北極グマ
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陵刀が岩城達の仲を見て感心していると、遠くから何かが鳴いている声が聞こえてきた。
「あれ……なんか聞こえません?遠吠えみたいな……」
「動物の鳴き声……かな?」
「誰かを呼んでるような……」
[ホントだ……]
「熊?」
遠くから聞こえてくる鳴き声を聞いて、岩城に近づいて行く熊。
熊はそのまま岩城の顔を一舐めすると、全速力で鳴き声の方へと走りだした。
「熊……!熊……!ちょっと待てって、熊ー!」
熊の後を岩城と犬が追いかける。
「ちょっ……鉄生先生?!」
慌ててその後を追う名前達。
「く……母グマ……」
岩城達の辿り着いた先には、母熊と再開した熊の姿があった。
「ま、なんにせよこれで僕等の役目は終わったワケだ。戻るよ」
「先生!!先生には犬ちゃんがいるじゃないですか」
「ワウッ♡」
「わ……わーってるよ。戻るよ、戻……る……」
岩城が引き返そうとした時、ヘリが近づいて来る音が響き渡った。
「密猟者……!!熊……!」
「待ちなよ!!」
「離……」
熊の元へ飛び出そうとする岩城を、陵刀が制止した。
「この距離じゃ誤射される危険性があるし……母熊にとっちゃ君だって敵なんだよ!」
「……なあ、飛行機の中での話だけど、お前は――……動物の為に死ねるか?」
「僕が死んだら優秀な医者がいなくなる。そしたらもっと沢山の動物達が死ぬ。だから僕は死ねない」
「……そーだな……うん……!お前は生きてた方がいーな……!じゃ、俺死んでくるわ!」
「てっ……鉄生君!?」
「鉄生先生!?無茶なっ……!!」
陵刀と名前の制止も虚しく、岩城は熊の母子に向かって走りだしていた。
「チィ……!」
陵刀達も後を追おうとした時だった。ドンという大きな音が響いたかと思った瞬間、母熊が密猟者によって撃たれた。
倒れ伏す母熊に、熊が駆け寄る。そこへ岩城が危険も顧みずに走っていった。
岩城に気付いたのか、突然ヘリが方向を変えて離れて行こうしていた。
「あ!陵刀先生、密猟者が――!!」
「今はそんなものどうでもいい!僕等も行くぞ!手負いの熊は危険だ!」
逃げていく密猟者を無視し、陵刀達は岩城の元へと駆けて行く。
もう少しで辿り着くという正にその瞬間だった。母熊に近付こうとした岩城が、その背を母熊に切り裂かれていた。
「フギャ!!」
「先生!!」
雪の大地に投げ飛ばされる岩城。母熊はそんな岩城から離れようと必死に体を動かしていた。
「うわ……いってェ……」
岩城の背中からは、ものすごい量の出血が遠目で見ても解るほど確認出来た。
「先生……!!」
「待て!!手負いで気の立っている熊に近づけば、僕等も彼の二の舞いだ!」
「先生!麻酔銃!?」
「陵刀先生?!」
「この距離だと吹き矢は使えない。こうするしかないんだ!」
陵刀が麻酔銃の準備をし、構えた時だった。それまで蹲っていた岩城が動いた。
「や……止めろ……」
「な……に!?」
「見ろよ、この熊の傷……こんな出血してんのにココで麻酔なんか打ったら、凍って死ぬ!!そんな事、俺だって知ってる……」
「な……このままだと君だって危険なんだぞ!そこまでする必要がどこにある――……」
「煩え!!患畜助けてェんだよ……!!他に理由がいんのか!?」
岩城は自身の身の危険よりも、母熊の容態を心底心配していた。
陵刀が岩城の言葉に動きを止めたその時、今まで起き上がっていた母熊が倒れこんだ。
倒れると同時に、密猟者に撃たれた箇所から大量の出血が始まる母熊。
苦しそうに地を掻く母熊の傷を、何を思ったのか岩城は素手で押さえつけ始めた。
「先生ーっ!?」
「鉄生先生?!」
母熊は岩城が治療しようとしている事など知るはずもなく、敵と認識して藻掻いている。
精一杯の声を出して反撃しようとする母熊は、岩城の腕に噛み付いた。
「せっ……先生……!」
「ワウ……!!」
「来んな犬!服食われてんだけだ!」
今にも母熊に向かって行こうとする犬を、岩城は声だけで制止した。
「あれ……なんか聞こえません?遠吠えみたいな……」
「動物の鳴き声……かな?」
「誰かを呼んでるような……」
[ホントだ……]
「熊?」
遠くから聞こえてくる鳴き声を聞いて、岩城に近づいて行く熊。
熊はそのまま岩城の顔を一舐めすると、全速力で鳴き声の方へと走りだした。
「熊……!熊……!ちょっと待てって、熊ー!」
熊の後を岩城と犬が追いかける。
「ちょっ……鉄生先生?!」
慌ててその後を追う名前達。
「く……母グマ……」
岩城達の辿り着いた先には、母熊と再開した熊の姿があった。
「ま、なんにせよこれで僕等の役目は終わったワケだ。戻るよ」
「先生!!先生には犬ちゃんがいるじゃないですか」
「ワウッ♡」
「わ……わーってるよ。戻るよ、戻……る……」
岩城が引き返そうとした時、ヘリが近づいて来る音が響き渡った。
「密猟者……!!熊……!」
「待ちなよ!!」
「離……」
熊の元へ飛び出そうとする岩城を、陵刀が制止した。
「この距離じゃ誤射される危険性があるし……母熊にとっちゃ君だって敵なんだよ!」
「……なあ、飛行機の中での話だけど、お前は――……動物の為に死ねるか?」
「僕が死んだら優秀な医者がいなくなる。そしたらもっと沢山の動物達が死ぬ。だから僕は死ねない」
「……そーだな……うん……!お前は生きてた方がいーな……!じゃ、俺死んでくるわ!」
「てっ……鉄生君!?」
「鉄生先生!?無茶なっ……!!」
陵刀と名前の制止も虚しく、岩城は熊の母子に向かって走りだしていた。
「チィ……!」
陵刀達も後を追おうとした時だった。ドンという大きな音が響いたかと思った瞬間、母熊が密猟者によって撃たれた。
倒れ伏す母熊に、熊が駆け寄る。そこへ岩城が危険も顧みずに走っていった。
岩城に気付いたのか、突然ヘリが方向を変えて離れて行こうしていた。
「あ!陵刀先生、密猟者が――!!」
「今はそんなものどうでもいい!僕等も行くぞ!手負いの熊は危険だ!」
逃げていく密猟者を無視し、陵刀達は岩城の元へと駆けて行く。
もう少しで辿り着くという正にその瞬間だった。母熊に近付こうとした岩城が、その背を母熊に切り裂かれていた。
「フギャ!!」
「先生!!」
雪の大地に投げ飛ばされる岩城。母熊はそんな岩城から離れようと必死に体を動かしていた。
「うわ……いってェ……」
岩城の背中からは、ものすごい量の出血が遠目で見ても解るほど確認出来た。
「先生……!!」
「待て!!手負いで気の立っている熊に近づけば、僕等も彼の二の舞いだ!」
「先生!麻酔銃!?」
「陵刀先生?!」
「この距離だと吹き矢は使えない。こうするしかないんだ!」
陵刀が麻酔銃の準備をし、構えた時だった。それまで蹲っていた岩城が動いた。
「や……止めろ……」
「な……に!?」
「見ろよ、この熊の傷……こんな出血してんのにココで麻酔なんか打ったら、凍って死ぬ!!そんな事、俺だって知ってる……」
「な……このままだと君だって危険なんだぞ!そこまでする必要がどこにある――……」
「煩え!!患畜助けてェんだよ……!!他に理由がいんのか!?」
岩城は自身の身の危険よりも、母熊の容態を心底心配していた。
陵刀が岩城の言葉に動きを止めたその時、今まで起き上がっていた母熊が倒れこんだ。
倒れると同時に、密猟者に撃たれた箇所から大量の出血が始まる母熊。
苦しそうに地を掻く母熊の傷を、何を思ったのか岩城は素手で押さえつけ始めた。
「先生ーっ!?」
「鉄生先生?!」
母熊は岩城が治療しようとしている事など知るはずもなく、敵と認識して藻掻いている。
精一杯の声を出して反撃しようとする母熊は、岩城の腕に噛み付いた。
「せっ……先生……!」
「ワウ……!!」
「来んな犬!服食われてんだけだ!」
今にも母熊に向かって行こうとする犬を、岩城は声だけで制止した。