北極グマ
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「俺がここで出血抑えてるから……!!早く輸送車運んできてくれ――!ちゃんと基地で手術して治してやんなきゃ……!!」
「そんな――……それじゃ先生の方が――……」
「……行こう、瀬能くん、名前ちゃん」
「え?」
「ここには医療用具が何一つないし、こんなすべてが凍りつく場所で手術しても、30分で内臓から何から凍ってしまう!今の僕等に出来るのは、万全の態勢を整えて彼等を迎えに来る事だけだ!」
「で……でも、陵刀先生……」
「今は彼を信じるしかない!行くぞ!!」
「……ウチは行かない」
「名前ちゃん!?」
「麻酔銃置いていって、陵刀先生」
「君まで何を言ってるんだ?!」
「いつまたあの密猟者共が戻ってくるか判らない……なら、誰かが残って鉄生先生達を守らなきゃ。違う?」
「名前さん……」
「くっ……」
「迷ってる暇なんかないよ!?さっさと麻酔銃置いて輸送車取ってきて!ここはウチが犬と一緒に護るから!!」
「……判った――……だけど、万が一何かあったら君だけでも逃げる事。いいね?」
「……そうならない事を祈ってるよ」
にへらと笑ってみせる名前に折れて、陵刀は持っていた麻酔銃を渡した。
「使い方は判るかい?」
「多分大丈夫。ま、使う事にならないってのが一番望ましいんだけどね!ホラ、さっさと行って!!」
名前に急かされ、陵刀と瀬能は輸送車を取りに走りだした。
「犬ちゃん、名前さん!先生の事しっかり見ててあげてね……!」
「ウウウ~」
陵刀達を見送って十数分。それまで黙っていた名前が犬に語りかけた。
「大丈夫だよ。陵刀先生はあぁ見えて有言実行する人だと思うから。だから大丈夫。あの人を信じよう」
自分に言い聞かせるように言いながら、名前は犬の頭を撫でた。
それから直ぐに岩城は気を失い、犬が駈け出した所で遠くから輸送車が近づいて来る音が聞こえた。
「名前ちゃん!無事か!?」
「ウチは大丈夫。でも、鉄生先生が……」
「先生っ!?」
「大丈夫、気を失ってるだけだ!早く母熊と鉄生君を輸送車に乗せよう!!」
陵刀の指示に従い、母熊と岩城を輸送車に乗せると急いで基地へと戻った。
「あああもおおーっ!……ホント…………間に合って良かったあ、鉄生先生~」
「出血多量で危なかったけどね。一時間もすれば気がつくよ」
「でも陵刀先生がお医者様の免許も持ってらして助かりました!ホントスゴイですね先生、熊も人も治療しちゃうんだもん!」
「本当、ありがとう陵刀先生」
「名前ちゃん?」
「鉄生先生が気を失った時は、マジでどうしようか焦ったんだ……何も出来ない自分の未熟さに腹が立った」
『だから本当にありがとう』と言いながら、名前は俯いたまま陵刀の服の端を握った。
「いや……本当にスゴイのは彼だよ……骨まで達する様な深手を負っているにも関わらず、最後まで彼は止血の手を離さなかった……アレがなければ熊は死んでいたよ……確実にね……」
眠っている岩城と母熊を見ながら言う陵刀に、名前は自身の認識を改めていた。
「でも、どうせならご褒美貰おうかな♪」
「……ご褒美?」
「そ、ご褒美♡」
「院長に何か強請るの?陵刀先生……」
溜息混じりに名前が問うと、陵刀は笑いながら名前の頭を撫でた。
「嫌だなぁ。院長がご褒美くれると思う?」
「…………ないね」
「でしょ?だから、僕にご褒美ちょうだい♡」
名前に向かって笑顔で強請る陵刀。そんな彼を見て、名前は大きく溜息を吐いた。
「まったく……ウチに何を強請るつもりなん?陵刀先生にあげられるようなご褒美なんて持ってないよ?」
「そんな――……それじゃ先生の方が――……」
「……行こう、瀬能くん、名前ちゃん」
「え?」
「ここには医療用具が何一つないし、こんなすべてが凍りつく場所で手術しても、30分で内臓から何から凍ってしまう!今の僕等に出来るのは、万全の態勢を整えて彼等を迎えに来る事だけだ!」
「で……でも、陵刀先生……」
「今は彼を信じるしかない!行くぞ!!」
「……ウチは行かない」
「名前ちゃん!?」
「麻酔銃置いていって、陵刀先生」
「君まで何を言ってるんだ?!」
「いつまたあの密猟者共が戻ってくるか判らない……なら、誰かが残って鉄生先生達を守らなきゃ。違う?」
「名前さん……」
「くっ……」
「迷ってる暇なんかないよ!?さっさと麻酔銃置いて輸送車取ってきて!ここはウチが犬と一緒に護るから!!」
「……判った――……だけど、万が一何かあったら君だけでも逃げる事。いいね?」
「……そうならない事を祈ってるよ」
にへらと笑ってみせる名前に折れて、陵刀は持っていた麻酔銃を渡した。
「使い方は判るかい?」
「多分大丈夫。ま、使う事にならないってのが一番望ましいんだけどね!ホラ、さっさと行って!!」
名前に急かされ、陵刀と瀬能は輸送車を取りに走りだした。
「犬ちゃん、名前さん!先生の事しっかり見ててあげてね……!」
「ウウウ~」
陵刀達を見送って十数分。それまで黙っていた名前が犬に語りかけた。
「大丈夫だよ。陵刀先生はあぁ見えて有言実行する人だと思うから。だから大丈夫。あの人を信じよう」
自分に言い聞かせるように言いながら、名前は犬の頭を撫でた。
それから直ぐに岩城は気を失い、犬が駈け出した所で遠くから輸送車が近づいて来る音が聞こえた。
「名前ちゃん!無事か!?」
「ウチは大丈夫。でも、鉄生先生が……」
「先生っ!?」
「大丈夫、気を失ってるだけだ!早く母熊と鉄生君を輸送車に乗せよう!!」
陵刀の指示に従い、母熊と岩城を輸送車に乗せると急いで基地へと戻った。
「あああもおおーっ!……ホント…………間に合って良かったあ、鉄生先生~」
「出血多量で危なかったけどね。一時間もすれば気がつくよ」
「でも陵刀先生がお医者様の免許も持ってらして助かりました!ホントスゴイですね先生、熊も人も治療しちゃうんだもん!」
「本当、ありがとう陵刀先生」
「名前ちゃん?」
「鉄生先生が気を失った時は、マジでどうしようか焦ったんだ……何も出来ない自分の未熟さに腹が立った」
『だから本当にありがとう』と言いながら、名前は俯いたまま陵刀の服の端を握った。
「いや……本当にスゴイのは彼だよ……骨まで達する様な深手を負っているにも関わらず、最後まで彼は止血の手を離さなかった……アレがなければ熊は死んでいたよ……確実にね……」
眠っている岩城と母熊を見ながら言う陵刀に、名前は自身の認識を改めていた。
「でも、どうせならご褒美貰おうかな♪」
「……ご褒美?」
「そ、ご褒美♡」
「院長に何か強請るの?陵刀先生……」
溜息混じりに名前が問うと、陵刀は笑いながら名前の頭を撫でた。
「嫌だなぁ。院長がご褒美くれると思う?」
「…………ないね」
「でしょ?だから、僕にご褒美ちょうだい♡」
名前に向かって笑顔で強請る陵刀。そんな彼を見て、名前は大きく溜息を吐いた。
「まったく……ウチに何を強請るつもりなん?陵刀先生にあげられるようなご褒美なんて持ってないよ?」