる陵刀は、その顔を名前の肩に埋めながら言った。
「少しずつでいい。僕を受け入れてくれないかな?」
泣きそうな弱々しい声で言う陵刀に、何故か名前は罪悪感を覚えた。
「……ズルいよ」
「ズルくてもいい。僕は君に受け入れて欲しいだけだ」
「なんでそこまで……ウチに固執するの?珍しいから??」
「前に言ったろ?僕は最初、患畜に対する君の姿勢に惹かれた。だけど、今は君のすべてを知って受け入れたいと思ってる。確かに今まで僕の周りには名前ちゃんみたいな人はいなかった。だが決して君が珍しいからじゃない。単純に君が好きなんだ、名前ちゃん」
「……」
「今すぐ返事をしてくれとは言わない。けど、僕が本気だって事だけは忘れないで」
「…………解った」
「本当?」
「……すぐには無理だけど……考えとく」
「良かった♡」
嬉しそうに顔を綻ばせながら、陵刀は名前のこめかみにキスをした。
「ちょっ!?陵刀先生?!」
「なに?」
「“なに?”じゃない!何しやがる!!」
「“何”って……愛情表現だけど」
シレッと言う陵刀に、名前は殺意を抱いた。
「そういう愛情表現は恋人にしろ!恋人に!!」
「やだなぁ、名前ちゃんが僕の恋人になるんだからいいじゃない♪」
「勝手に決めるなー!!」
その後雨も上がり、ラクダの診療に行っていた岩城達が戻って来た。
「あー、やっぱりー?」
「やっぱりって……」
医局で岩城達から報告を聞きながら、コーヒーを飲んでいる陵刀。
「ラクダとかキリンってビニール大好きで、雨の日なんかはたまにお客さんの傘食べちゃうんだよね――あのビニール、彼等の好きな甘い匂いするかららしーんだけど。アレって胃の中で硬化しちゃってカタマリになるから、吐き出せなくなるんだよね――でも……診療は簡単だけど診察は大変だったでしょ?蹴られたりツバかけられたり。手術も局部麻酔だけだから、術中にツバかけられるし――ま、僕も確証があったワケじゃないし、とりあえず傘の事は言わなかったんだけど――」
「あのな陵刀~、俺等に頼みたかったんなら最初からそう言えよ」
あまりの陵刀の態度に、岩城がキレた。
「そうですよ、ちゃんと話してくれれば僕等だって嫌な顔しませんよ」
「分かったよ、ごめんごめん。僕に苦手な動物があるなんて、ちょっと言いづらくて……ね♡」
「アホか!言いづらいもなにも、じじい眠らせたって後でバレんだろーが!」
「いや、それがそうでもないんだよ。寝てる間にちゃんと洗脳しとくとォ……あの人意外に覚えてないんだよねー♪」
陵刀が物騒な事を言っていると、オーナーが医局に入ってきた。