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「そうか?」
「離れて」
「嫌だ」
「ガキか?!」
「ナマエになら、ガキ扱いされてもいい。今はこうしてたい。ダメ?」
「はぁ……」
季節は変わり、日差しも暑くなってきたというのにクロロはナマエの腰から手を離さなかった。
「せめて、手だけにして。歩けない」
「今日はここで野宿だろう?」
「いや、もう少し進みたい」
「仕方がない。可愛いナマエの頼みは断れないな」
溜息を吐いたクロロは漸く腰から手を離し、その手をナマエの右手に絡ませた。
「これなら歩けるだろ?」
「……恋人繋ぎする必要ある?」
「こっちの方が落ち着くんだよ」
「さいですか……」
今度はナマエが重い溜息を吐き、止めていた足を動かし始めた。
それから小一時間程歩いただろうか。気付いたら、周りを囲む十数人の気配があった。
「囲まれた……か」
「みたいだな」
「余裕そうだね、クロロ」
「ナマエが守ってくれるんだろ?」
「……その為に一緒にいるからね」
『あー面倒くせぇ』と呟きながら、立ち止まったナマエ。その時、木陰から周りを囲んでいた気配の持ち主が現れた。
「よォ、良い女連れてるなァ、ニイチャン」
「女と金目のモノ、置いてって貰おうか」
下品な笑い声を出しながら、男達は言った。その言葉を聞き届けると、臨戦態勢に入るナマエ。
「悪いけど、アンタ等みたいな下衆に付き合ってる程暇じゃないの」
『退いてくれない?』と続けながら、ナマエは自身の後ろにクロロを隠した。
「随分強気なネエチャンだな」
「強気な女は大好きだぜ」
「お楽しみが増えたなァ、アニキ」
「はぁ……身の程知らずが――【異人の夜(ナイトメア)】発動、【勾陳(こうちん)】」
ナマエは【勾陳】を呼び出し、手に小太刀を構えた。
「どっから武器を……!?」
「そんなの関係ねェ!やっちまえ!!」
アニキと呼ばれた頭の掛け声を合図に、手下達はそれぞれの獲物を構えた。
「大人しく引き下がってはくれないわけね」
「上玉目の前にして、大人しく引き下がるわけねェだろ!」
「仕方がない……相手してあげるよ」
『さぁ、始めようか』と言うなり、ナマエは自身を取り囲んでいる男の1人に向かって走りだした。
まずは目の前にいる男の足を小太刀で斬りつける。次に、その男の右隣にいた男の左腕を斬りつける。
妖しく笑うナマエは小太刀を構え直し、自身を睨む男達に向き直った。
そんなナマエの行動に痺れを切らした頭が、部下達を焚き付ける。
「オメェ等!たかが女1人にバカにされてるんじゃねェ!!」
「しかし……この女の動き、ただモンじゃねェよ!」
「一応、一般市民じゃないんでね。運が悪かったね」
頭を取り囲んでいる男達に向かい、ナマエは再度走りだした。
「ほら、隙だらけ」
言うが早いか、ナマエの小太刀は男達の動きを止める為斬り付ける動作を止める事はしない。
クロロはそんなナマエの動きを、一挙手一投足見逃すまいと目を凝らして見ていた。
「クソッ……おい、ネエチャン!この男がどうなってもいいのか?!」
男の1人が、クロロの首元に短剣を突きつけていた。僅かだが、その首元からは血が流れていた。
「何でワザと捕まるかなぁ、クロロ」
「くくっ。この方がナマエの力を見られると思ってね」
「ったく――【玄武(げんぶ)】、クロロを守って」
ナマエの言葉に呼応し、【玄武】の結界がクロロを包んだ。クロロに短剣を突きつけていた男は、【玄武】の結界により弾き飛ばされてしまう。
「ガハッ……」
「人質取るなんて汚いマネ、平気でやるような輩に生きてる価値なんてない。悪いけど、人間の急所なんて判らないから――楽には死ねないよ?」
「離れて」
「嫌だ」
「ガキか?!」
「ナマエになら、ガキ扱いされてもいい。今はこうしてたい。ダメ?」
「はぁ……」
季節は変わり、日差しも暑くなってきたというのにクロロはナマエの腰から手を離さなかった。
「せめて、手だけにして。歩けない」
「今日はここで野宿だろう?」
「いや、もう少し進みたい」
「仕方がない。可愛いナマエの頼みは断れないな」
溜息を吐いたクロロは漸く腰から手を離し、その手をナマエの右手に絡ませた。
「これなら歩けるだろ?」
「……恋人繋ぎする必要ある?」
「こっちの方が落ち着くんだよ」
「さいですか……」
今度はナマエが重い溜息を吐き、止めていた足を動かし始めた。
それから小一時間程歩いただろうか。気付いたら、周りを囲む十数人の気配があった。
「囲まれた……か」
「みたいだな」
「余裕そうだね、クロロ」
「ナマエが守ってくれるんだろ?」
「……その為に一緒にいるからね」
『あー面倒くせぇ』と呟きながら、立ち止まったナマエ。その時、木陰から周りを囲んでいた気配の持ち主が現れた。
「よォ、良い女連れてるなァ、ニイチャン」
「女と金目のモノ、置いてって貰おうか」
下品な笑い声を出しながら、男達は言った。その言葉を聞き届けると、臨戦態勢に入るナマエ。
「悪いけど、アンタ等みたいな下衆に付き合ってる程暇じゃないの」
『退いてくれない?』と続けながら、ナマエは自身の後ろにクロロを隠した。
「随分強気なネエチャンだな」
「強気な女は大好きだぜ」
「お楽しみが増えたなァ、アニキ」
「はぁ……身の程知らずが――【異人の夜(ナイトメア)】発動、【勾陳(こうちん)】」
ナマエは【勾陳】を呼び出し、手に小太刀を構えた。
「どっから武器を……!?」
「そんなの関係ねェ!やっちまえ!!」
アニキと呼ばれた頭の掛け声を合図に、手下達はそれぞれの獲物を構えた。
「大人しく引き下がってはくれないわけね」
「上玉目の前にして、大人しく引き下がるわけねェだろ!」
「仕方がない……相手してあげるよ」
『さぁ、始めようか』と言うなり、ナマエは自身を取り囲んでいる男の1人に向かって走りだした。
まずは目の前にいる男の足を小太刀で斬りつける。次に、その男の右隣にいた男の左腕を斬りつける。
妖しく笑うナマエは小太刀を構え直し、自身を睨む男達に向き直った。
そんなナマエの行動に痺れを切らした頭が、部下達を焚き付ける。
「オメェ等!たかが女1人にバカにされてるんじゃねェ!!」
「しかし……この女の動き、ただモンじゃねェよ!」
「一応、一般市民じゃないんでね。運が悪かったね」
頭を取り囲んでいる男達に向かい、ナマエは再度走りだした。
「ほら、隙だらけ」
言うが早いか、ナマエの小太刀は男達の動きを止める為斬り付ける動作を止める事はしない。
クロロはそんなナマエの動きを、一挙手一投足見逃すまいと目を凝らして見ていた。
「クソッ……おい、ネエチャン!この男がどうなってもいいのか?!」
男の1人が、クロロの首元に短剣を突きつけていた。僅かだが、その首元からは血が流れていた。
「何でワザと捕まるかなぁ、クロロ」
「くくっ。この方がナマエの力を見られると思ってね」
「ったく――【玄武(げんぶ)】、クロロを守って」
ナマエの言葉に呼応し、【玄武】の結界がクロロを包んだ。クロロに短剣を突きつけていた男は、【玄武】の結界により弾き飛ばされてしまう。
「ガハッ……」
「人質取るなんて汚いマネ、平気でやるような輩に生きてる価値なんてない。悪いけど、人間の急所なんて判らないから――楽には死ねないよ?」