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慌てて頭を下げる瀬能に対し、陵刀は笑顔を崩さずにいた。
「何の話?」
「いや、だって、獣医が人の治療をしちゃ……」
「いーんだよ、それは。“超法規的行為”ってのがあってね……飛行機内等での非常事態は、人命が救助出来れば誰がやろうと罪にはならないんだ。新聞にもタマにそんな記事出てるでしょ?」
「あ!そういえば……」
「陵刀先生が新聞読むとは……」
「何か言ったかな?名前ちゃん♡」
「イーエナニモ」
「そんな事より、あのロスの診療……事務課の手配ミスだったんだって?3年も前に治療が終わってたなんてね……」
「はあ……でも、患畜がいないのはいい事の様な気も……」
「もちろんそれはそうだけど、彼、寝る間も惜しんで勉強してたからねェ。カリフォルニアコンドルの生態……二科の出張はいつもいきなりだけど……今回のは行くまでに時間あったろ。だから、色々調べるって頑張ってたんだ。凄かったよ、日本で一番鳥に詳しい教授に直接訊きに行ったり――何故か僕も連れてかれて。読めもしない英語の古い文献持ってきたり……僕が読まされたけど」
「鉄生先生、物凄く頑張ってたもんな~」
少し前に陵刀に張り付いていた岩城の姿を、名前は懐かしそうに思い出していた。
「いやー、あそこまで頑張ったのに手配ミスでした、じゃ誰だってジョーみたいに真っ白な灰になっちゃうんじゃない?」
「……確かになってましたね。やっぱ凄いな、先生は!私も見習わなくっちゃ!!」
「うん……でも、全部は見習わない方がいいよ。だってカレ、普段ちょっと抜けてるでしょ……」
陵刀が瀬能の意気込みに対して制止の意見を言っていると、車の急ブレーキを踏んだ音と何かがぶつかった音が響いた。
「事故だー!」
「車が人轢いたぞー!」
「救急車……いや、陵刀先生を!」
人々のざわめきに引き寄せられる様にして音のした方へと急ぐと、そこには鞍智の乗った車と地面に倒れている岩城の姿があった。
「ホラね♡」
「……;」
「わーっ岩城、お前ナニ車道逆走してんだバカヤロー!!」
慌てふためく鞍智を見て、周りに集まっていた病院関係者は引いていた。
「……陵刀先生」
「何かな?」
「とりあえず、鉄生先生の手当してあげて。あのままじゃ鞍智先生が可哀想過ぎる」
「はーい♡」
ルンルンと駆けて行く陵刀を見送り、名前は院内へと治療道具を取りに戻っていった。
「何の話?」
「いや、だって、獣医が人の治療をしちゃ……」
「いーんだよ、それは。“超法規的行為”ってのがあってね……飛行機内等での非常事態は、人命が救助出来れば誰がやろうと罪にはならないんだ。新聞にもタマにそんな記事出てるでしょ?」
「あ!そういえば……」
「陵刀先生が新聞読むとは……」
「何か言ったかな?名前ちゃん♡」
「イーエナニモ」
「そんな事より、あのロスの診療……事務課の手配ミスだったんだって?3年も前に治療が終わってたなんてね……」
「はあ……でも、患畜がいないのはいい事の様な気も……」
「もちろんそれはそうだけど、彼、寝る間も惜しんで勉強してたからねェ。カリフォルニアコンドルの生態……二科の出張はいつもいきなりだけど……今回のは行くまでに時間あったろ。だから、色々調べるって頑張ってたんだ。凄かったよ、日本で一番鳥に詳しい教授に直接訊きに行ったり――何故か僕も連れてかれて。読めもしない英語の古い文献持ってきたり……僕が読まされたけど」
「鉄生先生、物凄く頑張ってたもんな~」
少し前に陵刀に張り付いていた岩城の姿を、名前は懐かしそうに思い出していた。
「いやー、あそこまで頑張ったのに手配ミスでした、じゃ誰だってジョーみたいに真っ白な灰になっちゃうんじゃない?」
「……確かになってましたね。やっぱ凄いな、先生は!私も見習わなくっちゃ!!」
「うん……でも、全部は見習わない方がいいよ。だってカレ、普段ちょっと抜けてるでしょ……」
陵刀が瀬能の意気込みに対して制止の意見を言っていると、車の急ブレーキを踏んだ音と何かがぶつかった音が響いた。
「事故だー!」
「車が人轢いたぞー!」
「救急車……いや、陵刀先生を!」
人々のざわめきに引き寄せられる様にして音のした方へと急ぐと、そこには鞍智の乗った車と地面に倒れている岩城の姿があった。
「ホラね♡」
「……;」
「わーっ岩城、お前ナニ車道逆走してんだバカヤロー!!」
慌てふためく鞍智を見て、周りに集まっていた病院関係者は引いていた。
「……陵刀先生」
「何かな?」
「とりあえず、鉄生先生の手当してあげて。あのままじゃ鞍智先生が可哀想過ぎる」
「はーい♡」
ルンルンと駆けて行く陵刀を見送り、名前は院内へと治療道具を取りに戻っていった。