カメ
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「おや?名前ちゃん、どうしたの?探したって――……僕に会いたくなった?」
ニコリと笑う陵刀に殺意を覚えながら、名前は全力で否定した。
「んなワケあるか!仕事して欲しくて探してたんだよ!!」
「仕事?」
「そう、仕事!陵刀先生を見込んでの仕事!!」
「フーン……ま、いっか。で、どんな仕事なの?」
「ちょっと待ってて、患畜連れてくるから!」
「えっ?ちょっ、名前ちゃん?!」
名前はその場に陵刀を残し、さっきまで岩城達がいた診察室に急いで戻った。
そこには、やはりゾウガメの甲羅をどう修復すべきか悩んでいる3人と1匹がいた。
「陵刀先生見つけた!今C診察室にいるから、逃げない内にこのコを連れてきて!!」
『ウチは先に行ってるから!』と言い残し、名前はまた急いで陵刀の元へと踵を返した。
久々に全力で走った気がした名前は、そのまま息を切らしてC診察室へと戻って来た。
「ハァッ、ハァッ……」
「そんなに慌てなくても逃げないよ、名前ちゃん」
「いやっ……アンタは逃げるでしょっ」
肩で息をしながら、名前は手を膝について陵刀の前で止まった。
「逃げないよ、名前ちゃんの頼みなら」
『あはは』と笑いながら、陵刀は名前に視線を合わせた。
「で?どんな仕事なのかな?」
「おーい。患畜連れて来たぞー」
「あれ?鉄生くんに鞍智くん……患畜って――そのコ?」
台車に乗せられて連れて来られたゾウガメを見て、陵刀は目を瞬かせた。
「おう!」
「ふーん……」
ゾウガメの甲羅をマジマジと見つめ、陵刀は言い切った。
「簡単だよ、こんなの」
「「マジ!?」」
「うん、合成樹脂で甲羅を作ればいいんだ。昔、何度かやったよ」
「合成樹脂……?……って、あのプラモデルとかに使われてるヤツですか?」
「そう。こんな機会あんまりないからね。2人には覚えて貰おう」
陵刀はしゃがんで棚の中を漁りだした。それを見て、岩城と鞍智は2人がかりでゾウガメを診察台の上へと移動させた。
「まず、カメの甲羅そっくりに色付けした樹脂を用意するんだ」
棚の中から樹脂を取り出し、診察台の上に置く陵刀。
「甲羅が欠けてるだけならいいが、このカメの場合、診察のために内臓を露出させている。そのまま樹脂を流すわけにもいかない。そこで欠けた箇所の型紙を取って、ステンレスワイヤーで枠を組み……そこへ樹脂を流して鋳型の様な物を作る」
迷いのない手順で、陵刀は樹脂で型を作っていく。
「そして、それを完全に固定してから取り出し、傷の上に置いて周りに樹脂を流して固める――……そうすると……カメの甲羅の出来上がり♡」
「うおおスゲー!マジでプラモみてーだ!おー喜んでる喜んでる!」
「ああ、こんな方法があったとは……!」
「きちんと亀裂を塞いでおかないと……中にゴキブリやら小虫が入り込んで、内臓を喰い散らすから気をつけてね」
「ゴキブリ……」
「ま、この手の事にさえ気をつけてれば、ゾウガメの寿命は160年――フツーに長生き出来るんだけどね……」
「長生きどころの話じゃないよ、ソレ……でも、これで飼育員さんも安心できるね!」
ホッと一息吐いた名前。そんな名前を見て、陵刀は微笑んでいた。
「ところで名前ちゃん」
「何?」
「ちゃんと仕事したんだから、ご褒美ちょうだい♡」
「は?」
「だから、ご褒美♡」
「何言ってんの?獣医師として当たり前の事した位で調子に乗んな!!」
両手を広げている陵刀を一瞥し、名前は怪訝な顔をしながら吐き捨てた。
「照れなくてもいいじゃない」
「照れてない!」
「なぁ……何だか名字のキャラが違う様に見えるんだが……」
ニコリと笑う陵刀に殺意を覚えながら、名前は全力で否定した。
「んなワケあるか!仕事して欲しくて探してたんだよ!!」
「仕事?」
「そう、仕事!陵刀先生を見込んでの仕事!!」
「フーン……ま、いっか。で、どんな仕事なの?」
「ちょっと待ってて、患畜連れてくるから!」
「えっ?ちょっ、名前ちゃん?!」
名前はその場に陵刀を残し、さっきまで岩城達がいた診察室に急いで戻った。
そこには、やはりゾウガメの甲羅をどう修復すべきか悩んでいる3人と1匹がいた。
「陵刀先生見つけた!今C診察室にいるから、逃げない内にこのコを連れてきて!!」
『ウチは先に行ってるから!』と言い残し、名前はまた急いで陵刀の元へと踵を返した。
久々に全力で走った気がした名前は、そのまま息を切らしてC診察室へと戻って来た。
「ハァッ、ハァッ……」
「そんなに慌てなくても逃げないよ、名前ちゃん」
「いやっ……アンタは逃げるでしょっ」
肩で息をしながら、名前は手を膝について陵刀の前で止まった。
「逃げないよ、名前ちゃんの頼みなら」
『あはは』と笑いながら、陵刀は名前に視線を合わせた。
「で?どんな仕事なのかな?」
「おーい。患畜連れて来たぞー」
「あれ?鉄生くんに鞍智くん……患畜って――そのコ?」
台車に乗せられて連れて来られたゾウガメを見て、陵刀は目を瞬かせた。
「おう!」
「ふーん……」
ゾウガメの甲羅をマジマジと見つめ、陵刀は言い切った。
「簡単だよ、こんなの」
「「マジ!?」」
「うん、合成樹脂で甲羅を作ればいいんだ。昔、何度かやったよ」
「合成樹脂……?……って、あのプラモデルとかに使われてるヤツですか?」
「そう。こんな機会あんまりないからね。2人には覚えて貰おう」
陵刀はしゃがんで棚の中を漁りだした。それを見て、岩城と鞍智は2人がかりでゾウガメを診察台の上へと移動させた。
「まず、カメの甲羅そっくりに色付けした樹脂を用意するんだ」
棚の中から樹脂を取り出し、診察台の上に置く陵刀。
「甲羅が欠けてるだけならいいが、このカメの場合、診察のために内臓を露出させている。そのまま樹脂を流すわけにもいかない。そこで欠けた箇所の型紙を取って、ステンレスワイヤーで枠を組み……そこへ樹脂を流して鋳型の様な物を作る」
迷いのない手順で、陵刀は樹脂で型を作っていく。
「そして、それを完全に固定してから取り出し、傷の上に置いて周りに樹脂を流して固める――……そうすると……カメの甲羅の出来上がり♡」
「うおおスゲー!マジでプラモみてーだ!おー喜んでる喜んでる!」
「ああ、こんな方法があったとは……!」
「きちんと亀裂を塞いでおかないと……中にゴキブリやら小虫が入り込んで、内臓を喰い散らすから気をつけてね」
「ゴキブリ……」
「ま、この手の事にさえ気をつけてれば、ゾウガメの寿命は160年――フツーに長生き出来るんだけどね……」
「長生きどころの話じゃないよ、ソレ……でも、これで飼育員さんも安心できるね!」
ホッと一息吐いた名前。そんな名前を見て、陵刀は微笑んでいた。
「ところで名前ちゃん」
「何?」
「ちゃんと仕事したんだから、ご褒美ちょうだい♡」
「は?」
「だから、ご褒美♡」
「何言ってんの?獣医師として当たり前の事した位で調子に乗んな!!」
両手を広げている陵刀を一瞥し、名前は怪訝な顔をしながら吐き捨てた。
「照れなくてもいいじゃない」
「照れてない!」
「なぁ……何だか名字のキャラが違う様に見えるんだが……」