カメ
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「最初は皆そう言う。だけど――結局最後はオレ達を見捨てるんだよな」
「見捨てる位なら、最初から聞くなよって感じだよね~」
ビールを呷りながら、秦は辛辣な言葉を紡いだ。
「おいら達だって話すにも勇気がいるし、それで見捨てられたら傷口に塩を塗り込まれるようなモンなんだってのを解ってないんよ」
「僕はこれでも医学の心得がある。ちょっとやそっとじゃ見放したりしないよ」
「そっか……なら、賭けをしない?」
「賭け?」
「そう。俺達の話を聞いても考え方が変わらなかったら、“仲間”として認めてやる――が、もし見方が変わるようならこれ以上名前姐に関わるな」
朔耶が真剣な顔つきで陵刀に告げた。
その言葉に対し、当の陵刀はニッコリと笑い『解ったよ』と返した。
「まずはオレから話すか。オレはパーソナリティ障害……まぁ、簡単に言えば人格障害者だな。オレの場合は自己愛性だと診断されてるから、それでナルって呼ばれてる」
酎ハイを口にしながら、ナルはポツリポツリと話を続けた。
「こんなんだから、もちろん実生活にも問題はある。けど、姐御と出会ってからオレはこの障害も自分の個性だと思える様になった」
「おいらは適応障害。名前姐さんと会う前まではずっと引きこもりだったんだ。人間全般が怖くてさ、結構な年数引きこもってたなぁ。今でも“compatibility”の活動以外は、基本的に引きこもってるけどね~」
「俺は不安障害。今でも偶に発作が起こってるけど、昔程ではないな。今の俺には“仲間”がいる。それだけでかなり楽になった。“仲間”になるキッカケを作ってくれた名前姐には、いくら感謝しても足りない位だ」
ナルに続くように、それぞれが自分の抱えている問題を話しだした。
「ボクは統合失調症だね。周りは皆敵だと思って生きてきた。今でも、“仲間”だと思える奴等以外は敵だと思ってる。これは変えようがないし、変えるつもりもない」
「……対人恐怖症」
「…………」
「ほらな?考え方変わっただろ?」
「……名前ちゃんは?」
「姐御か?姐御は双極性障害と身体障害だな」
「身体?」
「ああ。姐御はああ見えて右脚に障害がある」
ナル達から話を聞いて、それでもなお陵刀は続きを促した。
「姐さんはあぁ見えて負けず嫌いだからね。ヒトに弱みを見せる位なら何でも我慢しちまう」
「そうなんだよね~。名前姐さん、おいら達にも弱み見せた事あるのかどうか……」
「……1つ確実なのは…………名前さんは優しすぎる」
「確かに、彼女は他人に対して壁を作ってるとは思う」
「問題はだ、オニイサンがその壁を取っ払えるかだな」
ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべ、朔耶は続けた。
「例え俺達を受け入れたとして、名前姐がそう簡単にオニイサンを受け入れるとは限らない」
「…………それでも」
「それでも?」
「僕は名前ちゃんが壁を取り払ってくれるのを待つよ」
「……それだけ本気って事か」
「ああ、本気だよ」
「どうするよ?」
「いーんじゃねーの?」
「「「ナル!?」」」
「…………」
陵刀の本心を聞いて、ナルは彼を否定する事を止めた。
「オレ達は否定されて生きてきたんだ。オレ達を――姐御を受け入れるってんなら、オレ達がコイツを否定するのは間違ってる」
『違うか?』と続けながら、ナルは朔耶達を見回した。
「違わねぇけどよ……」
「……おいらは反対だな」
「ボクも――反対だよ」
「……名前さんが変われるなら…………賛成だ」
「「煌!?」」
「オメェが1番反対すると思ってたんだけどなぁ」
「……朔耶……名前さんが大切なら――時には僕達から引き離さなきゃ駄目だ…………と思う」
「煌の言う通りだ。姐御が大切なら、な」
「見捨てる位なら、最初から聞くなよって感じだよね~」
ビールを呷りながら、秦は辛辣な言葉を紡いだ。
「おいら達だって話すにも勇気がいるし、それで見捨てられたら傷口に塩を塗り込まれるようなモンなんだってのを解ってないんよ」
「僕はこれでも医学の心得がある。ちょっとやそっとじゃ見放したりしないよ」
「そっか……なら、賭けをしない?」
「賭け?」
「そう。俺達の話を聞いても考え方が変わらなかったら、“仲間”として認めてやる――が、もし見方が変わるようならこれ以上名前姐に関わるな」
朔耶が真剣な顔つきで陵刀に告げた。
その言葉に対し、当の陵刀はニッコリと笑い『解ったよ』と返した。
「まずはオレから話すか。オレはパーソナリティ障害……まぁ、簡単に言えば人格障害者だな。オレの場合は自己愛性だと診断されてるから、それでナルって呼ばれてる」
酎ハイを口にしながら、ナルはポツリポツリと話を続けた。
「こんなんだから、もちろん実生活にも問題はある。けど、姐御と出会ってからオレはこの障害も自分の個性だと思える様になった」
「おいらは適応障害。名前姐さんと会う前まではずっと引きこもりだったんだ。人間全般が怖くてさ、結構な年数引きこもってたなぁ。今でも“compatibility”の活動以外は、基本的に引きこもってるけどね~」
「俺は不安障害。今でも偶に発作が起こってるけど、昔程ではないな。今の俺には“仲間”がいる。それだけでかなり楽になった。“仲間”になるキッカケを作ってくれた名前姐には、いくら感謝しても足りない位だ」
ナルに続くように、それぞれが自分の抱えている問題を話しだした。
「ボクは統合失調症だね。周りは皆敵だと思って生きてきた。今でも、“仲間”だと思える奴等以外は敵だと思ってる。これは変えようがないし、変えるつもりもない」
「……対人恐怖症」
「…………」
「ほらな?考え方変わっただろ?」
「……名前ちゃんは?」
「姐御か?姐御は双極性障害と身体障害だな」
「身体?」
「ああ。姐御はああ見えて右脚に障害がある」
ナル達から話を聞いて、それでもなお陵刀は続きを促した。
「姐さんはあぁ見えて負けず嫌いだからね。ヒトに弱みを見せる位なら何でも我慢しちまう」
「そうなんだよね~。名前姐さん、おいら達にも弱み見せた事あるのかどうか……」
「……1つ確実なのは…………名前さんは優しすぎる」
「確かに、彼女は他人に対して壁を作ってるとは思う」
「問題はだ、オニイサンがその壁を取っ払えるかだな」
ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべ、朔耶は続けた。
「例え俺達を受け入れたとして、名前姐がそう簡単にオニイサンを受け入れるとは限らない」
「…………それでも」
「それでも?」
「僕は名前ちゃんが壁を取り払ってくれるのを待つよ」
「……それだけ本気って事か」
「ああ、本気だよ」
「どうするよ?」
「いーんじゃねーの?」
「「「ナル!?」」」
「…………」
陵刀の本心を聞いて、ナルは彼を否定する事を止めた。
「オレ達は否定されて生きてきたんだ。オレ達を――姐御を受け入れるってんなら、オレ達がコイツを否定するのは間違ってる」
『違うか?』と続けながら、ナルは朔耶達を見回した。
「違わねぇけどよ……」
「……おいらは反対だな」
「ボクも――反対だよ」
「……名前さんが変われるなら…………賛成だ」
「「煌!?」」
「オメェが1番反対すると思ってたんだけどなぁ」
「……朔耶……名前さんが大切なら――時には僕達から引き離さなきゃ駄目だ…………と思う」
「煌の言う通りだ。姐御が大切なら、な」