ラクダ
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梅雨入りしたわけでも無いのに、ここ数日雨の日が続いていたある日のことだった。
「いやー、最近雨ばっかりですねェ。季節の変わり目だからかなー」
医局で窓の外を眺めながら、陵刀は話を逸らそうとしていた。
「話を逸らさんでくれんか、陵刀くん!」
「どうぞ、オーナー」
陵刀が話を逸らす事に失敗している中、名前はオーナーにお茶を出していた。
「で、どうしても嫌なんじゃな?」
話を逸らせなかった陵刀は、それでも笑顔のまま窓際から離れオーナーの近くへと移動した。
「はい……誰にだって、苦手なモノはあるじゃないですか。そんなに難しくない患畜だし、僕でなくても……」
「仕方ない、院長も出張中じゃし……やはりコイツは……あの2人に行ってもらうか……」
そう言いながら、オーナーはラクダの写真を眺めた。
それから暫く談笑していると、医局のドアがノックされた。
「おう、入れ」
「お呼びですかオーナー」
「――……」
「おはよーございます」
中に入ってきたのは、鞍智・岩城・瀬能の3人。
「おお待っとったぞ、すまんの仕事中――」
「コラ、じじい!朝メシのサケの切り身が俺だけ半分たぁどーゆー事よ!?」
「貴様が昨夜、儂の生姜焼き奪ったからじゃ!!これに懲りたらもう、みみっちーマネはせん事じゃ!」
「チクショー、今晩のカレーにルーはないモンと思え!!」
「何じゃと貴様ー!!」
「やるかコラー!!」
「ガキかよ……」
オーナーと岩城が言い争っているのを見ながら、名前は呆れて溜息を吐いていた。
「あ……あの……僕らに何か……;」
「おう、そーじゃった。今日君らを呼んだのはな!このラクダの診療を頼みたいからじゃ!!」
「ラクダ……ですか……」
「うむ!」
「このラクダは儂の知り合いがやっとる動物園におるんじゃが、最近食欲不振で元気がないらしいのじゃ」
「フーン……じゃ早く治してやんねーとなあ」
「そうなんじゃよ。それでな、儂は最初知人の顔を立てるためにも、二科のエースである陵刀くんに行って貰うのがいいと思って……」
オーナーが事情を説明していると、陵刀はそれを遮る様に叫びだした。
「あっ、窓の外にカシオペア流星群!!」
「「「ええっ!?」」」
窓の外を指差した陵刀に、岩城・鞍智・瀬能の3人が反応し窓の外を見始めた。
「どこどこー?」
「ええー?あっちのか?」
「カシオペアってナンだ?」
陵刀の言葉を信じてカシオペア流星群を探していると、陵刀は素早くオーナーを気絶させた。
「ちょっ!?陵刀先生?!」
「おい陵刀、何も見えねーぞ……」
岩城が振り向いた時、オーナーはぐったりしている状態だった。
「……じじい?」
「フー……オーナーは寝てしまったみたいだねェ。これだから年寄りは困る。代わりに僕が話そう」
「い……いやでもよ、じじいなんかぐったりしてる……」
「大丈夫だ!!眠ってるだけだ!医師免許を持ってる僕が言うんだ、間違いない!“絶対”だ!!」
岩城に詰め寄りながら、声を張り上げる陵刀の迫力に、岩城もそれ以上何も言えなくなっていた。
「そ……そう?」
「とにかく!ラクダは知っての通り、砂漠という過酷な条件下で生きているから身体は丈夫だ!だが逆に、病気にかかっても解り難いことが多く――……病名診断の難易度はEだとされているんだ!」
「「難易度E!?」」
「そんな難しいんですか……」
「?」
名前は1人、意味が分からないという顔をして呆気に取られていた。
「だから、本来なら僕も行くべきなのかも知れないが……若手のキミ達の成長を考え……今回は“あえて”キミ達だけに任せる事にした!」
「……」
「そうなんですか……!」
「てゆーか、お前最近何でも俺等に任せきりじゃねー……か……」
「ラクダは特別なんだよ!!」
岩城の言葉に被せるように、陵刀は叫んだ。
「いやー、最近雨ばっかりですねェ。季節の変わり目だからかなー」
医局で窓の外を眺めながら、陵刀は話を逸らそうとしていた。
「話を逸らさんでくれんか、陵刀くん!」
「どうぞ、オーナー」
陵刀が話を逸らす事に失敗している中、名前はオーナーにお茶を出していた。
「で、どうしても嫌なんじゃな?」
話を逸らせなかった陵刀は、それでも笑顔のまま窓際から離れオーナーの近くへと移動した。
「はい……誰にだって、苦手なモノはあるじゃないですか。そんなに難しくない患畜だし、僕でなくても……」
「仕方ない、院長も出張中じゃし……やはりコイツは……あの2人に行ってもらうか……」
そう言いながら、オーナーはラクダの写真を眺めた。
それから暫く談笑していると、医局のドアがノックされた。
「おう、入れ」
「お呼びですかオーナー」
「――……」
「おはよーございます」
中に入ってきたのは、鞍智・岩城・瀬能の3人。
「おお待っとったぞ、すまんの仕事中――」
「コラ、じじい!朝メシのサケの切り身が俺だけ半分たぁどーゆー事よ!?」
「貴様が昨夜、儂の生姜焼き奪ったからじゃ!!これに懲りたらもう、みみっちーマネはせん事じゃ!」
「チクショー、今晩のカレーにルーはないモンと思え!!」
「何じゃと貴様ー!!」
「やるかコラー!!」
「ガキかよ……」
オーナーと岩城が言い争っているのを見ながら、名前は呆れて溜息を吐いていた。
「あ……あの……僕らに何か……;」
「おう、そーじゃった。今日君らを呼んだのはな!このラクダの診療を頼みたいからじゃ!!」
「ラクダ……ですか……」
「うむ!」
「このラクダは儂の知り合いがやっとる動物園におるんじゃが、最近食欲不振で元気がないらしいのじゃ」
「フーン……じゃ早く治してやんねーとなあ」
「そうなんじゃよ。それでな、儂は最初知人の顔を立てるためにも、二科のエースである陵刀くんに行って貰うのがいいと思って……」
オーナーが事情を説明していると、陵刀はそれを遮る様に叫びだした。
「あっ、窓の外にカシオペア流星群!!」
「「「ええっ!?」」」
窓の外を指差した陵刀に、岩城・鞍智・瀬能の3人が反応し窓の外を見始めた。
「どこどこー?」
「ええー?あっちのか?」
「カシオペアってナンだ?」
陵刀の言葉を信じてカシオペア流星群を探していると、陵刀は素早くオーナーを気絶させた。
「ちょっ!?陵刀先生?!」
「おい陵刀、何も見えねーぞ……」
岩城が振り向いた時、オーナーはぐったりしている状態だった。
「……じじい?」
「フー……オーナーは寝てしまったみたいだねェ。これだから年寄りは困る。代わりに僕が話そう」
「い……いやでもよ、じじいなんかぐったりしてる……」
「大丈夫だ!!眠ってるだけだ!医師免許を持ってる僕が言うんだ、間違いない!“絶対”だ!!」
岩城に詰め寄りながら、声を張り上げる陵刀の迫力に、岩城もそれ以上何も言えなくなっていた。
「そ……そう?」
「とにかく!ラクダは知っての通り、砂漠という過酷な条件下で生きているから身体は丈夫だ!だが逆に、病気にかかっても解り難いことが多く――……病名診断の難易度はEだとされているんだ!」
「「難易度E!?」」
「そんな難しいんですか……」
「?」
名前は1人、意味が分からないという顔をして呆気に取られていた。
「だから、本来なら僕も行くべきなのかも知れないが……若手のキミ達の成長を考え……今回は“あえて”キミ達だけに任せる事にした!」
「……」
「そうなんですか……!」
「てゆーか、お前最近何でも俺等に任せきりじゃねー……か……」
「ラクダは特別なんだよ!!」
岩城の言葉に被せるように、陵刀は叫んだ。