カメ
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「姐御?!正気かよ!!」
「そうだぜ!いくらオニイサン相手でも、3ヶ月じゃ名前姐の負担が大きい!!」
名前の提案に、ナルと朔耶が猛反対してみせた。
しかし、名前は2人を手で制すると、話を勧めた。
「確かに、3ヶ月は負担が大きいかもしれない。けど、こうでもしないと納得して貰えないでしょ?納得して貰った上で諦めて貰うのが1番いいんだよ、こういうのってさ」
「……確かに、名前さんの言う事には一理ある」
「でもっ……」
「秦、少しはウチを信用しろって」
「……おいらは」
「ん?」
「名前姐さんが決めたなら、それに従う」
「戒?!」
「秦、お前も名前姐さんが大事なら――今は従うしかないよ」
戒は力なく項垂れると、自身に言い聞かせるように『仕方が無いんだ』と呟いた。
「姐御の覚悟は解った。なら、オレ等もその間は口出ししない」
「そうだな。名前姐の覚悟を見守ろうぜ、俺達はよ』
「有難う。で、陵刀先生はどうなの?ウチの提案、飲む?飲まない?」
「もちろん飲むよ♡折角君がくれたチャンスなんだ。それを無駄にしたくないしね」
「解った。なら、今日はもう遅いし、明日からスタートって事で」
その言葉を最後に、名前達は今までの空気を吹き飛ばす様に笑いながら呑み始めた。
その日は皆で煌の家に泊まり、翌日名前と陵刀はそのまま出勤する事になった。
「流れとはいえ、ごめん」
「何がかな?」
「いきなり知らない奴等に囲まれて寝るのって、疲れたでしょ?」
「いや、新鮮で楽しかったよ♪」
陵刀は本当に楽しそうに答えていた為、名前はホッと安心した。
「でも、恋人でもない人の家に着替えがあるってのは賛成出来ないな」
「何かあった時は泊まりがけになるからね。彼処にいた奴等の家にはひと通りの着替えは置いてあるよ?」
「名前ちゃんは男の怖さを解ってないな……」
「男の怖さ?そんなの嫌って程解ってるけど。アイツ等は“仲間”であり“理解者”でもある。そういうコトにはならないって断言出来るよ」
「どうして?」
「それがウチ等の“約束”だから」
名前の返答には腑に落ちない部分があったが、陵刀はそれ以上追求する事無く運転に集中した。
R.E.D.に着き仕事着に着替えると、陵刀は先に医局へ向かったであろう名前を探し始めた。
すると、診察室の1つから探している名前の声が聞こえてきた。
「へぇ~、オバケの正体はこのコだったんだ」
「そうそう!でもよ、マジで生きてたのが不思議な位大変だったんだぜ?」
「解った、解ったから!その蠢いてる袋、早く捨ててきて!!」
岩城が片手に持っている袋は、今にも中身が飛び出してきそうな程蠢いていた。
「悪ィ悪ィ」
そそくさと袋を捨てに行った岩城を見届け、改めて岩城達が見つけたオバケの正体をマジマジと見つめる名前。
「名前ちゃん、ここにいたんだ……あれ?このカメ……」
ドアを開けて入ってきた陵刀は、名前を見た後に床にいるゾウガメを見つめた。
「あっ、陵刀先生!おはようございます!!」
「このカメ、ここに穴の補修してあったろ?」
「え……!?」
「なんでそんな事を!?」
「ホラ見て、この写真」
診察室の壁に貼ってある写真の中から1枚を取り外し、陵刀は岩城達に見せた。
「その補修、20年位前に僕がやったんだよ。飼い主は近所のおじいさんだったけど、数年前に亡くなったって聞いたなあ……1人置いてかれて、具合悪くなって――……なんとなくココまで来ちゃったのかな……?」
「そんな事が……」
「でもゾウガメって160年位生きるんですよね……?これから先ずっと1人なんて可哀想……」
「あの……ウチで面倒見てやるのは、どうでしょう?」
鞍智がおずおずと手を上げながら陵刀に訊いた。
「食費なんてそう掛からないし、四六時中、誰かはいるワケだし……」
「……」
「あっそれいいですよね!甲羅のメンテナンスもしてやれるし!」
「陵刀先生、駄目かな?」
名前達3人に見つめられ、陵刀は眉を下げて息を吐いた。
「……しょうがないな……僕から院長に話しとくよ…………」
「やったー!」
「有難う!陵刀先生」
喜ぶ瀬能と名前を見て、陵刀は笑みを湛えていた。
「名前ちゃんに喜んで貰えるなら、これ位いつでもするよ♡」
陵刀の言葉に、名前もニコリと微笑んで返した。
「あれ?」
話の輪に加わらない岩城に気付いた瀬能が、犬を抱えて不思議そうに話し掛けた。
「どーしたんですか、先生?……あ、分かった!あのおじいさんの声だけ未解決ですよねー。やっぱり死んだ飼い主さんの声なのかな?」
「……いや、そんな事よりこの写真……あいつ……20年前と全然変わってねェぞ!」
「はっ!!」
岩城が持っていた写真を覗きこむと、そこには今とまったく変わらぬ姿の陵刀が写っていた。
「一体、何年生きてるんだ?てゆーか、今何歳?」
「ゾウガメみたいな人ですね……」
「……深く考えるのは止めよう?ね、それがいいよ…………」
ゾウガメに餌をやる陵刀を見て、名前は諦めた様に呟いた。
「そうだぜ!いくらオニイサン相手でも、3ヶ月じゃ名前姐の負担が大きい!!」
名前の提案に、ナルと朔耶が猛反対してみせた。
しかし、名前は2人を手で制すると、話を勧めた。
「確かに、3ヶ月は負担が大きいかもしれない。けど、こうでもしないと納得して貰えないでしょ?納得して貰った上で諦めて貰うのが1番いいんだよ、こういうのってさ」
「……確かに、名前さんの言う事には一理ある」
「でもっ……」
「秦、少しはウチを信用しろって」
「……おいらは」
「ん?」
「名前姐さんが決めたなら、それに従う」
「戒?!」
「秦、お前も名前姐さんが大事なら――今は従うしかないよ」
戒は力なく項垂れると、自身に言い聞かせるように『仕方が無いんだ』と呟いた。
「姐御の覚悟は解った。なら、オレ等もその間は口出ししない」
「そうだな。名前姐の覚悟を見守ろうぜ、俺達はよ』
「有難う。で、陵刀先生はどうなの?ウチの提案、飲む?飲まない?」
「もちろん飲むよ♡折角君がくれたチャンスなんだ。それを無駄にしたくないしね」
「解った。なら、今日はもう遅いし、明日からスタートって事で」
その言葉を最後に、名前達は今までの空気を吹き飛ばす様に笑いながら呑み始めた。
その日は皆で煌の家に泊まり、翌日名前と陵刀はそのまま出勤する事になった。
「流れとはいえ、ごめん」
「何がかな?」
「いきなり知らない奴等に囲まれて寝るのって、疲れたでしょ?」
「いや、新鮮で楽しかったよ♪」
陵刀は本当に楽しそうに答えていた為、名前はホッと安心した。
「でも、恋人でもない人の家に着替えがあるってのは賛成出来ないな」
「何かあった時は泊まりがけになるからね。彼処にいた奴等の家にはひと通りの着替えは置いてあるよ?」
「名前ちゃんは男の怖さを解ってないな……」
「男の怖さ?そんなの嫌って程解ってるけど。アイツ等は“仲間”であり“理解者”でもある。そういうコトにはならないって断言出来るよ」
「どうして?」
「それがウチ等の“約束”だから」
名前の返答には腑に落ちない部分があったが、陵刀はそれ以上追求する事無く運転に集中した。
R.E.D.に着き仕事着に着替えると、陵刀は先に医局へ向かったであろう名前を探し始めた。
すると、診察室の1つから探している名前の声が聞こえてきた。
「へぇ~、オバケの正体はこのコだったんだ」
「そうそう!でもよ、マジで生きてたのが不思議な位大変だったんだぜ?」
「解った、解ったから!その蠢いてる袋、早く捨ててきて!!」
岩城が片手に持っている袋は、今にも中身が飛び出してきそうな程蠢いていた。
「悪ィ悪ィ」
そそくさと袋を捨てに行った岩城を見届け、改めて岩城達が見つけたオバケの正体をマジマジと見つめる名前。
「名前ちゃん、ここにいたんだ……あれ?このカメ……」
ドアを開けて入ってきた陵刀は、名前を見た後に床にいるゾウガメを見つめた。
「あっ、陵刀先生!おはようございます!!」
「このカメ、ここに穴の補修してあったろ?」
「え……!?」
「なんでそんな事を!?」
「ホラ見て、この写真」
診察室の壁に貼ってある写真の中から1枚を取り外し、陵刀は岩城達に見せた。
「その補修、20年位前に僕がやったんだよ。飼い主は近所のおじいさんだったけど、数年前に亡くなったって聞いたなあ……1人置いてかれて、具合悪くなって――……なんとなくココまで来ちゃったのかな……?」
「そんな事が……」
「でもゾウガメって160年位生きるんですよね……?これから先ずっと1人なんて可哀想……」
「あの……ウチで面倒見てやるのは、どうでしょう?」
鞍智がおずおずと手を上げながら陵刀に訊いた。
「食費なんてそう掛からないし、四六時中、誰かはいるワケだし……」
「……」
「あっそれいいですよね!甲羅のメンテナンスもしてやれるし!」
「陵刀先生、駄目かな?」
名前達3人に見つめられ、陵刀は眉を下げて息を吐いた。
「……しょうがないな……僕から院長に話しとくよ…………」
「やったー!」
「有難う!陵刀先生」
喜ぶ瀬能と名前を見て、陵刀は笑みを湛えていた。
「名前ちゃんに喜んで貰えるなら、これ位いつでもするよ♡」
陵刀の言葉に、名前もニコリと微笑んで返した。
「あれ?」
話の輪に加わらない岩城に気付いた瀬能が、犬を抱えて不思議そうに話し掛けた。
「どーしたんですか、先生?……あ、分かった!あのおじいさんの声だけ未解決ですよねー。やっぱり死んだ飼い主さんの声なのかな?」
「……いや、そんな事よりこの写真……あいつ……20年前と全然変わってねェぞ!」
「はっ!!」
岩城が持っていた写真を覗きこむと、そこには今とまったく変わらぬ姿の陵刀が写っていた。
「一体、何年生きてるんだ?てゆーか、今何歳?」
「ゾウガメみたいな人ですね……」
「……深く考えるのは止めよう?ね、それがいいよ…………」
ゾウガメに餌をやる陵刀を見て、名前は諦めた様に呟いた。