カメ
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「信じてないんだろうけど、君に対して質の悪い冗談言ったり嘘を吐いたりはしてないからね?」
「はいはい」
「その分だと、信じてないみたいだね……」
苦笑する陵刀に、名前はさも当たり前とばかりに答えた。
「うん。そんな簡単に人を信じるワケないでしょ」
「そんな事言わずに、信じてよ」
「……信じるに値する人間なら、そりゃ信じるよ?でも、ウチはまだ陵刀先生をそんなに知らない――だから信じない」
「そうか……まぁ、気長に待つよ」
「どっちに転ぶかは陵刀先生次第だけどね」
「あはは、頑張るよ」
陵刀のその言葉を最後に、車内は沈黙に包まれた。
それから十数分で、2人を乗せた車は繁華街へと着いた。
目についたコインパーキングへと車を停める陵刀。
「さ、ここからはちょっと歩こう」
「ん」
降りるように促され、名前は短く返事をすると車から降りて伸びをした。
「乗り心地悪かった?」
「んー、そういう訳じゃないよ。普段車に乗らないから、単純に疲れただけ」
「そっか。じゃあ行こうか」
「ん。で、どこ行くの?」
「着いてからのお楽しみ♪」
「……嫌な予感しかしないのは、気のせいだよな…………」
「何か言ったかい?」
「んーにゃ、何もー」
先を行く陵刀の背中を追いかける様に、名前は小走りになった。
「あれ?姐御?!」
陵刀と並んで繁華街を歩いていると、背後から知った声が聞こえてきて名前は振り向いた。
「ナルちゃん……」
「やっぱ姐御じゃん!何してんのさ、こんなトコで!!」
「誰かな?名前ちゃんの知り合い?」
思いっきり顔をしかめて自分に声を掛けてきた人物を見ている名前を守るかの様に、陵刀はその背に名前を隠した。
「んあ?姐御の彼氏?」
「そーじゃないけど……アンタ何してんのさ」
溜息を吐きながら陵刀の背中から出る名前を、ナルちゃんと呼ばれた男は不思議そうに眺めた。
「徘徊?」
「自分の事なのに疑問系は止めろって、いっつも言ってるよね……」
「いやぁ~……それより、その男――彼氏じゃないなら何なの?」
ナルちゃんは陵刀に向かって敵意を丸出しにして睨みつけた。
「名前ちゃん、紹介してくれないかな?」
「あー……こっちはナル。“仲間”だよ。本名は知らないけどね。ナルちゃん、この人は陵刀先生。同じ職場の人。断じて彼氏ではないから、安心して」
「“仲間”……?」
名前の言葉に、陵刀は不思議そうに目を瞬かせながらナルちゃんを見た。
「そ、オレは姐御の“仲間”であり“理解者”ってトコかな。で、アンタは?」
ナルは名前の肩を抱き寄せると、陵刀に勝ち誇ったような顔をして見せた。
「名前ちゃんを口説いてるただの男だよ。ま、僕も名前ちゃんの“理解者”になりたいと思ってるんだけどね……なかなか心を許してくれないんだ」
「はははっ、ムリムリ。姐御の“理解者”にはなれないよ、アンタ」
「……どういう意味かな?」
「そのまんまさ。だって、アンタ姐御の事知らな過ぎるだろ。オレ等の存在すら知らないってのがいい証拠だよ」
クツクツと笑いながら、ナルは続けた。
「姐御の“理解者”はオレ等だけでいい。傷付くのが解り切ってるのに、オレ等が姐御を渡すわけがないだろ」
「さっきから言ってる、“君達”ってなんなんだい?」
「それすら聞いてないのかよ――……“INDIVIDUAL”って分かるか?」
「……ネット上でしか活動してないとかいう創作グループでしょ?それ位、僕だって知ってるよ」
「なら話は早いな。姐御は“INDIVIDUAL”のリーダーだ。オレはその中でも“compatibility”ってバンドのメンバー。オレ等は皆、姐御を慕って集まってる。だから――……姐御を傷付けるヤツは何があっても許さない」
「はいはい」
「その分だと、信じてないみたいだね……」
苦笑する陵刀に、名前はさも当たり前とばかりに答えた。
「うん。そんな簡単に人を信じるワケないでしょ」
「そんな事言わずに、信じてよ」
「……信じるに値する人間なら、そりゃ信じるよ?でも、ウチはまだ陵刀先生をそんなに知らない――だから信じない」
「そうか……まぁ、気長に待つよ」
「どっちに転ぶかは陵刀先生次第だけどね」
「あはは、頑張るよ」
陵刀のその言葉を最後に、車内は沈黙に包まれた。
それから十数分で、2人を乗せた車は繁華街へと着いた。
目についたコインパーキングへと車を停める陵刀。
「さ、ここからはちょっと歩こう」
「ん」
降りるように促され、名前は短く返事をすると車から降りて伸びをした。
「乗り心地悪かった?」
「んー、そういう訳じゃないよ。普段車に乗らないから、単純に疲れただけ」
「そっか。じゃあ行こうか」
「ん。で、どこ行くの?」
「着いてからのお楽しみ♪」
「……嫌な予感しかしないのは、気のせいだよな…………」
「何か言ったかい?」
「んーにゃ、何もー」
先を行く陵刀の背中を追いかける様に、名前は小走りになった。
「あれ?姐御?!」
陵刀と並んで繁華街を歩いていると、背後から知った声が聞こえてきて名前は振り向いた。
「ナルちゃん……」
「やっぱ姐御じゃん!何してんのさ、こんなトコで!!」
「誰かな?名前ちゃんの知り合い?」
思いっきり顔をしかめて自分に声を掛けてきた人物を見ている名前を守るかの様に、陵刀はその背に名前を隠した。
「んあ?姐御の彼氏?」
「そーじゃないけど……アンタ何してんのさ」
溜息を吐きながら陵刀の背中から出る名前を、ナルちゃんと呼ばれた男は不思議そうに眺めた。
「徘徊?」
「自分の事なのに疑問系は止めろって、いっつも言ってるよね……」
「いやぁ~……それより、その男――彼氏じゃないなら何なの?」
ナルちゃんは陵刀に向かって敵意を丸出しにして睨みつけた。
「名前ちゃん、紹介してくれないかな?」
「あー……こっちはナル。“仲間”だよ。本名は知らないけどね。ナルちゃん、この人は陵刀先生。同じ職場の人。断じて彼氏ではないから、安心して」
「“仲間”……?」
名前の言葉に、陵刀は不思議そうに目を瞬かせながらナルちゃんを見た。
「そ、オレは姐御の“仲間”であり“理解者”ってトコかな。で、アンタは?」
ナルは名前の肩を抱き寄せると、陵刀に勝ち誇ったような顔をして見せた。
「名前ちゃんを口説いてるただの男だよ。ま、僕も名前ちゃんの“理解者”になりたいと思ってるんだけどね……なかなか心を許してくれないんだ」
「はははっ、ムリムリ。姐御の“理解者”にはなれないよ、アンタ」
「……どういう意味かな?」
「そのまんまさ。だって、アンタ姐御の事知らな過ぎるだろ。オレ等の存在すら知らないってのがいい証拠だよ」
クツクツと笑いながら、ナルは続けた。
「姐御の“理解者”はオレ等だけでいい。傷付くのが解り切ってるのに、オレ等が姐御を渡すわけがないだろ」
「さっきから言ってる、“君達”ってなんなんだい?」
「それすら聞いてないのかよ――……“INDIVIDUAL”って分かるか?」
「……ネット上でしか活動してないとかいう創作グループでしょ?それ位、僕だって知ってるよ」
「なら話は早いな。姐御は“INDIVIDUAL”のリーダーだ。オレはその中でも“compatibility”ってバンドのメンバー。オレ等は皆、姐御を慕って集まってる。だから――……姐御を傷付けるヤツは何があっても許さない」