コアラ
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「で、何ですか?いきなり呼び出して」
「まぁ、そう怒るな名字」
R.E.D.の院長室へと呼び出された名前は、不機嫌さを隠そうともせずに院長である高宮を睨みつけていた。
「お前に面倒を見て欲しい奴がいてな」
「……面倒?」
「そうだ。俺が付きっきりで監視する訳にもいかないんでな。ならいっその事、お前に任せてみようと思った訳だ」
宥めながら言う高宮に、最終的に折れたのは名前だった。
「……で、誰の監視をしろと?」
「二科の主任でな、サボり癖があるんだ」
「……マジ?本気で言ってんの??高宮さん」
「あぁ、本気だ。もうすぐ本人も此処に来る」
高宮の言葉に、名前は項垂れて大きく溜息を溢した。
《陵刀先生、陵刀先生。至急院長室までお越し下さい。繰り返します――》
院内放送が流れ、それから十数分待っていると院長室のドアがノックされた。
「失礼しまーす」
声と同時にドアが開き、長身の男が中に入ってきた。
「何か用ですか?院長」
男は中に入るなり、高宮に声を掛けた。
「漸く来たか……」
「何ですか?その言い方は……僕だって院内放送が流れたら、流石に来ますよ」
「……まぁいい。お前に秘書をつける事にした」
「僕にですか?必要ないですよ、オーナーじゃあるまいし」
「これは決まった事だ。お前に拒否権はない」
高宮の言葉に多少のショックを受けた様子の男は、やがて諦めて確認をした。
「……解りました。で、秘書って言っても、誰をつける気ですか?」
「名字」
「はいはい……」
それまで高宮の側で黙って事の成り行きを眺めていた名前は、意識を男に向けた。
「名字、コレがワイルドライフ主任の陵刀司君だ」
「どぉも。貴方の秘書になる名字名前って言います」
『よろしく』と言いながら、手を差し出す名前。
「キミが……僕の秘書?」
「みたいですね」
「ふーん」
『よろしく』と名前の差し出した手を握り返しながら、陵刀と呼ばれた男は名前を見た。
「キミ、看護師なの?」
「違いますけど……」
「院長、動物の知識もない人間を僕の秘書にするって、どういう事ですか?」
名前から高宮へと視線を移し、陵刀は続けた。
「一科や三科ならまだしも、二科では知識無しは無理でしょう?」
「知識はおいおい付ければいい。社会復帰の第一歩として、お前の秘書につけるだけだ」
「“社会復帰”?どういう事です?」
「彼女はあの“学園”の出身者だ」
「……そういう事ですか。分かりましたよ」
諦めた様に名前を見る陵刀は、彼女をその場に残し院長室を出て行こうとした。
「陵刀」
「何ですか?」
「早速だが、彼女に院内を案内してやれ」
「ハァ……付いておいで、名前ちゃん」
名前が高宮を見遣ると、高宮は黙って頷いていた。
「……で、R.E.D.には一科から六科まであるワケだけど、キミが所属するのは二科。野生動物を診るのが仕事の部署だ」
陵刀に説明を受けながら、院内を歩く名前。
「話には聞いてましたけど、R.E.D.って大きいんですね」
「まぁ、専門分野が分かれているから飼い主と患畜にとってはいいのかもね」
陵刀と院内を歩いていると、診察室の1つから大きな声が聞こえてきた。
「瀬能さん、切開手術の準備してくれ!中のモン取り出す――……」
「はい!」
「山羊……?」
名前が中の様子を呆然と眺めていると、陵刀はその横を通り診察室の中へと入っていった。
「殺すの?この山羊……」
山羊の頭を撫でながら、陵刀は物騒な物言いをしていた。
「あ?こ……殺…………?」
「なっ……なんなんですか、貴方――……」
ニィと笑ったかと思うと、陵刀は何も言わずに山羊の口の中に手を突っ込んだ。
「なっ……何してるんですか!?」
「まぁ、そう怒るな名字」
R.E.D.の院長室へと呼び出された名前は、不機嫌さを隠そうともせずに院長である高宮を睨みつけていた。
「お前に面倒を見て欲しい奴がいてな」
「……面倒?」
「そうだ。俺が付きっきりで監視する訳にもいかないんでな。ならいっその事、お前に任せてみようと思った訳だ」
宥めながら言う高宮に、最終的に折れたのは名前だった。
「……で、誰の監視をしろと?」
「二科の主任でな、サボり癖があるんだ」
「……マジ?本気で言ってんの??高宮さん」
「あぁ、本気だ。もうすぐ本人も此処に来る」
高宮の言葉に、名前は項垂れて大きく溜息を溢した。
《陵刀先生、陵刀先生。至急院長室までお越し下さい。繰り返します――》
院内放送が流れ、それから十数分待っていると院長室のドアがノックされた。
「失礼しまーす」
声と同時にドアが開き、長身の男が中に入ってきた。
「何か用ですか?院長」
男は中に入るなり、高宮に声を掛けた。
「漸く来たか……」
「何ですか?その言い方は……僕だって院内放送が流れたら、流石に来ますよ」
「……まぁいい。お前に秘書をつける事にした」
「僕にですか?必要ないですよ、オーナーじゃあるまいし」
「これは決まった事だ。お前に拒否権はない」
高宮の言葉に多少のショックを受けた様子の男は、やがて諦めて確認をした。
「……解りました。で、秘書って言っても、誰をつける気ですか?」
「名字」
「はいはい……」
それまで高宮の側で黙って事の成り行きを眺めていた名前は、意識を男に向けた。
「名字、コレがワイルドライフ主任の陵刀司君だ」
「どぉも。貴方の秘書になる名字名前って言います」
『よろしく』と言いながら、手を差し出す名前。
「キミが……僕の秘書?」
「みたいですね」
「ふーん」
『よろしく』と名前の差し出した手を握り返しながら、陵刀と呼ばれた男は名前を見た。
「キミ、看護師なの?」
「違いますけど……」
「院長、動物の知識もない人間を僕の秘書にするって、どういう事ですか?」
名前から高宮へと視線を移し、陵刀は続けた。
「一科や三科ならまだしも、二科では知識無しは無理でしょう?」
「知識はおいおい付ければいい。社会復帰の第一歩として、お前の秘書につけるだけだ」
「“社会復帰”?どういう事です?」
「彼女はあの“学園”の出身者だ」
「……そういう事ですか。分かりましたよ」
諦めた様に名前を見る陵刀は、彼女をその場に残し院長室を出て行こうとした。
「陵刀」
「何ですか?」
「早速だが、彼女に院内を案内してやれ」
「ハァ……付いておいで、名前ちゃん」
名前が高宮を見遣ると、高宮は黙って頷いていた。
「……で、R.E.D.には一科から六科まであるワケだけど、キミが所属するのは二科。野生動物を診るのが仕事の部署だ」
陵刀に説明を受けながら、院内を歩く名前。
「話には聞いてましたけど、R.E.D.って大きいんですね」
「まぁ、専門分野が分かれているから飼い主と患畜にとってはいいのかもね」
陵刀と院内を歩いていると、診察室の1つから大きな声が聞こえてきた。
「瀬能さん、切開手術の準備してくれ!中のモン取り出す――……」
「はい!」
「山羊……?」
名前が中の様子を呆然と眺めていると、陵刀はその横を通り診察室の中へと入っていった。
「殺すの?この山羊……」
山羊の頭を撫でながら、陵刀は物騒な物言いをしていた。
「あ?こ……殺…………?」
「なっ……なんなんですか、貴方――……」
ニィと笑ったかと思うと、陵刀は何も言わずに山羊の口の中に手を突っ込んだ。
「なっ……何してるんですか!?」
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