北極グマ
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「ほう……!これは珍しい……この子熊――突然変異種だ!」
「えっ!?」
「突然変異?どこが??」
「ほら、見てみな。この肌の色――青白いだろう。普通、北極グマの肌は黒いんだ」
子熊の毛を掻き分けて、その肌を瀬能と名前に見せる陵刀。
「飛行機の中でも話したが、これはアラスカでも数頭しか見つかっていない珍種……他の動物で言えばアルビノの様なものだ。この辺りにも生息していたんだね」
「じゃ母熊は……?」
「母熊もアルビノなのかもしれない。密猟者に追われて逸れたのかな……」
[どうします、ドクター?こんな子熊だけ連れて行ったら……他の熊のエサになるかも……]
「はいはいはーい!!俺が飼う!!」
英語の解らないハズの岩城が、不穏な空気を読み取ったのか子熊を飼うと言い出した。
「か……飼うって……先生、“クマ”ですよ!?」
「大丈夫だって、犬だって拾ったんだし!いーよな、熊!なーっ」
「クマ!」
「……熊?熊って名前のつもりですか?犬ちゃんと言い、先生のネーミングセンスって一体……」
「熊は熊じゃん。コイツ『クマッ』って鳴くし。なっ」
「クマーッ」
「ふふふっ……鉄生先生面白いわぁ」
「ちょっ!名字まで俺を馬鹿にすんのかよ!?」
「馬鹿にはしてないよ、和んでるだけ」
目から涙を出しながら笑い続ける名前を、鉄生は剥れながら見ていた。
「まあ実際に日本の動物園で飼育員が北極グマを育てた例はあるけど……最低、3年は24時間付きっきりで寝食共にして、泳ぎや餌の捕り方なんかを教えたりしなければならないし――……」
「おう!じゃー本牧市民プールで泳ぎの練習しよーぜえ!おまえ、犬かき教えてやれよ!」
「ワウ!」
「クマッ!」
「……全然解ってない……動物入れないでしょ、フツーよー……」
それから眠らせた北極グマを基地へと運び、そのまま見回りに出る事になった。
その日は車中で寝泊まりする事になり、車外で夕食の準備をしていた時の事だった。
「へぇ……名前ちゃんって料理出来たんだね」
『意外だなぁ』と言いながら、陵刀が背後から名前の手元を覗き込んできた。
「一人暮らししてるからね。簡単な物なら一通りつくれるけど?」
「ふーん、一人暮らしなんだ?なら今度遊……」
「却下」
「つれないなぁ……僕と名前ちゃんの仲じゃないか」
「どんな仲だよ!どんな!!」
「えー、抱きしめ合ったじゃない」
「あれは一方的に陵刀先生が抱きついてきただけでしょ!?」
料理の手を止めて、陵刀の言葉に抗議する名前。しかし、陵刀はそんな事はお構いなしに続けた。
「言ったでしょ?僕は本気だって」
「……まずは本気で仕事してからそういう事言って」
「アレ?僕、君の前でサボった事ないよね?」
「高……院長から噂は聞いてるからね。サボり魔だって事は知ってる」
「そっか……でもね、僕だって毎回サボってるワケじゃないんだよ?」
急に真剣な顔になったかと思うと、陵刀は言葉を続けた。
「ちゃんと後輩の育成に必要な仕事を振り分けてるだけ♡」
「なら、その言葉が本当かどうか見極めさせて貰うよ。じゃ、話終わったんならさっさと戻って。邪魔でしか無い」
シッシッと手で向こうへ行けとばかりに陵刀を追い払い、名前は止めていた手を動かし始めた。
それから3日後。その日も倒れている北極グマがいるとの情報で現場へ駆けつけ、治療をする事になった。
「おーい、熊ー!これ俺のリュック入れといて」
「クマッ!」
岩城は治療に使った物を熊に投げ渡していた。
「凄い適応能力だこと……」
「犬ー、熊ーっ、こっち来ーい」
「クマッ!!」
「ワウ!!」
「ホイ、これご褒美。二人で食いな」
「クマッ!」
「ワウ!!」
「……」
「すっかり親子だね……これも彼の才能かな?」
「えっ!?」
「突然変異?どこが??」
「ほら、見てみな。この肌の色――青白いだろう。普通、北極グマの肌は黒いんだ」
子熊の毛を掻き分けて、その肌を瀬能と名前に見せる陵刀。
「飛行機の中でも話したが、これはアラスカでも数頭しか見つかっていない珍種……他の動物で言えばアルビノの様なものだ。この辺りにも生息していたんだね」
「じゃ母熊は……?」
「母熊もアルビノなのかもしれない。密猟者に追われて逸れたのかな……」
[どうします、ドクター?こんな子熊だけ連れて行ったら……他の熊のエサになるかも……]
「はいはいはーい!!俺が飼う!!」
英語の解らないハズの岩城が、不穏な空気を読み取ったのか子熊を飼うと言い出した。
「か……飼うって……先生、“クマ”ですよ!?」
「大丈夫だって、犬だって拾ったんだし!いーよな、熊!なーっ」
「クマ!」
「……熊?熊って名前のつもりですか?犬ちゃんと言い、先生のネーミングセンスって一体……」
「熊は熊じゃん。コイツ『クマッ』って鳴くし。なっ」
「クマーッ」
「ふふふっ……鉄生先生面白いわぁ」
「ちょっ!名字まで俺を馬鹿にすんのかよ!?」
「馬鹿にはしてないよ、和んでるだけ」
目から涙を出しながら笑い続ける名前を、鉄生は剥れながら見ていた。
「まあ実際に日本の動物園で飼育員が北極グマを育てた例はあるけど……最低、3年は24時間付きっきりで寝食共にして、泳ぎや餌の捕り方なんかを教えたりしなければならないし――……」
「おう!じゃー本牧市民プールで泳ぎの練習しよーぜえ!おまえ、犬かき教えてやれよ!」
「ワウ!」
「クマッ!」
「……全然解ってない……動物入れないでしょ、フツーよー……」
それから眠らせた北極グマを基地へと運び、そのまま見回りに出る事になった。
その日は車中で寝泊まりする事になり、車外で夕食の準備をしていた時の事だった。
「へぇ……名前ちゃんって料理出来たんだね」
『意外だなぁ』と言いながら、陵刀が背後から名前の手元を覗き込んできた。
「一人暮らししてるからね。簡単な物なら一通りつくれるけど?」
「ふーん、一人暮らしなんだ?なら今度遊……」
「却下」
「つれないなぁ……僕と名前ちゃんの仲じゃないか」
「どんな仲だよ!どんな!!」
「えー、抱きしめ合ったじゃない」
「あれは一方的に陵刀先生が抱きついてきただけでしょ!?」
料理の手を止めて、陵刀の言葉に抗議する名前。しかし、陵刀はそんな事はお構いなしに続けた。
「言ったでしょ?僕は本気だって」
「……まずは本気で仕事してからそういう事言って」
「アレ?僕、君の前でサボった事ないよね?」
「高……院長から噂は聞いてるからね。サボり魔だって事は知ってる」
「そっか……でもね、僕だって毎回サボってるワケじゃないんだよ?」
急に真剣な顔になったかと思うと、陵刀は言葉を続けた。
「ちゃんと後輩の育成に必要な仕事を振り分けてるだけ♡」
「なら、その言葉が本当かどうか見極めさせて貰うよ。じゃ、話終わったんならさっさと戻って。邪魔でしか無い」
シッシッと手で向こうへ行けとばかりに陵刀を追い払い、名前は止めていた手を動かし始めた。
それから3日後。その日も倒れている北極グマがいるとの情報で現場へ駆けつけ、治療をする事になった。
「おーい、熊ー!これ俺のリュック入れといて」
「クマッ!」
岩城は治療に使った物を熊に投げ渡していた。
「凄い適応能力だこと……」
「犬ー、熊ーっ、こっち来ーい」
「クマッ!!」
「ワウ!!」
「ホイ、これご褒美。二人で食いな」
「クマッ!」
「ワウ!!」
「……」
「すっかり親子だね……これも彼の才能かな?」